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カスタマーサクセス業務にAIを活用する方法とは?活用できる業務や注意点も紹介

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AIを電話・メール対応に導入して顧客満足度を向上すれば、カスタマーサクセスを実現できます。ただし、導入にあたってプライバシーに配慮することや、セキュリティを確保することに注意が必要です。

本記事では、カスタマーサクセス業務にAIを活用する方法や、注意点について詳しく解説します。

この記事の目次

    そもそもカスタマーサクセスとは

    カスタマーサクセスとは、自社の商品やサービスを購入したお客様に働きかけ、サービス・商品の活用によって成功体験の実現を支援することを指します。

    カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い

    カスタマーサクセスに似た言葉として、カスタマーサポートがあります。

    カスタマーサポートとは、お客様からの問い合わせにメールや電話で対応する業務や、その部門のことを指します。基本的に、お客様からの問い合わせを待つ「受動的」な姿勢が特徴です。

    それに対し、カスタマーサクセスでは、会社側からお客様に対して積極的に利用促進や改善提案を働きかけます。そのため、カスタマーサクセスは「能動的」な姿勢が特徴です。

    また、カスタマーサポートはトラブルが解消すれば「単発」の対応で終わることがあるのに対し、カスタマーサクセスではお客様の成功体験を実現させるまで「継続的」に対応を続ける点も違いとして挙げられます。

    カスタマーサクセスが注目される理由

    近年、SaaSを始めとするサブスクリプション型ビジネスが広がりつつある点が、カスタマーサクセスが注目されている主な理由です。サブスクリプション型ビジネスとは、一度販売して終わりの「売り切り」ではなく、お客様が商品やサービスを利用した期間や量に応じて対価を受け取るビジネスを指します。

    サブスクリプション型ビジネスでは、一度お客様に商品やサービスを販売しても、継続して利用してもらえなければ十分な売上を期待できません。そこで、お客様を成功に導き、解約率を減少させるカスタマーサクセスが重要なのです。

    カスタマーサクセスに用いる主なKPI

    カスタマーサクセスを推進する際は、主に以下のKPIが用いられます。

    KPI 定義
    解約率(チャーンレート) お客様が自社サービスを解約した割合
    NRR(売上継続率、売上維持率) 既存のお客様がサービスの利用を継続した割合
    NPS(顧客推奨度) お客様が商品・サービスや会社自体に対して愛着を示している度合い
    アクティブユーザー数 自社の商品・サービスを活発的に利用しているお客様の数
    LTV(顧客生涯価値) ひとりのお客様が生涯にわたって自社に対してもたらす利益

    ※KPIはKey Performance Indicator(重要業績評価指標)を略した言葉で、ゴールまでの達成状況を示した指標です。

    AIでカスタマーサクセスを実現できる理由

    自社の業務にAI(人工知能)を導入することで、カスタマーサクセスを実現できることがあります。主な理由は、以下のとおりです。

    • 顧客満足度が向上する
    • お客様の離脱を未然に防げる
    • ヒューマンエラーを軽減できる
    • 生産性が向上する

    それぞれ解説します。

    顧客満足度が向上する

    AIを導入すれば顧客満足度を向上できるため、カスタマーサクセスの実現につながります。顧客満足度とは、お客様が商品を購入したりサービスを利用したりした際に感じる満足度合のことです。

    AIでは、膨大なデータを素早く高い精度で分析できます。業務で収集したデータをAIで分析し、お客様にあった情報・サービスを提供すれば、顧客満足度を向上できるでしょう。なぜなら、お客様の悩みや抱える課題を自社で迅速に解決できるためです。

    お客様の離脱を未然に防げる

    自社商品やサービスからお客様が離脱することを未然に防げる点も、AIでカスタマーサクセスを実現する理由です。

    すでに紹介したとおり、カスタマーサクセスに用いられるKPIのひとつとして解約率が挙げられます。解約率とは、特定の期間内で自社のサービスを解約するお客様の割合のことです。

    AI分析を活用すれば、お客様の離脱可能性が高まりつつある段階でアラートを発信させられます。そのため、お客様が「解約」を実行に移す前に、それを防ぐための対策を立てられるでしょう。

    なお、お客様が求めるサービスを提供し続けて顧客満足度を高めることが、離脱(解約)の防止につながる場合もあります。

    ヒューマンエラーを軽減できる

    ヒューマンエラー(人間が原因で発生するミスや事故)を軽減できる点も、AI導入がカスタマーサクセスの実現につながる理由です。ヒューマンエラーによりメールの誤送信などが立て続けに発生すると、会社の印象が悪くなり、信頼を失います。

    担当者の思い込みや知識不足・経験不足・スキル不足などが、ヒューマンエラーを引き起こす主な原因です。また、残業の多さや多忙などで担当者の疲労が蓄積している場合も、ヒューマンエラーが発生しやすくなります。

    その点、AIは長時間の作業をしても疲れることがありません。知識不足や経験不足などの問題も解消できるでしょう。

    さらに、AIによる異常検知機能を業務に導入することで、ヒューマンエラーが実際に発生する前に未然に防ぐ方法もあります。

    生産性が向上する

    AIを導入すれば生産性が向上することも、カスタマーサクセス実現につながる理由です。生産性向上・業務効率化でお客様へ提供できる量や対応できる範囲が広がれば、お客様の成功体験をよりサポートしやすくなります。

    AIを導入して業務を自動化すれば、ルーティンワークをスムーズにこなせるようになるため、生産性が高まるでしょう。また、担当者に足りない部分をAIで補うこともできます。

    なお、お客様が抱える課題を解消してカスタマーサクセスを実現できるだけでなく、AI導入により自社の人手不足の課題解消にもつながるでしょう。

    AI導入が業務に役立つ分野

    AIの導入が業務に役立つ主な分野は、以下のとおりです。

    • 自社の売上予測
    • カスタマーサポート
    • 電話・メール対応

    それぞれ解説します。

    自社の売上予測

    AIの導入により、自社の売上を予測できます。

    AIは、決められたプログラムを実行するだけでなく、自ら学習する力も備えた技術です。そのため、過去の売上やお客様とのやり取りなどを元に、高い精度で今後の売上予測ができます。

    どれくらいの売上を期待できるのかあらかじめ把握しておけば、適切な原材料を仕入れたり、状況に応じた販売促進活動をお客様に対して進められたりするでしょう。

    結果として、生産性向上や業務効率化にもつながります。

    カスタマーサポート

    カスタマーサポートも、AIの導入が役に立つ分野です。具体例のひとつとして、AIチャットボットが挙げられます。

    AIチャットボットとは、データを学習したAIがWebサイトやアプリなどで、お客様からの質問に対して自ら回答できるツールです。対話を続けてデータが増えるほど、AIチャットボットはより高い精度で回答できるようになります。

    AIチャットボットをカスタマーサポートに導入すれば、短い時間でお客様からの質問に対する適切な回答を導き出せる点がメリットです。待ち時間を軽減することにより、顧客満足度も向上させられるでしょう。カスタマーサポートにまわす人員を抑えられるため、コスト軽減にもつながります。

    電話・メール対応

    お客様への電話やメールの対応にも、AIを活用できるでしょう。

    たとえば、AIの音声認識やテキスト解析などの機能を使えば、予約受付やサービスの利用申込の受付などの電話対応を、従業員を配置せずにできます。そのため、AIチャットボットと同様に、お客様の待ち時間短縮、コスト軽減につなげられるでしょう。

    また、AIを使ってメールの自動作成もできます。AIにメール作成を任せれば、短期間で大量の文章を作成でき、人件費などのコストを削減できる点がメリットとして挙げられます。

    さらに、カスタマーサポート、電話・メールのいずれも、AIを導入すれば24時間365日対応も可能です。お客様はすぐに気になることを解決できるため、結果としてカスタマーサクセスにつながります。

    AIでカスタマーサクセスを実現する方法

    ここから、AIでカスタマーサクセスを実現するためのより具体的な方法を紹介します。主な方法は、以下のとおりです。

    • 担当者がAIのデータ分析を参考にする
    • アップセル・クロスセルに役立てる

    それぞれ詳しく解説します。

    担当者がAIのデータ分析を参考にする

    担当者がAIのデータ分析を参考にすれば、カスタマーサクセスの実現に近づくでしょう。

    お客様の情報やこれまでの利用履歴などにAIを使って分析すれば、お客様の行動や嗜好が見えてきます。そこで、分析した結果を営業に導入することにより、担当者はお客様に何を提案すればよいのか判断可能です。

    自分が必要としていた情報や解決策を担当者から得ることで成功体験を実現したお客様は、引き続きサービスを利用することを前向きに考えるでしょう。

    アップセル・クロスセルに役立てる

    AIをアップセルやクロスセルに役立てることで、カスタマーサクセスを実現する方法もあります。

    アップセルとは、お客様が購入した商品の上位モデルや利用しているサービスのアップグレード版を提案することで、顧客単価を上げる営業手法です。一方、クロスセルはお客様が購入する商品や利用予定のサービスとは別の商品・サービスもあわせて提案し、売上を伸ばす営業手法を指します。

    AIを導入して膨大なデータを分析すれば、アップセルやクロスセルを進めて、カスタマーサクセスを実現するために適したタイミングを把握できるでしょう。その結果、自社の収益増加にもつながります。

    AIでカスタマーサクセスの実現を目指す際の注意点

    AIを利用することによりさまざまなメリットを得られる一方で、さまざまなリスクもあります。そこで、AIの導入によりカスタマーサクセスの実現を目指す際は、とくに以下の点に注意が必要です。

    • プライバシーに配慮する
    • セキュリティを確保する
    • 人間による見極めも必要

    ここから、各注意点を詳しく解説します。

    プライバシーに配慮する

    AIを業務に導入する際、プライバシーに十分配慮しましょう。

    AIは膨大なデータを学ぶことで、精度を高めていく技術です。そのため、本人が気づかないうちにパーソナルデータを収集しているケースも少なくありません。

    いつの間にか自分の情報が集められていることを知ったお客様は、会社に対して不信感を持つ可能性があります。カスタマーサクセスを実現するためにAI導入を進めたのにもかかわらず、お客様に不信感を与えて解約率を上昇させてしまうこともあるでしょう。

    また、AIに関する法整備が不十分で、曖昧な部分もあります。今後個人情報の流用や著作権の抵触などで訴訟を起こされることがないよう、十分注意してAIを活用しましょう。

    セキュリティを確保する

    AIを導入する際、セキュリティを確保することも大切です。

    AIを搭載したシステムがサイバー攻撃の被害にあった場合、会社の機密情報やお客様の個人情報を漏洩するおそれがあります。そのため、AIを安全に利用するためのセキュリティシステムの導入や、リスク管理ルールの設定を検討しなければなりません。

    また、研修を実施して従業員のセキュリティ意識を向上させることも重要です。

    人間による見極めも必要

    AIに頼り切るのではなく、人間による見極めも必要なことも理解しておきましょう。

    AIは人間では扱いきれないデータを収集し、分析できる便利な技術です。しかし、人間が今まで担当してきた業務をすべて代替できるわけではありません。

    とくに、お客様対応の分野では、イレギュラーなトラブルにAIが対応できない可能性があります。また、AIを導入したことで、人間による対応を好むお客様の顧客満足度を低下させることもあるでしょう。

    AIでの対応に問題ない分野、人間でなければ対応できない分野をしっかりと見極めた上で、AI導入を検討することが大切です。

    カスタマーサクセスにはメール共有システムも役に立つ

    AIだけでなく、メール共有システムもカスタマーサクセスの実現に役立つツールのひとつです。メール共有システムは、チームでメール対応を行う業務のために開発されたツールであり、問い合わせ窓口の対応やカスタマーサポートなどの幅広い分野で利用されています。

    メール共有システムがカスタマーサクセスの実現に役立つ理由は、主に以下のとおりです。

    • 人のチェックで不自然さを解消できる
    • 対応状況を可視化して対応漏れを防ぐ

    各理由について、詳しく解説します。

    理由1:人のチェックで不自然さを解消できる

    上司や先輩社員が事前にチェックすることで、新人担当者やAIが作成した文書の不自然さを解消できる点が、メール共有システムがカスタマーサクセスに役立つ理由です。

    業務に慣れていない担当者がメールを作成・送信すると、お客様が内容を理解できなかったり、失礼な印象を受けたりする可能性があります。AIを活用しても、不自然な文章になることがあるでしょう。

    メール共有システムの申請・承認機能を利用することで、新人担当者が慣れるまでの間、お客様へメールを送信する際に上司や先輩社員のチェックを必須とする仕組みづくりができます。

    理由2:対応状況を可視化して対応漏れを防ぐ

    対応状況を可視化して対応漏れを防げる点も、メール共有システムでカスタマーサクセスを実現できる理由です。

    メール共有システムのステータス管理機能を用いれば、受信したメールの対応状況や担当者がひと目でわかります。そのため、担当者やAIに任せっきりで対応漏れが発生することを未然に防げるでしょう。

    さらに、電話やLINEなどの問い合わせ窓口を一元管理できるため、ツールごとに対応状況を確認する必要がありません。

    ラクスが提供するメール共有システム「メールディーラー」では、メールごとに担当者の割り振りができます。また、メールの対応状況をステータスごとに管理できるので、チーム全体で誰がどのメールを対応しているかひと目で把握でき、対応漏れや二重対応を防止できます。ご興味のある方は以下よりお問い合わせください。

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    AIを活用してカスタマーサクセスを実現しよう

    顧客満足度向上やヒューマンエラーの軽減につながるため、AIの導入でカスタマーサクセスを実現できます。AIを活用できる主な分野は、売上予測やカスタマーサービスなどです。

    ただし、AIを活用する際はプライバシーやセキュリティに配慮しなければなりません。また、AIだけではお客様対応が不十分なこともある点にも注意が必要です。

    そこで、カスタマーサクセスの実現には、メール共有システムの活用もあわせてご検討ください。株式会社ラクスの提供する「メールディーラー」は、info@やsupport@など共有メールアドレスやメーリングリスト宛にくるメールを複数名で対応・管理することに特化した、メール共有システムです。

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    ※本サイトに掲載されている情報は、株式会社ラクス(以下「当社」といいます)または協力会社が独自に調査したものであり、当社はその内容の正確性や完全性を保証するものではありません。

    この記事を書いたライター

    メールディーラー通信編集部

    メールディーラー通信編集部

    問い合わせ管理に役立つ情報の執筆・案出しをしています。問い合わせ業務でのトラブルを少しでも減らせるような記事を作成できるよう日々編集を行っています。
    得意な整理術は「Gmailの検索演算子を駆使したラベル付け」です。

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