近年、学校における保護者などとのコミュニケーション手段は多様化していますが、依然として電話や紙ベースのやりとりが主流の学校も多いのではないでしょうか。しかし、時代は変わり、保護者のライフスタイルや働き方も大きく変化しています。このような状況下で、学校がより効率的で効果的なコミュニケーションを実現するために、メール管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
本記事では、学校がメール管理システムを導入するメリットや、具体的な事例を交えながら、その有効性について詳しく解説します。
学校の連絡はメール中心へ
従来の電話や紙ベースの連絡方法では、教職員の業務負担が大きく、情報伝達の遅延や誤解が生じる可能性も高かったといえるでしょう。しかし、メール管理システムを導入することで、これらの課題を解決し、より効率的な学校運営が可能になります。
教職員の業務負担軽減
学校では、日常的に保護者や生徒とのやりとりが多数発生するため、電話対応や配布文書の準備など、教職員の業務負担が大きくなりがちです。メール中心の連絡体制に移行することで、これらの業務を効率化できます。
電話対応については、時間外の対応を含めると教職員の負担は非常に大きなものになります。メールであれば、送信時間に制限がなく、重要な連絡事項を文書化して送信できるため、あとから確認することも可能です。また、保護者側もメールであれば、都合の良い時間に確認・返信できるため、双方にとって負担が軽減されます。
配布文書の準備についても、メールであれば添付ファイルで送信できるため、印刷や封入、配布に費やしていた時間を大幅に削減できます。さらに、保護者側でも必要に応じて文書をプリントアウトできるため、学校側の負担は小さくなるでしょう。
個人情報保護の観点から電話連絡網廃止
学校における連絡手段として電話連絡網を使用する場合、生徒や保護者の個人情報が流出するリスクがあります。一方、メールであれば送受信記録を残すことができ、個人情報保護の観点からみても安心です。
近年では、個人情報保護の観点からも、電話連絡網の使用は避けるべきと考えられています。電話連絡網では、保護者の同意を得ずに個人情報を共有することになりかねません。一方メールであれば、保護者へ個別に連絡を送信するため、同意なく個人情報を共有することはありません。また、セキュリティ対策が万全なメール共有管理システムの活用で、個人情報保護を徹底できます。
ライフスタイルの多様化
近年、共働き世帯の増加など、保護者の就労形態が多様化してきています。電話での連絡では、不在時に連絡が取れないケースも多く、効率的な情報共有が難しい状況にあります。
一方、メールであれば、保護者が不在時でも、のちほど確認・返信が可能です。また、教職員と保護者双方が都合の良い時間にやりとりできるため、ライフスタイルの多様化にも柔軟に対応できるでしょう。
さらに、スマートフォンの普及により、保護者はいつでもどこでもメールを確認できるようになりました。これにより、学校からの連絡をより確実に受け取れるでしょう。
シーン別!導入すべきメールシステムの種類とは?
学校現場においてメールシステムの導入は、教職員の業務効率化や保護者とのコミュニケーション強化に役立ちます。しかし、メールシステムといっても「メール配信システム」「メール共有/管理システム」など種類が複数あり、それぞれが異なる特徴と強みを持っています。
ここでは、学校における利用シーン別に、最適なシステムの選び方を解説します。システムの違いについても触れながら、学校が抱える課題を解決するための具体的なソリューションを提案します。
メール配信システムとは
メール配信システムとは、大量のメールを一度に配信するためのシステムです。主に、マーケティング活動や顧客への情報提供、ニュースレターの配信などに利用されます。学校で使用する場合、学校から保護者や生徒などへ一方向に連絡事項を送信する際に使われることが多いでしょう。配配メール(https://www.hai2mail.jp/)などがこれに該当します。
メール配信システムのメリットは、従来の紙ベースの配布物やホームルームでの口頭連絡に比べ、情報伝達の確実性が高まることです。保護者や生徒が必要な時にメールを確認でき、見逃しを防げるでしょう。また、一斉配信機能を活用すれば、緊急時の連絡にも活用できます。
たとえば、学校からの行事の案内やお知らせ、保護者会の日程変更など、保護者や生徒へ一方向の連絡事項の伝達に活用できます。従来の紙ベースの配布では、児童生徒の忘れ物などにより保護者に確実に情報が伝わらない問題がありましたが、メール配信システムを活用すれば、保護者が必要な時に確認できるため、情報伝達の確実性が高まります。
さらに、メール送信の履歴や情報共有の履歴を管理することも可能です。緊急時の連絡についても、一斉配信機能を活用すれば保護者全員に一斉にメールを送信できるため、迅速な情報伝達が行えるでしょう。このように、メール配信システムは学校から保護者や生徒への一方向の連絡事項の伝達に適しています。学校と保護者、生徒のコミュニケーションの効率化に大きく寄与するシステムと言えるでしょう。
メール共有/管理システムとは
メール共有/管理システムは、チームでのメールの共有や管理、問い合わせ対応の効率化を目的としたシステムです。これらのシステムは、メールの対応状況の可視化や対応履歴の共有、ナレッジの管理などを支援します。特に、複数の職員が関与する業務や顧客対応を効率化するために設計されています。メールディーラー(https://www.maildealer.jp/)がこれに該当します。
メール共有/管理システムのメリットは、教職員間での情報共有と業務効率化です。従来は個別の教職員がそれぞれ保護者や生徒とメールでやりとりしていたため、学校全体での対応状況の可視化が難しく、ナレッジの共有も十分ではありませんでした。
しかし、メール共有/管理システムを導入することで、教職員全員が保護者や生徒とのメールのやりとりを共有し、対応状況を一元的に把握できるようになります。これにより、保護者からの問い合わせに対する迅速な対応や、学校全体でのナレッジ共有が実現でき、組織的に対応できるようになるでしょう。
また、メールのやりとりをシステム上で管理することで、個人情報の保護にも寄与します。教職員の異動や退職があっても、引継ぎ漏れなどの問題を避けられるでしょう。さらに、業務の棚卸しなども容易になり、教職員の業務効率化にもつながります。
このように、メール共有/管理システムは学校内の教職員間での情報共有と業務効率化に適しています。組織的な対応力の向上に大きな効果が期待できるシステムといえるでしょう。
それぞれ活用シーンが異なる
上記でご紹介したように、メール配信システムとメール共有/管理システムは、それぞれ活用シーンが異なります。
メール配信システムは、学校から保護者や生徒へ一方向の連絡事項の伝達に向いています。行事の案内やお知らせ、緊急連絡など、学校からの情報発信に適しています。保護者や生徒にとっても、必要な情報をタイムリーに受け取れるため、利便性が高いと言えるでしょう。
一方、メール共有/管理システムは、学校内の教職員間での情報共有と業務効率化に向いています。保護者や生徒からのメールについて、対応状況の可視化や対応履歴の共有、ナレッジの蓄積ができるため、組織的な対応力の向上につながります。
学校の実情や課題に合わせて、必要なシステムを検討しましょう。
学校がメール共有/管理システムを活用するメリット
学校におけるメール共有/管理システムの導入は、日常的なコミュニケーションの効率化だけでなく、業務の標準化や情報管理の改善においても大きなメリットをもたらします。以下に、学校がメール共有/管理システムを活用することで得られる主なメリットを詳しく解説します。
保護者や生徒との円滑なコミュニケーションを実現
学校では、保護者や生徒とのコミュニケーションが日々の運営において重要な役割を果たしています。メール共有/管理システムを導入することで、これらのコミュニケーションが大幅に改善されるでしょう。
システムは、メールの受信や送信だけでなく、コミュニケーションの履歴を一元的に管理する機能を提供します。これにより、保護者からの問い合わせや生徒からの要望に対して、迅速かつ正確な対応が可能になるでしょう
たとえば、システム内でのメールのタグ付けや振り分け機能を活用することで、どの保護者や生徒からのメールかをひと目で把握でき、適切な教職員にスムーズな担当振り分けが可能です。これにより、コミュニケーションの漏れや混乱を防ぎ、より円滑なやりとりが実現します。また、保護者や生徒との重要なやりとりを記録し、あとから確認できることで、情報の正確性を保ちながら透明性の高い対応が可能となるでしょう。
業務効率の改善
メール共有/管理システムは、学校の業務効率向上にも大いに貢献します。従来のメール管理では、フォルダが膨大な数のメールで埋まってしまうことが多く、必要な情報を探し出すのに時間がかかる場合もありました。メール共有/管理システムを使用することで、メールの分類やフィルタリング、検索機能が強化され、業務の効率が劇的な改善が期待できます。
たとえば、メール共有/管理システムにはメールの優先順位や重要度を設定する機能があり、緊急の案件や重要な連絡事項を迅速に処理できます。また、メールのテンプレート機能を利用することで、よく使う返信内容をあらかじめ設定しておき、必要に応じて簡単に呼び出して利用も可能です。これにより、同じ内容のメールを繰り返し作成する手間が省け、業務の効率が向上します。
返信漏れの防止
返信漏れは、学校の運営においては重大な問題となります。特に、複数の教職員が関与する場合や多くの問い合わせが寄せられる場合、返信漏れが発生しやすくなります。メール共有/管理システムでは、メールのステータスや対応状況を明確に管理する機能が備わっており、返信漏れ防止が期待できるでしょう。
多くのシステムには、未対応のメールや期限が迫っている案件を一覧で確認できるダッシュボードがあります。これにより、対応の進捗状況をひと目で把握できます。また、教職員間での情報共有がスムーズに行えるため、だれがどのメールに対応しているのかが明確になります。そのため、対応の重複や漏れ防止につながるでしょう。
これにより、学校の運営がよりスムーズに進行し、信頼性の高いサービスを提供することが可能になります。
急な引継ぎへの対応
学校では、教職員の急な異動や休暇、病気などイレギュラーな事態が発生する場合があります。そのような場合、業務の引継ぎがスムーズに行えるかどうかが、学校の運営に大きな影響を与えます。メール共有/管理システムを導入することで、急な引継ぎにも迅速に対応可能です。
システム内でのメールの履歴や対応状況がすぐに参照できるため、新たに担当する教職員による過去の対応内容や進捗状況の把握が容易です。
これにより、急な引継ぎでもスムーズに業務が続行でき、対応の遅延や誤解を防げます。また、代理対応が容易になることにより、休暇中の職員が対応する必要がなくなるため、働き方の改善という点でも役立ちます。
以上のように、学校がメール共有/管理システムを活用することで、保護者や生徒とのコミュニケーションの円滑化、業務効率の改善、返信漏れの防止、急な引継ぎへの対応が実現できます。これにより、学校運営の質が向上し、より良い教育環境を提供できるでしょう。
学校におけるメール共有/管理システムの活用事例
学校におけるメール共有/管理システムの導入は、業務の効率化や情報の一元管理において重要な役割を果たします。ここでは、実際にメール共有/管理システム「メールディーラー」を導入している学校の活用事例を紹介し、どのように業務改善が図られているのかを見ていきます。
獨協大学様の事例
獨協大学様ではメール業務の効率化を目的として、メール共有/管理システムの「メールディーラー」を導入しました。教務に関する問い合わせ対応や留学生対応、サークルとのやり取り、研究費関連の連絡、施設設備の問い合わせ管理にも利用されています。
導入前は、教務課の問い合わせ対応件数が膨大で、残業が非常に増えていることが問題となっていたそうです。
そこで、まずは「チャットボットで一次対応」したあと「チャットボットで解決しない場合はメールで対応」というフローに変更したそうです。しかし、メールの量が増え続けたため、メール対応の効率化を検討したそうです。
メールディーラーの導入効果
1.無駄な稼働を削減
メールディーラーの導入により、だれがどのメールに対応しているのか、どのような進捗があるのかがひと目で把握できるようになり、無駄な稼働を削減できたそうです。また、承認機能の活用により、作成したメールを上長にチェックしてもらう際、いちいち連絡や口頭相談する必要がなくなりました。
2.情報の一元管理と共有
メールディーラーの導入により、学校内の情報管理が一元化されました。過去の対応履歴や重要なメールがシステム内で一元管理されることで、情報の取りこぼしや混乱が減少しました。
導入前は共有メールアドレスを使用していたそうですが、情報連携の体制が不十分だったそうです。メールディーラーにより、メールのやりとりが全員で共有できるようになり、効率化につながりました。
3.引継ぎや教育にも活用
過去の対応事例をチーム全体で共有できるようになったことにより、教職員が過去の対応内容を学び、新しい教職員が業務をスムーズに引継ぐことができます。知見をまとめておけるので、引継ぎや教育に活用できたそうです。
事例の詳細はこちら
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まとめ
学校がメール共有/管理システムを導入するメリットは、単に業務効率化だけでなく、保護者や生徒とのコミュニケーションの円滑化、対応漏れの防止、そして組織全体の知識レベルの向上など、多岐にわたります。本記事で紹介した以外にも、メール共有/管理システムは、さまざまな機能を備えており、学校によって最適な活用方法は異なります。
学校が抱える課題に合わせて、適切なシステムを選択し、導入することで、より良い教育環境を実現できるでしょう。
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