「関係者全員でメールを共有できたらいいのに・・・」
共有メールアドレス・会社の代表アドレス・問い合わせフォームなど、複数人で分担してメール対応を行う場合、「メールを共有する」ことをおすすめします。
この記事では、ビジネスでよく使われるGmailでできる4つのメール共有方法・設定手順と、メールを共有するメリットや注意点などご紹介します。
複数人でメール共有するメリット
Gmailを複数人で共有することで、チームのメール対応業務に多くのメリットが生まれます。
ここでは、Gmail共有がもたらす4つの具体的なメリットについて、詳しく解説します。
1.対応漏れや二重対応の防止
チームでのメール対応において、「誰かが対応してくれるだろう」といった思い込みから生じる「対応漏れ」や、複数人が同じメールに返信してしまう「二重対応」は、顧客からの信頼を大きく損なう原因となり得ます。
Gmailをチームで共有することで、全員が同じ受信トレイで業務を進めるため、「どのメールが未対応か」「誰がどのメールに対応しているか」が一目でわかります。これにより、問い合わせ窓口などで起こりがちな重大なミスを未然に防ぐことが可能です。
2.メール対応業務の効率化
担当者へのメール転送や、関係者全員をCcに入れる作業など、本来の返信業務以外の作業に時間をとられている方も多いでしょう。個別にメールを管理していると、こうした情報共有のための手間が非効率を生み出します。
Gmailを共有すれば、全員が常に最新の状況を同じ画面で把握できるため、不要な状況確認や転送の手間を大幅に削減できます。これにより、各担当者は顧客への返信作成といったコア業務に集中でき、チーム全体の生産性向上につながります。
3.スムーズな代理対応が可能(属人化の防止)
「この問い合わせは担当の〇〇さんしか分からない」という状況、いわゆる「属人化」は、担当者不在時に業務を停滞させる大きなリスクです。
Gmailを共有し、チーム全員が過去のやり取りを含めた全ての情報にアクセスできる体制を整えることで、担当者が不在の際も他のメンバーがスムーズに代理対応できます。顧客との経緯をすぐに確認できるため、状況を的確に把握した上で返信が可能です。これにより、担当者の不在が業務のボトルネックになることを防ぎます。
4.対応ノウハウの共有が可能
チームには、経験豊富なメンバーが持つ優れたメール対応のノウハウが蓄積されているはずです。しかし、個人でメールを管理していると、その貴重なスキルが共有されず、個人の能力に留まってしまいます。
Gmailを共有することで、他のメンバーが作成した返信メールを誰もが閲覧できるため、チーム全体の「生きた教材」となります。ベテラン社員の丁寧な言葉遣いやクレームへの切り返し方などを参考にすることで、チーム全体の対応スキルが底上げされ、対応品質の標準化と顧客満足度の向上に大きく寄与します。
【目的別】Gmailでメールを共有する5つの方法
Gmailで実践できる5つのメール共有方法を、具体的な設定手順と合わせて目的別にご紹介します。
| 方法 | 目的 |
|---|---|
| Googleグループの活用(共有メールアドレス) | チーム共通の代表アドレス(info@など)でメールを管理したい |
| Gmailへのアクセス権の付与(委任設定) | 特定個人のアカウントを、パスワードを教えずに代理で操作してもらいたい |
| IMAPの活用 | 普段使いのメールソフト(Outlookなど)から複数人で同じGmailアカウントにアクセスしたい |
| メールの自動転送 | 特定の条件に合うメールだけを、指定したメンバーに自動で共有したい |
| メール共有システムの活用 | 対応状況をリアルタイムで可視化し、対応漏れなどを防ぎながら本格的に業務を効率化したい |
なお、GmailのPOP機能を使った共有方法(例:独自ドメインや他社プロバイダの共有アドレスで受信→個人GmailへPOP転送)がありますが、2026年1月からこの方法は使えなくなります。
GmailのPOPをベースとした共有・転送を行う予定がある場合には、代替手段をとる必要が発生する可能性が高いです。
POP終了の詳細や対策方法は以下の記事からご確認ください。
1.Googleグループの活用(共有メールアドレス)
Googleグループは「共有メールアドレス」の作成が可能で、共有メールアドレス宛てに届くメールを複数人で共有・対応することができます。
他にも、個人のGmailに届いたメールをグループメンバー全員へ一斉転送するなど「メーリングリスト」としての役割も果たします。
複数人で共有したメールへの返信業務を頻繁に行うなら、Googleグループの「共同トレイ機能」の活用も有効です。
共同トレイは、Googleグループの共有メールアドレスで受信したメールに対して、対応担当者の割り振りや対応状況(完了・対応不要・重複)のマーク付けができる機能です。
対応状況が見えることで、複数人で分担してメール対応する際の対応漏れ・重複対応などのミスを防止できます。
以下で、グループ(共有メールアドレス)の作成方法と、共同トレイの設定方法を具体的に解説します。
Googleグループ(共有メールアドレス)の作成方法
-
Googleグループで「グループを作成」をクリック
-
グループ名・グループメールアドレス・グループの説明を入力し「次へ」をクリック
- プライバシー設定を選択し、「次へ」をクリック
-
追加したいメンバーと招待メッセージを入力し「グループを作成」をクリック
共同トレイの設定方法
-
Googleグループの「マイグループ」から、共同トレイを利用したいグループをクリックし、左のメニューから「グループ設定」をクリック
-
「追加のGoogleグループの機能を有効にする」で>「共同トレイ」にチェックを入れ、「変更を保存」をクリック
※「オーナー」・「マネージャー」の権限を持つ人のみが設定できます。
2.Gmailへのアクセス権の付与(委任設定)
Gmailでは、自分のGmailアカウントへのアクセス権限を他のユーザーに付与することが可能です。
権限を付与されたユーザーは、付与したユーザーのメールボックスを閲覧したり、付与したユーザーのメールアドレスでメールを代理対応することができます。
メールの共有以外にも、GoogleドライブやGoogleカレンダーなどのアプリケーションも共有することができるため、スプレッドシートなどのデータ共有にも役立ちます。
以下で、具体的な付与方法を解説します。
【付与する側】アクセス権の付与方法
-
右上の歯車マークをクリックし、「すべての設定を表示」をクリック
-
「アカウントとインポート」タブをクリック
-
「アカウントへのアクセスを許可」欄にある「別のアカウントを追加」をクリック
-
「アカウントへのアクセスを許可する」の画面でアクセス権を付与する相手のメールアドレスを入力し、「次のステップ」をクリック
-
「よろしいですか?」の確認画面で「メール送信してアクセスを許可」をクリック
完了したら、入力したメールアドレス宛てに確認メールが届くので、付与される側で承認する必要があります。
【付与される側】アクセス権付与の承認方法
-
「○○からGmailアカウントへのアクセス権が付与されました。承認しますか?拒否しますか?」の確認メールが届くので、「このリクエストを承認する場合は…」のリンクをクリック
-
確認画面が表示されるので、「確認」をクリックして完了
【付与される側】アカウント切り替え方法
アクセス権を付与された側で、自分のアカウントとアクセス権を付与されたアカウントとの切り替え方法を解説します。
-
「Gmailを起動し、画面右上のプロフィールアイコンをクリック
-
自分のアカウントに関する情報の下に、アクセス権を付与されたアカウントの情報が表示されるので、ここをクリック
※アクセス権を付与されたアカウントは、メールアドレスの右横に「代理」と表示されます。
- アクセス権を付与した側でGmailを表示した際と同じ画面が表示されるので、普段のGmailと同じ操作でメールの閲覧・送信が可能
メール共有のススメ
情報共有の必要性やメール共有の運用事例を紹介!
資料をダウンロードする
3.IMAPの活用
IMAPとは、メールを端末にダウンロードせずに、サーバー上で管理する仕組みを意味します。メールデータがサーバー上に保管されているので、複数人で同じメールを共有することができます。
また、OutlookやApple Mailなどほかのメールクライアントからも、Gmail内のメールを確認することができるようになります。
IMAPを利用するには、Gmailで「IMAPを有効」に設定する必要があります。
設定方法は以下のとおりです。
-
右上の歯車マークをクリックし、「すべての設定を表示」をクリック
-
「メール転送と POP/IMAP」タブをクリック
-
「IMAPアクセス」の「IMAPを有効にする」をクリック
- 「変更を保存」をクリックして完了
その他、IMAPについての詳細は下記の記事をご参照ください。
4.メールの自動転送
Gmailの「自動転送機能」を活用すれば、受信したメールを自動で転送先の相手へ共有することができます。
設定手順は以下のとおりです。
-
右上の歯車マークをクリックし、「すべての設定を表示」をクリック
-
「メール転送とPOP/IMAP」タブをクリックし、「転送」の項目で「転送先アドレスを追加」をクリック
-
転送先のメールアドレスを入力し、「次へ」をクリック
-
「メールの転送先として追加します」のメッセージが表示されるため、「続行」をクリック
-
「許可を確認するため、確認リンクを〇〇に送信しました」のメッセージが表示されるため、「OK」をクリック
-
転送先メールアドレスに「Gmail転送確認」のメールが届くので、「以下のリンクをクリックしてリクエストを承認してください」直下のURLをクリックして完了
-
「××のメールを〇〇へ転送することを確認してください」のメッセージが表示されるので、「確認」をクリック
-
自動転送する側の設定画面に戻り、「転送」の項目で「受信メールを〇〇に転送して…」にチェックを入れ、転送先メールアドレスを選択したら完了
5.メール共有システムの活用
メール共有システムとは、複数名でのメール対応を効率化し、対応漏れや二重対応を防ぐツールです。受信メールを共有・一元管理し、対応状況と担当者を可視化することで、スムーズな運用をすることができます。
GmailやOutlookといったフリーメールは、個人同士のやり取りを想定したメールシステムですが、メール共有システムはチームで分担して行うことを前提に作られており、対応漏れの防止や担当者の可視化をする仕組みが施されています。
例えば、機能としては下記のようなものが挙げられます。
- 未対応メールが一目でわかる機能
- メールの対状状況に合わせて自動でステータス変更される機能
- 誰がどのメールに対応中かがリアルタイムでわかる機能
- メールごとに担当者を自動で振り分ける機能
メール共有システムでできることの詳細は、下記の記事で詳しく解説しておりますので、ぜひ合わせてご覧ください。
【非推奨】Gmailアカウントの共有が危険な理由
Gmailを複数人で共有する際に、「IDとパスワードを全員で使い回す」方法は、手軽に見えますが非常に危険です。
セキュリティ上の問題だけでなく、Googleの利用規約にも反するため、絶対に避けるべき方法と言えます。ここでは、安易なアカウント共有が引き起こす3つの重大なリスクについて解説します。
Googleの規約違反とアカウント停止のリスク
そもそも、1つのGoogleアカウントを複数人で共有することは、Googleのポリシーで原則として推奨されていません。
これは、ビジネス向けの Google Workspace 環境においても同様です。
Gmailは本来1人のユーザーによる利用を想定して設計されているため、異なる場所から同時にアクセスが繰り返されると、不正利用が疑われる可能性があります。その結果、アカウントが一時的にロックされたり、最悪の場合、停止されたりする危険性があります。業務の根幹であるメールアカウントが突然使えなくなる事態は、ビジネスにおいて大きな損害につながりかねません。
退職者による不正アクセスと情報漏洩リスク
IDとパスワードを共有している環境では、誰がいつ、どの情報にアクセスしたのかを正確に管理することは困難です。
特に問題となるのが、従業員が退職した後の扱いです。パスワードを変更しない限り、退職後も社内のメール情報にアクセスできてしまうため、顧客情報や機密情報が外部に情報漏洩する重大なセキュリティリスクを常に抱えることになります。従業員の入れ替わりが多い組織ほど、このリスク管理は煩雑になり、危険性も増大します。
操作ログが追えず、セキュリティ管理が困難に
複数人で1つのアカウントを共有していると、誰がどのメールを送信し、誰がどの情報を閲覧したのか、といった正確な操作ログを追跡できません。
万が一、メールの誤送信や情報漏洩などの問題が発生した際に、原因の特定や責任の所在を明らかにすることが極めて困難になります。内部統制やコンプライアンスの観点からも、個人の操作を特定できない セキュリティ管理は極めて危険と言えるでしょう。
複数人でのメール共有なら「メール共有システム」がおすすめ
メールの共有が必要な場面が多く、返信漏れや重複対応が発生している企業では、メール共有に特化した「メール共有システム」がおすすめです。
メール共有システムは、チームで分担してメール対応を行う業務のために開発されており、問い合わせ窓口の対応やカスタマーサポートなど、幅広い分野で利用されています。
今回は、株式会社ラクスの提供する「メールディーラー」を例に、メール共有システムの特徴をご紹介します。
対応状況・担当者の共有
メールディーラーの対応状況管理・担当者振り分け機能の画面イメージ
「対応状況管理機能」では、すべての受信メールが「新着・返信処理中・対応完了」と対応状況ごとにタブで分かれる仕組みになっており、返信作業を進める中で自動的に受信メールの対応状況(タブ)が切り替わります。
「担当者振り分け機能」は、メール1通1通に担当者を振り分けることができる機能で、「どのメールがどういう状態か」「だれがどのメールに対応するか」がひと目で分かります。
対応履歴の共有
メールディーラーの対応履歴機能の画面イメージ
「対応履歴機能」は、担当者・チャネルをまたいで過去の対応履歴を一覧表示できます。システムによっては、アドレスをワンクリックすると時系列順でやりとりを確認できるものもあり、検索時間や確認・共有の手間を削減できます。
コメント・ラベルの共有
「コメント機能」は、メールにメモを残しチームで情報共有することができます。進捗の記録や、メンションを付けることで特定のメンバーに確認を促すこともできます。
「ラベル機能」は、優先して対応すべきメールにラベルを付けることができます。ラベルは任意で設定でき、ひと目で優先度が分かるためタスク管理を効率化できます。
Gmail共有の課題を解決して業務効率化
今回は、Gmailでのメール共有方法やメリット・注意点などをご紹介しました。
Gmailでもメールを共有する方法はいくつかありますが、日常的にメール共有が発生したり、共有管理が定着せずトラブルが発生したりしている場合は、「メール共有システム」への切り替えも検討してみましょう。
※本サイトに掲載されている情報は、株式会社ラクス(以下「当社」といいます)または協力会社が独自に調査したものであり、当社はその内容の正確性や完全性を保証するものではありません。




