「関係者全員でメールを共有できたらいいのに・・・」
共有メールアドレス、会社の代表アドレス・問い合わせフォームの対応など複数人のチームでメールを共有したい場合、どのような方法があるのでしょうか?
Cc・Bccによる共有やメーリングリストは、手間がかかるだけでなく、共有漏れや誤送信のリスクが伴います。
実は、ビジネス利用されることの多いGmailでも、複数人でメールを共有管理することができます。
今回はメール共有のメリットから、Gmailでできる3つの共有方法と設定手順、共有管理における注意点をご紹介します。

メールを共有管理するメリット
通常、メールは個人対個人の間でやりとりされるものですが、チーム内で共有管理することでどのようなメリットを得られるのでしょうか。
属人化を防止し、引継ぎが楽になる
メールが誰でも見られる状態、または対応状況が共有されることによって、担当者が不在時や退職した際でも、簡単に状況を把握し、代理応答や引継ぎをすることができます。他の担当者が行った過去の対応履歴を参照できる状態にすることで、業務の属人化を防げます。
情報共有のための手作業がなくなる
個人のメールアカウトで対応を行っていると、受信メールを共有するために、別途Cc・Bccで送信する手間が発生します。メーリングリストによる共有や、Excelに転記して管理をする方法もありますが、どちらも確認するメールがあふれてしまう、手動更新の煩わしさがあるなど効率的ではありません。
複数人でメールを共有できるように設定することで、作業が自動化され、手動で行っていた作業を削減・効率化することができます。
ノウハウを蓄積し、教育の負担が軽減される
メールがチームで共有管理されていれば、受信メールだけでなく、他の担当者が過去に送信したメールも閲覧することができる状態になっています。新入社員はベテラン社員の送信メールを真似ることで、簡単に質の高いメールを作成することができるのです。
メール共有の注意点!NG共有方法3パターン
メールを共有管理するメリットは大きいですが、共有管理の方法次第では、かえって手間が増えて業務効率が悪化したり、情報の認識に違いが生じたり等、デメリットの方が大きくなる可能性もあります。
この章では、絶対に避けるべきメールの共有方法について解説します。
Ccにメーリングリストを入れる
情報共有用のメーリングリストをCcに入れて送信するという方法は、一般的な共有方法として、様々な企業で行われています。
しかし、この方法でメールの共有をすると、チームのメンバーに送信されるメールの量が増加してしまいます。対応が必要な顧客からのメールと、対応不要のメーリングリストのメールが混同し、重要なメールを見落とすリスクが高まります。
メール対応をするパソコンを1台に限定する
ThunderbirdやOutlookなど、オンプレミス型のメールソフトが主流であった時代は、メール対応できるパソコンを1台に限定するという運用もありました。
しかし、この方法はメール対応業務の効率が劇的に悪化するだけでなく、誰がどのメールを対応したのか管理できず、進捗状況の把握に手間がかかります。現在はインストール型ではない、クラウド型のメールソフトが一般的です。メール対応用のパソコンと限定する必要性はありませんので、こちらの運用は停止した方が無難と言えます。
ユーザー名とパスワードを共有する
もっと簡単なメール共有方法として、ユーザー名とパスワードを共有し、1つのアカウントを複数名で使用するという方法もあります。
しかしGmailでこれを行うと、Googleのセキュリティポリシーに反します。本人確認または質問が表示されたり、アカウントが一時的にロックされたりなどのペナルティが課される可能性があります。
また、個人情報や機密情報を扱うメールアカウントを複数名で共有することで、情報漏えいリスクも高まります。この共有方法を行っている場合は、人に起因する事故のリスクが高くなるので、直ちに見直しが必要です。
3つのメール共有方法と設定手順
ここからは、具体的なGmailでメールを共有する方法を3パターンご紹介します。
アクセス権限を付与する方法
ほかのユーザーにアクセス権限を与えることで、メールボックスを共有することができます。Gmailのほか、GoogleドライブやGoogleカレンダーなどのアプリケーションも共有することができます。
権限の付与方法は、下記の通りです。
- Gmailの右上にある歯車マークをクリックし、「設定」を選択します。
- 「メールの設定画面」から「アカウントとインポート」タブを選択します。
- 「アカウントのアクセス許可」欄にある「別のアカウントを追加」を選択します。
- 「アカウントへのアクセスを許可する」という画面が開きます。アクセス権限を付与したい相手のメールアドレスを入力して「次のステップ」をクリックします。
- 「よろしいですか?」の確認画面が表示されます。その画面にある「メール送信してアクセスを許可」をクリックします。
- 権限を付与したい相手にメールが送られます。メール内にあるリンクを相手がクリックすると、Gmailへのアクセス権限が付与されます。
メールを自動転送する方法
Gmailには自動転送機能があります。設定すると、転送先の相手もメールを閲覧することができます。ただし、転送先として設定できる宛先は1人に限られます。
転送の設定方法は以下の通りです。
- Gmailの右上にある歯車マークをクリックし、「設定」を選択します。
- 「メール転送と POP/IMAP」タブをクリックしましょう。そこから「転送先アドレスを追加」を選択します。
- 表示された画面に転送先のメールアドレスを入力して「次へ」をクリックします。
- 「メールの転送先として追加します」のメッセージが表示されるため、「続行」をクリックします。
- 入力したメールアドレスに「Gmail転送の確認」のメールが届きます。内容を確認し、承認すれば完了です。
IMAPを使用する方法
IMAPとは、メールをパソコンなどの端末にダウンロードせずに、サーバー上で管理するシステムのことです。メールデータがサーバー上に保管されているので、複数人で共有が可能です。
また、OutlookやApple Mailなどほかのメールクライアントからも、Gmail内のメールを確認することができるようになります。
設定方法は下記の通りです。
- Gmailを開き、右上にある歯車のアイコンをクリックし、「設定」を選択します。
- 「メール転送と POP/IMAP」タブを選択します。
- 「IMAPアクセス」の「IMAPを有効にする」を選択します。
- 「変更を保存」を選んで完了です。
メール共有にはメール共有システム「メールディーラー」
本来Gmailは「個人対個人」のやりとりを想定したメールシステムであるため、複数人・複数ユーザーで共有するためには、運用面で工夫をする必要があります。
メール共有が必要な場面が多く、共有漏れによるトラブルが発生している企業では、メール共有に特化した「メール共有システム」がおすすめです。
「メール共有システム」は、チームで分担してメール対応を行う業務のために開発されたクラウド型のメール共有システムです。問い合わせ窓口の対応や、カスタマーサポートなど、幅広い分野で利用されています。
メールの対応進捗状況をリアルタイムでチーム全体に共有できるため、対応漏れや遅れの防止に役立ちます。
今回は、株式会社ラクスの提供する「メールディーラー」を例に、メール共有システムの特徴をご紹介します。

対応状況と担当者が一目で分かるメールボックス

メールディーラーのメールボックスでは、対応状況(新着・返信処理中・対応完了など。自由に編集できます)と担当者が表示されているため、「今誰が何をしているのか」「過去に誰が何をしたのか」「これから誰が何をすべきか」を一目で把握できます。
対応状況ごとにタブで分けて表示することができるため、「新着」タブを開けば、まだ誰も返信をしていないメールを漏れなく確認できます。
さらに、誰かが返信作業を行っている「返信処理中」のメールは「○○さんが返信対応中です」という警告メッセージが表示され、返信ボタンが非表示となるため、重複対応を防ぐことができます。
過去の対応履歴をワンクリック検索

アドレスをクリックするだけで過去の対応履歴を一覧表示&確認!
メール画面でお客様のメールアドレスをクリックすると、そのメールアドレスとの過去のやりとりが一覧表示されます。受信メール・送信メール・電話応対メモ・チャットなどすべての対応履歴が時系列で一覧表示されるので、受信フォルダと送信フォルダを交互に検索をかけたり、チャットの履歴を遡ったりする手間がなくなります。
さらに、お客様がパソコンとスマートフォン等、異なるメールアドレスから問い合わせを行った場合や、やりとりの途中でメールアドレスが変更になった場合でも、紐づけて管理することができます。
メールディーラーの導入事例
株式会社ヤッホーブルーイング様
クラフトビールのリーディングカンパニーとして、「よなよなエール」や「水曜日のネコ」など、こだわりのビールを手がける株式会社ヤッホーブルーイング。お客様1人1人に寄り添ったお問い合わせ対応を重要視しているため、通販事業のカスタマーサポート部門にはマニュアルがありません。各スタッフが、このお客様に喜んでいただくためにはどうすれば良いのか、最善の対応を常に考え業務を行っております。
【導入前の課題】
インストール型のメールソフトを使用していた頃は、過去メールの検索など、顧客情報の把握に時間がかかり、お問い合わせ通数が多い時は対応が翌日に回ってしまうことがありました。一方で、対応スピードを意識するばかりに1つのメールに対して重複対応をしてしまったこともありました。
【導入後の変化】
以前の課題であった「返信漏れ」や「返信遅れ」、「重複対応」はなくなりました。画面上で、「いつ」「誰が」「どのメールを」「どのように対応をしたか」一目で把握できるようになったことで、今まで発生していた口頭での対応状況確認が不要になり、大幅にメールの対応時間を削減することができました。
誰でもできるような作業はメールディーラーで自動化させ、生まれた時間を本来かけるべき業務に充てる。このように、顧客満足度を高めるための仕組み(土台)をしっかりと作ることで、お客様に寄り添った+aの対応を実現しています。そして、それが結果として根強いヤッホーブルーイングファンを生み出す一つの要因なのではないかと考えています。
株式会社イトーキ様
オフィス家具や学習家具を扱うECサイトを運営する株式会社イトーキ。自社サイトだけでなく、楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazon、LOHACO、au PAY マーケットといった複数モールに出店し、お客様から頂く1日20~30件のお問い合わせに5名のスタッフで対応しています。
【導入前の課題】
スタッフのパソコンごとにメールソフトを導入していたため、バージョン管理や設定を把握するのが難しい状況にあり、個人情報の流出を心配していました。サポートスタッフ側としては、すべてのメールをB㏄で共有していたことからハードディスクの容量を圧迫しており、メールソフトの動作が重くなっていたという問題もあります。
さらに、Gmailは一度メールを開くだけで既読になってしまうため、対応に漏れが生じていたことも懸念の一つでした。
【導入後の変化】
送信直前に宛先や添付ファイルを再度確認するフローを組み、パソコンにデータを保存せずクラウド上でメール管理を行ったりIPアドレスによるアクセス制限をしたりすることによって、セキュリティの向上がはかれました。
加えて、要件別にラベルをつけて管理できるようになったため、対応漏れ防止につながっています。
株式会社ブイキューブ様
Web会議やウェビナーのほか、スマートワークブース「テレキューブ」などのサービスを展開する株式会社ブイキューブ。特に「イベントDX事業」が売上を伸ばしており、急激な事業の成長をきっかけにメール対応・管理の問題が浮き彫りになっていました。
【導入前の課題】
製薬企業が医師向けに開催する学会・講演会等のオンラインイベントをトータル支援する業務を担当しているブイキューブでは、オンラインイベントの需要が急速に高まり、依頼メールを頻繁に受信するようになりました。
これらの依頼メールを案件別のメーリングリストで管理していたところ、急激な案件の増加によって3,000件以上ものメールがメールボックスに格納される事態となり、メール管理が困難になってしまうという問題が起こりました。
【導入後の変化】
メールディーラー導入後はメーリングリストで管理していたメールアドレスをそのまま移行し、チーム共有のメールアドレスをメインに使用する運用に切り替えたことで、個人のメールボックスを依頼メールで圧迫することがなくなりました。
さらに、特定のスタッフだけが依頼メールを受信することで対応漏れが発生するというトラブルを防止するとともに、属人化の解消にも高い効果を発揮しています。
まとめ
今回ご紹介した通り、Gmailでもメールの共有管理はできますが、日常的にメール共有が発生したり、共有管理が定着せずトラブルが発生したりしている場合は、「メール共有システム」への切り替えをおすすめします。
「メールディーラー」では、無料の資料請求やトライアル期間を設けているので、お気軽にご相談ください。
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