
現状のヘルプデスク業務に課題を感じたら、改善に向けてヘルプデスクツールの導入を検討してはいかがでしょうか。ヘルプデスク業務のリソース不足や、サポート品質の低下を解決するためにはツールを活用するのがおすすめです。
本記事では、ヘルプデスクツールを導入するメリットや、ツール選びのポイントなどをお伝えします。ヘルプデスクなどの問い合わせ対応に関して課題解決を目指す担当者は、ぜひ参考にしてください。
ヘルプデスクツールの基礎知識
最初にヘルプデスクツールで実現できることや、主な役割・機能などの基礎知識を解説します。導入を検討するための基本知識を押さえておきましょう。
ヘルプデスクツールとは?
ヘルプデスクツールとは、ヘルプデスク業務を効率化させるツールを指します。
導入によって効率化が期待できるのは、製品やサービスのトラブル対処、質問応対などの業務です。これらの業務で取り扱う情報をシステム上で管理することで、対応漏れや二重対応といったヒューマンエラーの防止にもつながります。
現状、ヘルプデスク業務に関する課題を抱えている場合、ツールを活用することで改善できる可能性があります。
ヘルプデスクツールの役割・機能
ヘルプデスクツールの役割・機能は、大きく「問い合わせに関する情報の記録や共有」と「問い合わせ対応の品質とスピードの向上」の2つに大別できます。
問い合わせに関する情報の記録や共有
社内外から寄せられた問い合わせに関するデータをシステム上に蓄積して、リアルタイムで共有する機能です。
対応した日付・問い合わせ内容・対応者といった詳細情報を登録して、スムーズに対応履歴の閲覧および検索ができます。
膨大な情報を統合して、煩雑になりがちな管理業務の負担が軽減されます。Excelファイルなどを利用するよりも効率的な管理が進められるでしょう。
問い合わせ対応の品質とスピードの向上
ヘルプデスク担当者の問い合わせ対応をサポートすることで、品質やスピードを向上させる機能です。
具体的には、コールセンターの電話応対で用いられるトークスクリプトや、メール定型文のテンプレートなどを管理します。よくある質問を管理する「FAQシステム」や、チャット機能でコミュニケーションを行う「チャットボット」なども該当します。
ヘルプデスクツールのおすすめ10選
次におすすめのヘルプデスクツールをご紹介します。各ツールの特徴や料金体系を比較しながら、自社に最適なヘルプデスクツールを選びましょう。
メールディーラー(株式会社ラクス)

クラウド型のメール共有管理システムです。共有メールを一元管理して、対応状況のステータス表示、対応履歴の一覧表示により情報をリアルタイムで可視化します。
対応漏れや二重対応の防止はもちろん、メール管理に役立つ機能が網羅的に備わっていることが特長です。
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<メールディーラーの特徴>
- 共有メールの一元管理で効率化を実現
- 対応状況のステータス表示、対応履歴の一覧表示で社内の連携を強化
- 二重対応防止機能、ダブルチェック機能で確認作業を短縮
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<メールディーラーの料金プラン>
- 初期費用は税抜50,000円~
- 月額費用は税抜35,000円~
- 無料トライアルあり
Zendesk(株式会社Zendesk)

マルチチャネルで利用可能なカスタマーサービスソリューションです。独自のヘルプセンターを構築し、FAQのセルフサービス化を推進できます。AIとチャットボットによる顧客対応の自動化も可能です。
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<Zendeskの特徴>
- 電話、チャット、SNS、メールなどのマルチチャネルに対応
- ヘルプセンター構築により担当者の業務負担を軽減
- 顧客対応を自動化
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<Zendeskの料金プラン>
- Suite Teamプランは月額$49/1名(年払い)
- Suite Growthlプランは月額$79/1名(年払い)
- Suite Professionalプランは月額$99/1名(年払い)
- 無料トライアルあり
Freshdesk(Freshworks)

顧客対応をオムニチャネル化するカスタマーサポートソフトウェアです。複数のコミュニケーション手段を統合し、サポートの柔軟性を高めます。さらにプラットフォームのFreshworks NEOと連携すれば、多数のアプリと連携可能です。
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<Freshdeskの特徴>
- オムニチャネル化で顧客体験を向上
- ライブチャット、Web、モバイル、コンタクトセンターなど複数のサポートを統合
- アプリ連携で幅広い顧客ニーズに対応
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<Freshdeskの料金プラン>
- Growthプランは月額$15/1名(年払い)
- Proプランは月額$49/1名(年払い)
- Enterpriseプランは月額$79/1名(年払い)
- 無料トライアルあり
Zoho Desk(Zoho Corporation)

複数チャネルからの問い合わせを一元管理するカスタマーサポートツールです。マニュアル活用に役立つナレッジベース機能を搭載。さらに顧客満足度調査の機能も搭載し、対応品質の向上に寄与します。
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<Zoho Deskの特徴>
- メール、電話、チャット、SNS、Webサイト経由の問い合わせを一元化
- ナレッジベースで業務の知見やマニュアルの活用を促進
- 自動の顧客満足度調査で対応品質を向上
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<Zoho Deskの料金プラン>
- エクスプレスプランは月額税抜800円/人(年払い)
- スタンダードプランは月額税抜1,680円/人(年払い)
- プロフェッショナルプランは月額税抜2,760円/人(年払い)
- エンタープライズプランは月額税抜4,800円/人(年払い)
- 無料トライアルあり
Service Cloud(Salesforce)

カスタマーサポート向けのプラットフォームです。ナレッジ管理やサービスプロセス自動化などの多彩な機能を搭載しています。AIの活用により、生産性向上や顧客対応のパーソナライズを実現します。
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<Service Cloudの特徴>
- ナレッジ管理で生産性を向上
- 簡単な操作のみでサービスプロセスを自動化
- AI活用で最適なカスタマーサポートを提供
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<Service Cloudの料金プラン>
- 初期費用は問い合わせ
- Essentialsプランは月額税抜3,000円(年払い)
- Professionalプランは月額税抜9,000円(年払い)
- Enterpriseプランは月額税抜18,000円(年払い)
- Unlimitedプランは月額税抜36,000円(年払い)
- 無料トライアルあり
Tayori(株式会社PR TIMES)

ノーコードで簡単にテンプレートを作成できるカスタマーサポートツールです。フォーム・FAQ・アンケート・チャットの4種類を作成・運用できます。直感的に使いやすい操作性も特長となっています。
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<Tayoriの特徴>
- ノーコードのため専門知識が不要で使いやすい
- テンプレートが豊富に用意されている
- 導入時の準備や費用の負担が少ない
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<Tayoriの料金プラン>
- 初期費用は無料
- プロフェッショナルプランは月額税抜7,400円(年払い)
- スタータープランは月額税抜3,400円(年払い)
- 無料でお試し可能なフリープランあり
メールワイズ(サイボウズ株式会社)

共有メールの送受信から管理まで可能なメール共有システムです。メールアプリケーションでは複数アドレスの一元管理が可能。コメント機能を搭載し、社内のコミュニケーションを充実化します。
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<メールワイズの特徴>
- メールアプリケーションで送受信や管理を効率化
- コメント機能で社内向けの指示や引き継ぎがスムーズ
- 業務改善プラットフォーム「kintone」との連携が可能
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<メールワイズの料金プラン>
- クラウド版は初期費用無料
- スタンダードコースは月額500円/人
- プレミアムコースは月額1,500円/人
- 無料トライアルあり
FastHelp5(テクマトリックス株式会社)

コンタクトセンターやコールセンターに適した顧客管理システムです。ナレッジ検索機能で問い合わせ対応をサポートし、効率化と品質向上につなげます。対応漏れを防止するアラート機能も充実しています。
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<FastHelp5の特徴>
- 業務画面は各自でカスタマイズ可能
- ナレッジやFAQの検索による問い合わせ対応を効率化
- 多彩なアラート機能でヒューマンエラーを防止
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<FastHelp5の料金プラン>
- 初期費用は問い合わせ
- 月額費用は問い合わせ
Optimal Remote(株式会社オプティム)

リアルタイムでの画面共有を実現する遠隔サポートサービスです。問い合わせ対応を視覚的にサポートする機能が搭載されています。サポート業務の時間短縮や満足度向上が期待できます。
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<Optimal Remoteの特徴>
- 顧客と対応者の画面をリアルタイムで共有
- 赤ペン・指差し機能で対応者の説明作業をサポート
- 顧客の画面を代理で操作する機能も搭載
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<Optimal Remoteの料金プラン>
- 初期費用は問い合わせ
- 月額費用は問い合わせ
LMIS(株式会社ユニリタ)

ヘルプデスク業務を効率化するサービスマネジメントプラットフォームです。問い合わせ対応のナレッジを集約して、品質の標準化につなげます。レポートやダッシュボードによるデータの可視化や分析も可能です。
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<LMISの特徴>
- ナレッジを集約して社内の情報共有スピードを向上
- FAQの改善で問い合わせの自己解決をサポート
- 豊富なレポート・ダッシュボードのテンプレートで必要なデータを可視化
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<LMISの料金プラン>
- 初期費用は300,000円
- 月額費用は100,000円
- 無料トライアルあり
ヘルプデスクツールの導入を検討すべきタイミング
企業はどのような課題に対してヘルプデスクツールの導入を検討すれば良いのでしょうか。
ツール導入によって課題の改善につながる可能性がある具体的なシーンを紹介します。
ヘルプデスクに割り当てるリソースが不足している
規模が小さめの企業では、ヘルプデスクの専任者がいないケースも少なくありません。IT機器の知識を持つ情報システムの担当者がヘルプデスクを兼任している場合もあるでしょう。
一方で、マニュアルが整備できていなかったり、既存のマニュアルが活用されていなかったりすることも。
こうしたシーンではヘルプデスクツールによる効率化が有効です。現状のまま放置すれば、担当者の負担が増え過ぎて対応が追い付かなくなるリスクがあります。リソース不足による対応方法の属人化にも注意が必要です。
自社の製品・サービスの評判や口コミが悪化している
顧客から寄せられる問い合わせで、自社の製品・サービスに関するトラブルやクレームが増加傾向にある場合、ヘルプデスクツールの導入を検討しましょう。
企業はトラブルやクレームの原因を迅速に分析して、問題解決へ向けて取り組まなければなりません。対策がおろそかになれば、多数の問い合わせが集中して顧客への返答が遅れたり、担当者の業務負担が増加したりする恐れも。ヒューマンエラーによりさらなるトラブルやクレームの発生を招き、悪循環に陥ってしまうリスクがあります。
ヘルプデスクツールを導入するメリット
問い合わせ対応に関する課題を抱えているなら、ヘルプデスクツールを活用した解決策を検討しましょう。ここでは、ツールの導入で期待できるメリットを解説します。
問い合わせ対応業務の効率化につながる
ヘルプデスクツールを活用すると、業務そのものを自動化したり、テンプレートを使用して業務負担を抑えたりできます。
たとえば、電話の自動応答システムによる顧客案内の自動化や、メール定型文による返信工数の削減などが挙げられます。業務効率化を実現するには、自社が求める機能が搭載された最適なツールを選ぶことが大切です。
顧客情報や問い合わせ内容の管理・共有が楽になる
ヘルプデスクツールのシステム上では、情報の管理・共有が簡単にできます。過去の問い合わせ履歴を確認できるようになれば、担当者の異動や離職が生じても、スムーズに引き継ぎがしやすくなるでしょう。
また、担当者の不在時に別の担当者が代理で対応するなど、情報共有の強化によりチームでの柔軟な対応を実現できます。
データ分析に基づく運用効率化が期待できる
ヘルプデスクツールに蓄積されたデータは、分析してヘルプデスク業務の運用改善に役立てることが可能です。
たとえば、自社の問い合わせ内容や件数、問い合わせが集中する時期、対応に要した時間などを分析して対策を実施すれば、課題解決につなげられます。
運用における課題の明確化や、ワークフローの見直しに効果的です。
担当者の人事評価に役立つ可能性がある
ヘルプデスクツールによって担当者の仕事が可視化されると、社内の人事評価を適正化しやすくなります。
一般的にヘルプデスク・サービスデスク・カスタマーサポートなどの業務は仕事の成果を正確に把握するのが難しい傾向にあります。システム上で対応状況を数値として表示させることで、従来よりも人事評価の基準を設定しやすくなるでしょう。
ヘルプデスクツールを導入するデメリット・注意点
ヘルプデスクツールを活用して問い合わせ対応を向上させるには、どんな点に留意すべきでしょうか。押さえておきたいデメリットや注意点をお伝えします。
問い合わせの応答が画一的になり過ぎる恐れがある
ヘルプデスクツールは自動化機能や豊富なテンプレートなどが強みです。ただし、機能面に頼り過ぎると、問い合わせ対応が応用のきかないやり取りにもなりかねません。
導入後は定期的に自動化の設定やテンプレートの使用方法を見直し、適切な活用につなげる必要があります。
ツールの保守や運用に継続的なコストがかかる
ヘルプデスクツールを導入するなら、長期的な運用を前提に、保守や運用にかかるコストを考慮して選定することが重要です。
初期費用やカスタマイズ費用などの導入コストだけでなく、月額費用やメンテナンス費用、運用に必要な人員なども含めて、事前に費用を算出しておきましょう。
ヘルプデスクツールを選定するポイント
ヘルプデスクツールの導入を成功へ導くためのポイントをお伝えします。ツールの選び方では、以下の2つのポイントを意識してみましょう。
ツールの形態や機能が自社に適しているかをチェックする
まずは、ヘルプデスクツールを外部のクラウド環境で利用するか(=クラウド型)、自社の専用サーバーに設置するか(=オンプレミス型)、提供形態を選びます。
それぞれの価格・利用環境・セキュリティといった要素を比較しながら、自社に適した提供形態を判断しましょう。
また、自社の導入目的に合わせて必須の機能が搭載されたツールを選ぶことも大切です。
たとえば「メールでの問い合わせ対応を効率化する」「複数チャネルの問い合わせを一元化する」といった目的を明確にして、ツールごとの主要機能からご検討ください。
その際、不要な機能が多いと価格や操作性に影響しやすいため、目的に特化したシンプルなツールを選ぶのも一つの手です。
サポート体制は十分かを確認する
ヘルプデスクツールが社内に定着して問題なく活用できるようになるまでには、一定の時間がかかります。サービスによっては導入サポートや運用サポートが無料で提供されているため、ぜひ利用しましょう。
導入実績が豊富でサポートが充実したベンダーなら、ノウハウを生かして手厚くフォローしてもらえる点で安心です。社内の担当者の負担軽減につなげるためにも、サポート体制の充実度をチェックしておくようおすすめします。
ヘルプデスクツールで問い合わせ対応の課題を解決
ヘルプデスクツールの基礎知識から、導入するメリット、選定するポイントまでお伝えしました。
ツールの活用によって問い合わせ対応が効率化され、社内の情報共有がスムーズになれば、現状のヘルプデスク業務の課題を改善できる可能性があります。導入後は継続的にコストが発生するため、自社の目的に適したツールを選定し、ベンダーのサポートを受けながら最適な運用体制を整備していきましょう。
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