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チャーンレート(解約率)とは?目安や計算方法、改善策を解説

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チャーンレートとは「解約率」を意味し、一定期間内にサービスの利用を終了した人の割合を表す指標です。とくに、SaaS型のサブスクリプションビジネスにおいて重視される傾向にあります。本記事ではチャーンレートの目安や計算方法、改善策を解説します。

この記事の目次

    チャーンレートとは

    チャーンレートとは、「解約率」のことです。一定期間内にサービスの利用を終了した人の割合を指し、顧客満足度をダイレクトに表す指標です。

    チャーンレートは、とくに定期購入や契約更新が発生する会員制ビジネスにおいて重視されます。さらに、いわゆる「解約が発生しないビジネス」においても、自社の商品やサービスの利用を辞めた人の割合として活用されることを押さえておきましょう。

    チャーンレートを低下させるべき理由

    チャーンレートの悪化は、お客様数の減少を意味します。それによって売上高や収益も減少してしまう傾向にあるため、数値を低下させなければなりません。

    また、既存のお客様を維持して売上を確保するほうが、新規のお客様を獲得するよりもコストがかからないことも、チャーンレートを低下させるべき理由として挙げられます。既存のお客様を失ってしまうと、そのお客様の購入額が減るだけではなく、新たなお客様を獲得するために多大なコストがかかってしまいます。

    チャーンレートの目安

    商品内容やサービスの形態、企業の成長段階などによって異なるものの、一般的には企業に対して商品やサービスを提供するBtoBビジネスのチャーンレートの目安は6%程度です。一方、一般消費者向けのBtoCビジネスにおけるチャーンレートの目安は、7.5%程度です。

    また、理想的なチャーンレートは、スタートアップ企業の場合は3%程度、大手企業では0.5~1%程度といわれています。

    チャーンレートの種類

    チャーンレートは、「カスタマーチャーンレート」と「レベニューチャーンレート」の2つに分けられます。それぞれの特徴を確認しましょう。

    カスタマーチャーンレート

    カスタマーチャーンレートは、全体のお客様数に対して、一定期間に契約を解約したお客様の割合を表します。サブスクリプションビジネスでの利益は、通常、契約数に大きく左右されます。そのため、サブスクリプションビジネスで単にチャーンレートと呼ぶ場合は、カスタマーチャーンレートを意味することが一般的です。

    なお、カスタマーチャーンレートでは、有料会員から無料会員に変更した場合も解約とみなして契約に含めることがほとんどです。

    レベニューチャーンレート

    収益を基準に算出するチャーンレートのことを、レベニューチャーンレートと呼びます。収益をもとに算出するため、複数の価格帯のプランを提供している場合に、価格帯別の解約率や収益の増減を把握できることが特徴です。

    例えば、月額5,000円のコースと1万円のコースを提供している場合、月額1万円のコースの解約は5,000円のコースの2件分の解約に匹敵します。複数の料金プランを用意している場合は、カスタマーチャーンレートだけでなくレベニューチャーンレートにも注目する必要があります。

    チャーンレートが重視される背景

    チャーンレートが重視されるようになった背景には、SaaS(Software as a Service)型の、サブスクリプションビジネスの台頭が挙げられます。SaaSとは、サービスとしてのソフトウェアを意味します。従来のソフトウェアは、CD-ROMからパソコンにインストールして使いました。それに対してSaaSは、インターネットを経由してユーザーがアクセスすることで利用できる仕組みです。

    SaaSには、サブスクリプションが採用されることが多いことが特徴です。サブスクリプションとは、月額料金や年会費など、一定期間の利用料金を課金方式で支払うシステムを指します。2015年頃から、必要な機能のみをインターネット経由で利用でき、不要になればすぐに解約できるSaaS市場が急拡大しました。

    SaaS型のサブスクリプションビジネスは、新規のお客様を獲得しやすい反面、簡単に他社に乗り換えられるリスクを持ち合わせています。そのため、常にチャーンレートをチェックし、お客様の離脱を阻止しなければなりません。

    また、SaaSでもサブスクリプションでもないビジネスにおいても、チャーンレートの概念は重要です。長期的に継続購入してくれる既存のお客様を維持することは、あらゆるビジネスにおける基本であるためです。新規のお客様が増加するペースを、既存のお客様の解約ペースが上回れば、その事業は衰退する可能性が高まります。

    チャーンレートの計算方法

    「カスタマーチャーンレート」と「レベニューチャーンレート」では、計算方法が異なります。それぞれの計算方法をみていきましょう。

    カスタマーチャーンレート

    カスタマーチャーンレートは、一定期間内に有料会員の契約を解約したお客様の、全体数に対する割合を指します。計算は、以下のように行いましょう。

    • 解約したお客様数÷前月のお客様の人数×100

    例えば、今月解約したお客様が100人で前月の会員数が2,500人の場合、4%がカスタマーチャーンレートの数値となります。

    レベニューチャーンレート

    レベニューチャーンレートは、収益をもとに算出する解約率のことです。さらに、プラン変更による損失を加味した「グロスレベニューチャーンレート」や、増収も考慮した「ネットレベニューチャーンレート」もあります。

    ここからは、それぞれの計算方法をご紹介します。

    基本のレベニューチャーンレートの計算方法

    基本のレベニューチャーンレートの計算方法は以下のとおりです。

    • 商品・サービス単価×期間中に解約したお客様の数÷期間中の総収益×100

    商品・サービスの単価が1,000円で、期間中に50人が解約し、総収益が100万円のケースでは5%となります。

    グロスレベニューチャーンレートの計算方法

    低価格なサービスへの移行も考慮したグロスレベニューチャーンレートは、以下の計算方法で算出します。前月の月次収益に対する、解約やダウングレードによる損失の割合を計算する方法です。

    • 期間内に解約やダウングレードで発生した損失金額 ÷ 前月の月次収益× 100

    1ヵ月間のうちに、サービス単価1,000円の解約が50件、サービス単価700円へのダウングレードが30件発生した場合、期間内の損失は59,000円です。このケースにおいて、前月の月次収益が100万円の場合は5.9%となります。

    ネットレベニューチャーンレートの計算方法

    アップセルやクロスセルによる増収も織り込むネットレベニューチャーンレートは、以下の計算方法で算出します。アップセルとは、より上位の高価な商品やサービスへの移行を促す営業活動、クロスセルは、新たに関連するものを組み合わせて購入してもらう営業活動です。

    • (期間内の損失金額- 期間内の増収額)÷ 前月の月次収益× 100

    1ヵ月間のうちに単価1,000円の解約が50件、単価700円から1,000円のアップグレードが30件発生した場合、期間内の損失額から増収額を差し引いた金額は41,000円です。前月の月次収益が100万円の場合、4.1%となります。

    チャーンレートの改善方法

    チャーンレートを改善するのに効果的な方法は、主に以下の4つです。

    • 解約原因を分析する
    • 製品・サービス内容を正しく伝える
    • カスタマーサクセスを重視する
    • 価格体系の見直しを検討する

    それぞれの内容を解説します。

    解約原因を分析する

    チャーンレートを改善するためには、解約原因を把握することが欠かせません。解約手続きの中でアンケートを実施し、解約の理由を確認する必要があります。

    例えば、「期待していたような効果が得られなかった」「ほかにより高性能なサービス、コストのかからないものが見つかった」といった理由が考えられます。解約の原因として目立つものがわかれば、対策を行うことで解約数を減らすことも可能です。

    商品・サービス内容を正しく伝える

    お客様に対して、商品やサービスの内容を正しく伝えることも、チャーンレートを改善するために必要です。お客様の状況や目的と、商品やサービスの内容がうまくマッチしないと、期待した効果が得られず解約に至る可能性が高いでしょう。

    契約時に相手の抱える課題を正しく理解し、誤解が生まれないように、商品やサービスの内容を正しく伝え、十分にすり合せを行うことが重要です。

    カスタマーサクセスを重視する

    カスタマーサクセスによってお客様が商品やサービスの良さを実感できれば、それらを長く使い続けてもらえる可能性が高まり、解約防止につながります。カスタマーサクセスとは、商品やサービスを購入したお客様に対して能動的に関わり、課題解決や目標達成など、お客様の成功体験を実現させるための取り組みのことです。

    マーケティングでは、「1:5の法則」が存在するといわれています。具体的には、新規のお客様を獲得するためのコストは、既存のお客様を維持するコストの5倍かかるというものです。ビジネスで効率的に利益を確保し続けるには、既存のお客様に長期的に利用してもらう必要があり、カスタマーサクセスに積極的に取り組むことが求められます。

    お客様対応のレベルの向上を目的に社内向けのFAQを作成するなら、株式会社ラクスが提供するメール共有・管理システム「メールディーラー」の導入がおすすめです。「メールディーラー」は、お客様からの問い合わせの対応状況を見える化し、対応漏れや二重対応を防止するシステムです。顧客対応のナレッジやお客様からのよくある質問のFAQをマニュアルとしてまとめられる「Q&A機能」を提供しているので、顧客対応のレベルを平準化し、質の高い顧客対応を実現します。

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    価格体系の見直しを検討する

    他社の商品やサービスと比較し、機能や性能、アフターフォローなどで劣るにも関わらず価格帯が高い場合、お客様の解約を食い止めることは困難です。

    市場には、より高機能で安価な商品やサービスが次々と登場します。その中でお客様に選ばれ続けるためには、機能面やサポート内容を見直す必要があるでしょう。さらに、それらが難しい場合は、価格体系の見直しも検討の余地があります。

    チャーンレート改善に必須の要素

    チャーンレート改善に必須の要素として挙げられるのは、主に以下の3点です。

    • パーソナライズ
    • リアルタイム
    • ロイヤルティ

    各要素について解説します。

    パーソナライズ

    パーソナライズは「人」を意味するpersonを語源とし、お客様を1つのグループとして捉えるのではなく、一人ひとりとコミュニケーションを取る方法です。具体的にはWebサイト上で表示する個別ページやメールマガジンの内容、おすすめする商品、配信するWeb広告などが挙げられます。これらを、それぞれの属性や興味の対象、行動特性などに合わせた内容にすることを指します。

    チャーンレートの改善のためには、パーソナライズを重視した手法を実施することが重要です。ただし、数多くのお客様に対し、手作業できめ細かくパーソナライズを行うとなると、担当者の負担はかなり大きくなります。お客様情報を効率的に管理するためにおすすめなのが、株式会社ラクスが販売元のCRMツール「楽楽販売」です。また、同じく株式会社ラクスが提供する「配配メール」なら、定期的なメール配信のさまざまな手間を削減できます。

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    リアルタイム

    お客様満足度は、刻一刻と変化します。そのため、チャーンレートを改善するには、リアルタイムのお客様満足度に注目してコミュニケーションを図ることが欠かせません。お客様ごとにコンテンツを選択することを指すのがパーソナライズであるとすると、リアルタイムはさらに「一人のお客様の時間ごとの変化」にフォーカスするイメージです。

    多くの会社がお客様満足度調査を行っているものの、そのスパンは半年~1年に1回程度であることがほとんどです。これでは、リアルタイムのお客様満足度の変化に対応するのは難しいといえるでしょう。お客様満足度が低下したときに、すぐにその状況を把握し、適切なフォローアップやサポートを行うことが大切です。

    ロイヤルティ

    ロイヤルティも、チャーンレートの改善に必須とされる要素の1つです。ロイヤルティとは、お客様が商品やサービス、ブランドなどに抱く信頼や愛着などのことです。

    市場は同じような機能を持つ商品で溢れかえっており、他社の商品との差別化が困難な状況にあります。特定の商品やブランドにロイヤルティを持たないお客様は、その時々の目的や気分に応じて商品を選び、購入します。自社の商品やサービスもその1つに過ぎないため、埋もれてしまう可能性が高いでしょう。一時的に選ばれたとしても、常に解約のリスクと隣り合わせの状態にあるといえます。

    しかし、ロイヤルティが高いお客様であれば、他社の魅力的な広告に惹かれることもなく、常に自社の商品・サービスを選んでくれます。高いロイヤルティを持つお客様が増えるほど、チャーンレートは下がるでしょう。

    ロイヤルティを低下させないためには、しっかりしたお客様対応を継続することが不可欠です。例えば、メール対応における見落としや重複対応などは、防がなければならないミスの1つといえるでしょう。株式会社ラクスが提供する「メールディーラー」を活用すれば、お客様からのメールをチームで管理する際に起こりがちなこれらのミスを防ぐことが可能です。

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    チャーンレートの上昇を防ぐための対策

    チャーンレートの上昇を防ぐための対策として有効なのは、以下の3つです。

    • リスクの高いお客様を把握する
    • 利用停止の選択肢を提示する
    • プランの変更を提案する

    それぞれの対策について解説します。

    リスクの高いお客様を把握する

    チャーンレートの上昇を防ぐには、解約のリスクの高いお客様を把握する必要があります。解約しそうなお客様を見極めるのは、そう簡単ではありません。しかし、複数の指標を組み合わせて分析することで、解約リスクの高いお客様に共通する行動特性がみえてくる可能性があります。

    例えば、お客様が営業担当とやり取りをしてから、実際にWebサイトを訪問し商品やサービスを注文するまでに、かなりの時間を要したお客様に注目するのも選択肢の1つです。また、返品履歴があったり、ネガティブなフィードバックを寄せた経験のあるお客様にも注意が必要です。

    解約リスクの高いお客様を特定できたら、サポートを強化したり特別感のあるオファーを提供したりして、解約を防ぎましょう。

    利用停止の選択肢を提示する

    解約を希望するお客様に対し、利用停止の選択肢を提示することも、チャーンレートの上昇を防ぐために効果的な方法です。

    例えば、長期的に海外に移住が決まったお客様が、国内でしか購入できない商品や受けられないサービスの解約を申し出てきたとします。この場合、すぐに解約に応じるのではなく、日本に帰国するまでは利用停止を提案しましょう。既存のお客様との関係性を維持したままの状態であるため、契約関係の維持につながり、双方がメリットを得られます。

    さらに、選択肢を複数用意することになるため、お客様も状況に応じた判断がしやすくなるでしょう。

    プランの変更を提案する

    お客様が解約を申し出てきた際、利用停止の選択肢を提示することに加え、さらにプランに変更を提案することも、チャーンレートの低下を防止するのに有効です。具体的には、お客様が使いこなしやすいシンプルなプランへの変更や、有料プランから無料プランへのダウングレードの提案が該当します。お客様がより自分に合ったプランに変更できるように、あらかじめ複数のプランを用意しておくことがポイントです。

    チャーンレートの計算方法によっては、ダウングレードもチャーンレートに反映されます。しかし、その後もお客様との関係を継続して、良質なサービスを提供することで、再び有料プランに戻ってくる可能性があります。複数のプランを用意し、解約ではなくプラン変更を選べるようにすることで、お客様との関係性を維持し、長期的にみると収益を確保できる場合もあるでしょう。

    チャーンレートの意味を知り適切な対策を講じよう

    チャーンレートとは、一定期間内にサービスの利用を終了した人の割合、つまり解約率を指す言葉です。チャーンレートの悪化はお客様数の減少を意味し、売上高や収益が減少してしまう傾向にあります。そのため、数値の低下を確認したら、迅速に対策を講じることが重要です。

    チャーンレートの改善には、解約原因の分析やカスタマーサクセスを重視した対応などが求められます。また、チャーンレートの改善に必須の要素として挙げられるのが、「パーソナライズ」「リアルタイム」「ロイヤルティ」です。

    お客様対応のレベルの向上を目的に社内向けのFAQを作成する際に便利なのが、「メールディーラー」です。効率的に社内FAQを作成できるため、担当者の負担を軽減できます。お客様から送られてくるメールをチームで管理する際に起こりがちな、見落としや重複対応を防ぐための機能が備わっているため、チャーンレートの上昇を防ぐのにも役立ちます。効率的にチャーンレートの改善を目指すなら、ぜひメールディーラーの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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    ※本サイトに掲載されている情報は、株式会社ラクス(以下「当社」といいます)または協力会社が独自に調査したものであり、当社はその内容の正確性や完全性を保証するものではありません。

    この記事を書いたライター

    メールディーラー通信編集部

    メールディーラー通信編集部

    問い合わせ管理に役立つ情報の執筆・案出しをしています。問い合わせ業務でのトラブルを少しでも減らせるような記事を作成できるよう日々編集を行っています。
    得意な整理術は「Gmailの検索演算子を駆使したラベル付け」です。

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