楽天市場に出店していると、配送や在庫の確認、返品の依頼など、購入者からの問い合わせが日々届きます。その窓口となるのが楽天公式の問い合わせ管理ツール「R-Messe」ですが、返信には使っているものの、機能や設定を十分に把握できていないという方も少なくありません。
R-Messeは主要な機能を理解して使うことで、日々の問い合わせ対応の手間を減らせるだけでなく、購入前後のやり取りを通じて顧客の満足度向上やリピートにつなげられます。本記事では、R-Messeの主な機能や費用、利用するメリット、問い合わせ管理を効率化する方法や運用時の注意点を解説します。
R-Messeとは
R-Messeとは、楽天市場の店舗と購入者がメッセージを送受信できる、楽天公式の問い合わせ管理ツールです。2019年6月にリリースされ、楽天市場の店舗運営システムRMS(Rakuten Merchant Server)上で利用します。
未読・既読の確認や画像の送信にも対応しており、普段使い慣れたメッセージアプリに近い感覚で操作できるのが特徴です。購入者側は、商品ページの「ショップへ相談」や購入履歴の「ショップへ問い合わせ」から問い合わせを開始します。
R-Messeの利用料金
R-Messeは現在、終了時期未定の無料期間中ですが、無料期間が終了した場合は月額出店料(25,000円など)に加えてR-Messe利用料が発生します。
R-Messe利用料は出店プランごとに異なり、2026年7月時点では次の通り定められています。
- がんばれ!プラン:月額3,000円
- スタンダードプラン・メガショッププラン:月額5,000円
無料であることを前提に運用コストを見積もっていると、有料化のタイミングで想定外の負担が増えるため、この点はあらかじめ把握しておきましょう。
なお、料金などの最新の情報は楽天市場の公式サイトでご確認ください。
R-Messeの主な機能
R-Messeの機能は対応漏れを防ぐものと、対応そのものを速く・楽にするものに大きく分けられます。
ここでは、R-Messeの主要な機能を5つ解説します。
ステータス管理機能
ステータス管理機能は、問い合わせごとに「未返信」「返信済」「完了」のステータスを付け、対応状況を画面上で判別できるようにする機能です。
店舗が返信すると、未返信から返信済に自動で切り替わりますが、完了への変更は手動で行う必要があります。変更が漏れて実態とのずれが生じないよう、誰がどのタイミングで完了に変更するのか、運用ルールを決めておきましょう。
なお、完了にした後で購入者から追加の返信があった場合は、自動で未返信に戻ります。
商品・顧客情報の表示機能
問い合わせ画面に、対象の商品情報と顧客情報が表示される機能もあります。誰から・どの商品についての問い合わせなのかが、画面を切り替えることなくその場で分かります。
顧客情報として確認可能なのは、氏名・連絡先のほか、購入履歴や過去の問い合わせ履歴です。過去のやり取りを踏まえた対応ができれば、購入者に同じ説明を何度も繰り返させずに済み、対応時間の短縮と購入者の負担軽減の両方につながります。
通知・リマインド機能
次に解説するのが、対応が必要な問い合わせを店舗に知らせ、見落としを防ぐための通知・リマインド機能です。
対応が必要な問い合わせはまずRMSトップに表示され、未対応のまま日数が経過すると、メールなどで段階的に通知されます。またR-Messeの画面を開いていれば、Webブラウザ(Google ChromeやSafariなど)から、ポップアップと音で問い合わせの受信通知を受け取ることも可能です。
チャットボットによる自動応答機能
R-Messeには登録した設問と回答のパターンをもとに、チャットボットが自動で応答する機能も備わっています。営業時間外や問い合わせが集中する時間帯でも一次対応を任せられるため、担当者の負担を減らせます。
対応カテゴリは「商品」「配送」「支払い・ポイント・クーポン」「キャンセル・返品」「その他」の5つです。それぞれのカテゴリ内に、設問と回答を追加して使用します。回答には画像添付も可能なため、商品の寸法や梱包の状態など、言葉だけでは伝わりにくい内容も画像を使って分かりやすく説明できます。
テンプレート機能
最後に解説するのは、よく使う返信文を定型文として登録し、メッセージ作成時に呼び出せるテンプレート機能です。
一覧から選ぶだけでテンプレートを呼び出せるため、パソコンの操作に不慣れなスタッフでも迷わず使えます。さらに、顧客の氏名や受注番号などを自動で反映させる差込文字を使えば、定型文でありながら一人ひとりに合わせたメッセージを作成できます。
返信スピードが上がるだけでなく、担当者の経験に関わらず対応品質を一定に保てる点も、複数人で対応する店舗にとってはメリットの大きい機能です。
R-Messeを利用するメリット
R-Messeの導入は、問い合わせ対応の手段が電話やメールからチャットに変わるだけではありません。メリットとしては、やり取りが記録として残る、顧客の声が集まりやすくなる、機能の組み合わせで属人化を防止することが挙げられます。
ここでは、R-Messeの利用でどのようなメリットが得られるのか、3つに分けて解説します。
電話対応による言った・言わないのトラブルを未然に防げる
R-Messeを問い合わせ窓口にすることで、電話対応で起こりやすい「言った・言わない」のトラブルを未然に防げます。
電話対応は、正確な記録が残りにくいのが弱点です。店舗側と購入者の認識が食い違った際に、原因を確認する手段がなくクレームに発展するリスクがあります。R-Messeはチャット形式でやり取りがテキストとして残るため、対応履歴をもとにした対処が可能です。
クレームやミスがどのやり取りから生じたのかを特定できれば、案内文面の見直しや確認手順の追加といった再発防止にもつながります。
問い合わせのハードルが下がり、顧客の声が集まりやすくなる
顧客の声が集まりやすくなる点も、R-Messeを利用するメリットの1つです。
チャット形式のR-Messeは、メールや電話に比べて操作しやすく、顧客にとって連絡する際の心理的なハードルが低いツールです。そのため、これまで表に出てきにくかった軽微な要望や、クレームに発展する前の小さな不満を拾いやすくなります。
集めた問い合わせのデータは、商品ページの修正やFAQの追加など店舗全体の品質向上に役立てられます。
属人化を防止し、個人に依存しない対応体制を構築できる
特定のスタッフに頼らない対応体制を作れるのも、問い合わせ対応をするうえで大きなメリットです。
担当者個人で処理することが多い問い合わせ対応は、特定のスタッフにノウハウが偏りやすい業務です。そのため担当者の不在や退職が、部門全体の対応品質の低下に直結するケースは少なくありません。
R-Messeは標準機能を組み合わせることで、個人への依存を解消できます。
- 問い合わせごとの進行状況がチーム全体で可視化されるため、シフトが入れ替わっても対応漏れや重複対応を防げる
- 購入履歴や過去の問い合わせ履歴が画面に表示されるため、他のスタッフが経緯を踏まえて対応を引き継げる
- テンプレート機能でよくある質問への回答を登録しておけば、誰でも同水準の返信文を作成できる
R-Messeで問い合わせ管理を効率化する設定方法
R-Messeは、受信した問い合わせに返信するだけでも使えます。ただし、あいさつ文やテンプレート、自動応答をあらかじめ設定することで、返信文の作成や定型的な質問への回答にかかる手間を大きく減らせます。
あいさつ文の設定・編集
あいさつ文は、購入者が問い合わせをした直後に表示される文章です。自動返信である旨や返信までの目安時間を記載しておくと、購入者の不安や催促の問い合わせを減らせます。
あいさつ文の設定手順は、次の通りです。
- RMSの問い合わせ管理メニューから、自動応答設定画面を開く
- 「あいさつ文設定」のタブをクリックする
- 全角500文字以内であいさつ文を入力し、保存をクリックする
「順次対応します」といった曖昧な表現は、かえって不満につながる原因になるため「1営業日以内に返信します」のように、具体的な期間を示しましょう。
テンプレートの登録・編集
テンプレートはよくある問い合わせから優先して整備し、必要に応じて少しずつ追加していくのが現実的です。次の手順で登録します。
- RMSの問い合わせ管理メニューから、テンプレート管理を開く
- 「新規登録」をクリックする(既存のテンプレートを編集する場合は、一覧から対象のテンプレート名をクリックする)
- カテゴリ、テンプレート名、本文を入力し、保存をクリックする
カテゴリ名やテンプレート名は50音順で表示されるため、頭に数字を付けて並び順を管理するのがおすすめです。また、敬語や商品名の表記ルールを決めておくと、返信文面に統一感が出ます。
チャットボット(自動応答)の設定
チャットボット(自動応答)は、次の手順で設定します。
- RMSの問い合わせ管理メニューから、自動応答設定画面を開き「新規登録」をクリックする
- チャットボットをどの画面に表示するか(表示先設定)、カテゴリ、タイトル(全角45文字以内)、公開設定(公開・非公開)、回答文(全角500文字以内)を入力・選択する
- 必要に応じて、画像を添付する(最大3件まで)
- 内容を確認し、保存をクリックする
チャットボットはRMSに登録された店舗情報をもとに回答するため、返品条件や営業時間が古いままだと、誤った案内が送られてしまいます。設定とあわせて、店舗情報も見直しましょう。
R-Messeの効果的な活用方法
R-Messeは、問い合わせ対応を効率化するだけでなく、購入前の不安解消や購入後のフォロー、問い合わせ内容の分析などに活用することで、業務改善や売上向上にも役立ちます。
ここでは、R-Messeを効果的に活用する方法を4つ紹介します。
定型対応を自動化し、有人対応を個別性の高い案件に集中させる
まず取り組みたいのが、よくある質問への対応を自動化することです。
送料・納期・返品条件など答えが決まっている質問はチャットボットに任せ、担当者は個別の判断が必要な案件に集中する、という役割分担をします。定型的な質問が自動で処理されるほど有人対応の件数は減るため、顧客への返信が滞らなくなるというメリットもあります。
また、自動応答で解決できずに有人対応へ引き継いだ問い合わせは、自動応答の改善材料にしてください。どのような質問に答えられていないのかを分析し、設問と回答を追加・修正することで、チャットボットで解決できる範囲を少しずつ広げられます。
購入前の問い合わせに素早く答え、購入を後押しする
R-Messeは購入後の問い合わせだけでなく「サイズ感が知りたい」「いつ届くのか」といった購入前の相談にも使えます。チャット形式の即時性を活かし、購入をためらっている段階の疑問にその場で答えられれば、離脱を防いで購入につなげられるためです。
購入前によく寄せられる質問は、商品ページやFAQにも反映しましょう。そもそも疑問が生じにくい状態を作ることで、問い合わせ件数の削減やサービス品質の向上が期待できます。
購入後のフォローでリピートにつなげる
R-Messeでは問い合わせを受けるだけでなく、特定の注文に対して店舗からメッセージを送信できます。
発送完了時のひと言や、商品到着後の不具合の有無の確認などを店舗から送るのも効果的です。購入者の安心感と店舗への信頼が高まり、リピートや高評価レビューにつながります。また、店舗から声をかけることで「少し気になってはいるものの、問い合わせるほどではない」と購入者が言い出せずにいた小さな声も拾いやすくなります。
フォローで得た感想や要望は記録し、商品開発や商品ページの改善に活かしましょう。
問い合わせレポートを分析し、自動応答やFAQの改善に活かす
運用が安定してきたら、問い合わせレポートの分析に取り組みます。分析するデータは問い合わせ件数や購入者からの評価などがあり、問い合わせ管理メニューで確認可能です。
よくある質問を特定し自動応答やテンプレートに追加すれば、問い合わせ件数の削減や対応の効率化につながります。また、問い合わせに対する評価が低かった案件を振り返ることで、案内文や対応フローの改善点も見えてきます。
分析といっても、高度な手法は必要ありません。まずは「件数の多い質問」と「評価の低い対応」の2点を月次で確認するだけでも、改善対象が特定できます。
R-Messeの利用を始める手順
R-Messeは、届いた問い合わせに返信するだけならすぐに使い始められます。ただし、準備が不十分なまま運用を始めると、対応の遅れや誤った案内といった支障が生じやすくなります。
スムーズに利用開始するための手順は、以下の通りです。
- 設定画面の確認:RMSトップの「問い合わせ」または「問い合わせ管理R-Messe」を開く。対応・設定はすべてこの画面から行う
- 初期設定:あいさつ文・テンプレート・自動応答を登録する。設定の誤りが誤案内に直結するため、必ずダブルチェックを行う
- 社内ルールの整備:受信から返信までの目安時間や完了ステータスに変更するタイミング、クレームの対応方法などの運用ルールを決める
- 運用開始:スタッフへの操作教育を経て、問い合わせ対応を開始する
初期設定の具体的な手順とポイントは、前述の「R-Messeで問い合わせ管理を効率化する設定方法」で解説しています。
R-Messeを運用するうえで知っておきたい注意点
R-Messeをスムーズに運用するには、あらかじめ仕様や制限を理解しておくことが大切です。送信後のメッセージの扱いや返信スピードへの期待、管理できる問い合わせの範囲などを把握し、運用ルールを整えることで、ミスや顧客満足度の低下を防ぎやすくなります。
ここでは、R-Messeを運用するうえで知っておきたい注意点を3つ解説します。
一度送ったメッセージは修正・削除ができない
1つ目の注意点は、送信したメッセージを店舗側で取り消せないことです。LINEなどの送信の取り消しに対応したチャットアプリも多いため、R-Messeでも同じ感覚で「後から直せる」と思い込みやすい点に注意が必要です。
相手が未読の場合に限り修正可能ですが、既読になった時点で修正もできなくなります。問い合わせ対応において、誤送信は一定の確率で起こるととらえ、送信前のダブルチェックや誤送信が起きた場合の対処法など、運用フローをあらかじめ整えておきましょう。
チャット形式のため早い返信を期待されやすい
返信スピードに対する購入者の期待値が高くなりやすい点にも、注意が必要です。
R-Messeはチャット形式のため、メールに比べ「すぐに返事がもらえる」と期待される傾向が高いツールです。自社の基準を守っていても、返信に数時間から半日かかるだけで対応が遅いと受け取られる場合があります。この期待値のずれは、店舗への不信感や低評価レビューにつながりかねません。
対策として、次の2つがあります。
- あいさつ文で返信の目安時間(例:3営業日以内に返信します)を先に伝え、期待値のずれを防ぐ
- よく使う返信内容をテンプレートに登録し、素早く返信できるようにする
楽天市場以外の問い合わせは管理できない
3つ目の注意点は、R-Messeで管理できるのが楽天市場経由の問い合わせに限られることです。
メールや電話、LINEの問い合わせを受け付けていたり、Amazonなど他のECモールにも出店していたりする場合、R-Messeに加えてそれぞれの管理画面にログインし直さなければなりません。管理画面が分かれていると確認する手間が増える分、返信漏れや誤送信などのミスが起きやすくなります。
複数のECモールの問い合わせを一画面で管理する方法
ここまで解説した通り、R-Messeで効率化できるのは楽天市場内の問い合わせ対応に限られます。複数のECモールや自社サイトを運営していると、問い合わせの管理や対応状況の把握が煩雑になりがちです。
この課題は、複数窓口の問い合わせを1つの画面に集約する問い合わせ管理システムの併用で解消できます。
楽天・Amazon・Yahoo!ショッピングの問い合わせを一画面で対応できる「楽楽自動応対」
楽楽自動応対のECモール対応の画面イメージ
「楽楽自動応対(旧メールディーラー)」は、R-Messeで受信した問い合わせを確認・返信できる問い合わせ自動応答システムです。楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング・LINE公式アカウントなど複数の問い合わせ窓口もまとめて管理できるため、各モールにログインし直す手間がなくなります。
他にも、次のようなメリットがあります。
- 担当者ごとの対応状況が表示され、誰がどの問い合わせに対応中かがひと目で分かるため、返信漏れや二重対応を防げる
- 受注管理システムと連携してメールアドレスと注文情報を紐づけられ、購入前の質問から購入後の対応までまとめて確認できる
- 「至急」「クレーム」などのラベルで優先度を可視化できるため、セール時など問い合わせが集中する場面でも重要な対応を見落としにくい
【EC事例】問い合わせの一元管理で100件以上たまった問い合わせを解消
実際に楽楽自動応対を使って問い合わせの一元管理をし、成果を上げた事例を紹介します。
海外から腕時計や雑貨を輸入・販売する株式会社ペリオドは、自社サイトと楽天市場・Yahoo!ショッピングで店舗を展開しています。
楽楽自動応対を導入する前は、以下の課題がありました。
- 担当者が複数人になったことで、誰がどこまで対応しているのか分かりにくい
- 楽天市場とYahoo!ショッピングの顧客対応がメール形式からチャット形式に変わったため、各モールにログインして返信・管理する手間が生じている
楽楽自動応対を導入した結果、ピーク時に100件以上たまっていた問い合わせを、導入から3カ月ほどですべて解消しました。対応品質の向上はレビュー評価にも表れ、翌年には同社の楽天店舗が「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2022」を受賞しています。
まとめ:R-Messeの活用で問い合わせ管理を効率化しよう
R-Messeはステータス管理や自動応答などの機能によって、楽天市場内の問い合わせ対応を効率化する問い合わせ管理ツールです。定型的な質問の一次対応を自動化し、対応時間を短縮するためには、あいさつ文やテンプレート、チャットボットの設定が有効です。
一方、R-Messe単体では楽天市場以外の問い合わせを管理できません。複数の問い合わせ窓口を持つ企業は、管理画面の分散による対応漏れが課題になります。そういった課題には楽楽自動応対のような、複数窓口の問い合わせ対応を一元管理できるツールが役立ちます。
「楽楽自動応対」の機能や導入事例の詳細は、無料でダウンロードできる資料でご確認ください。
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