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インサイドセールスにおけるKPIの設定方法と成果を上げる目標項目

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インサイドセールスの成果向上には適切な重要業績評価指標(KPI:Key Performance Indicator)設定とデータにもとづく運用が不可欠です。「どの指標を設定すべきか」「設定したKPIが達成できない」といった課題は最終目標(KGI:Key Goal Indicator)から逆算した論理的なKPI設定と継続的な改善サイクルで解決できます。

本記事ではSDR・BDR別の主要KPIを一覧で紹介。具体的な設定手順と運用ポイントを解説します。自社に合ったKPIを設計し、成果を出し続ける仕組みを構築する方法がわかります。

この記事の目次

    なぜインサイドセールスにKPI設定が不可欠なのか?

    インサイドセールスは見込み顧客の獲得から育成、商談創出までを担う企業の収益に直結する重要な部門です。

    KPIはKGI達成への中間指標です。KGIが「目的地」ならKPIは「チェックポイント」の役割を果たします。

    KPIを設定し、施策改善を促すことで活動がビジネス成長にどれだけ貢献しているかを客観的に評価し最大化できます。

    ここではKPI設定が必要な3つの理由を解説します。

    KGI(目的)達成までのプロセスを可視化できる

    KPIを設定すると最終目標までの道のりが具体的なマイルストーンに分解されます。チームの進捗状況を客観的に把握できます。目標達成までの道筋が明確になりメンバーのモチベーション維持・向上にもつながります。

    チームの課題(ボトルネック)を定量的に特定できる

    KPIを計測すれば「架電数は多いのに担当者につながらない(コネクト率が低い)」「担当者とは話せるのに商談にならない(商談化率が低い)」といった課題を数値で特定できるため、感覚的な議論ではなくデータにもとづいた具体的な改善策の立案と軌道修正が可能です。

    データにもとづく客観的な評価と人材育成が可能になる

    KPIという定量データにもとづきメンバーのパフォーマンスを公平に評価できます。個人の得意・不得意な領域が明確になるためマネージャーは的確なフィードバックや人材育成プランを策定できます。

    インサイドセールスで設定すべき主なKPI

    インサイドセールスはその役割によって主にSDR(Sales Development Representative)とBDR(Business Development Representative)に分けられ、それぞれ設定すべきKPIは異なります。

    • SDR:マーケティング活動で獲得したリードにアプローチする反響型」です。
    • BDR:ターゲット企業を決め戦略的にアプローチする「新規開拓型」です。

    ここではSDRとBDRの主なKPIと、共通のアプローチであるメール対応に特化したKPIも説明します。

    SDR(反響型)の主なKPI

    SDRの活動成果を把握するには、業務プロセスに沿って「量」と「質」の両面をバランスよく管理することが大切です。

    KPI項目 計算式 目的・重要性
    有効リード数・有効リード率 有効リード率(%)=有効リード数/全リード総数✕100 ※企業によって定義が異なる マーケティング部門からのリードの「量」と「質」を評価し、リードの質と量の課題発見に貢献します。
    アプローチ数(架電数・メール送信数) 架電数・メール送信数 リードへの電話やメールでのアプローチ総回数です。チームの活動量を示す基本的な指標ですべての活動の起点です。
    コネクト数・コネクト率 コネクト率(%)= コネクト数 ÷ アプローチ数 × 100 アプローチが見込み顧客へ接触できたかの「量」と「効率」を測るKPIです。リストの質やアプローチ時間帯の課題発見に貢献します。
    商談化数・商談化率 商談化率(%)= 商談化数 ÷ コネクト数 × 100 担当者との会話から商談を創出できた「量」と「質」を示すKPIです。トークスクリプトやヒアリング能力に課題がある可能性を示唆します。
    有効商談数・有効商談率 有効商談率(%)= 有効商談数 ÷ 商談化数 × 100 創出した商談が営業部門にとって価値があったか測るKPIです。つまり受注につながる見込みがあるかを測ります。商談化基準のズレを発見します。
    受注数・受注率 受注率(%)= 受注数 ÷ 商談化数 × 100 インサイドセールス活動の最終的な事業貢献度を示すKPIです。会社の売上貢献度を評価します。

    BDR(新規開拓型)の主なKPI

    BDRではターゲット企業への戦略的なアプローチが求められるためSDRとは異なる視点のKPIが必要です。

    KPI項目 計算式 目的・重要性
    ターゲットリスト数・アプローチ数 ターゲットリスト数・アプローチ数 BDRの活動量の起点となる指標です。高額受注を見込める特定の人物を精査したリスト数とアプローチ総回数であり、SDRと比較してリストの精度が非常に重視されます。
    キーマンコネクト数・キーマンコネクト率 キーマンコネクト率(%)= キーマンコネクト数 ÷ アプローチした企業数 × 100 アプローチが決裁権者(キーマン)などターゲット人物に接触できた件数と効率を測るKPIです。リスト精度やアプローチ方法の課題を示唆します。
    商談化数・商談化率 商談化率(%)= 商談化数 ÷ キーマンコネクト数 × 100 キーマンとの対話から商談を創出できた「量」と「質」を示すKPIです。キーマンと話せているのに商談化率が低い場合、提案内容やタイミング、価値訴求の課題を分析します。
    有効商談数・有効商談率 有効商談率(%)= 有効商談数 ÷ 商談化数 × 100 創出した商談の最終的な「質」を測る指標です。高単価取引が多いBDRでは事業成果に直結するため非常に重要です。

    メールアプローチにおけるKPI

    SDR、BDRいずれの役割でもメールは重要なアプローチ方法です。メールアプローチでは顧客の興味・関心を測るKPIが用いられます。

    KPI項目 目的・重要性
    開封率 送信メールが開封された割合です。件名、差出人名、送信タイミングの魅力を評価します。
    クリック率 メール本文URLがクリックされた割合です。コンテンツやオファーへの興味関心度合いを測ります。
    返信率 送信メールへの返信割合です。顧客の積極的な関心を示し、次のアプローチへの重要な指標です。

    なお、Webメールサービスについては以下の記事をご覧ください。

    インサイドセールスでは日々大量のメール対応が発生します。主に、担当者ごとのブラックボックス化、KPI、阻害要因といったビジネス用語が乱立しています。この課題解決にはメール共有・管理システムの活用が効果的です。

    「メールディーラー」はチーム全員のメール対応状況をリアルタイムで可視化し返信漏れを防止します。さらにAI機能「カスタム生成」が要点入力で適切な返信文を自動生成するので、メールアプローチの効率化と品質向上を同時に実現します。

    成果を測りやすくするKPI設定の5ステップ

    KPIは以下の5ステップで設定することで整合性があり、実務に即した運用が可能です。

    STEP1:KGI(最終目標)を明確に定義する

    チームの最終目標を具体的に定義します。「第4四半期の受注金額で1,200万円を達成する」のように誰が見ても同じ解釈になる具体的な数値目標を設定することが重要です。

    STEP2:KGIから逆算してKRI(成果指標)を設定する

    定義したKGI達成に必要な成果を逆算して設定します。この際、過去の実績データ(平均顧客単価、受注率など)を用いることが重要です。

    例:KGI「受注金額1,200万円」とした場合、平均顧客単価100万円の場合に必要な成果指標は「受注件数12件」となります。これは経営レベルの目標(KGI)を現場の活動成果(KRI)に具体的に落とし込むために行います。

    STEP3:KPIに分解する

    成果目標達成に必要な「行動」をさらに逆算して具体的なKPIに落とし込みます。

    例:成果指標「受注件数12件」、過去の受注率20%の場合に必要なKPIは「商談数60件」となります。さらに商談化率が10%なら「コネクト数600件」が必要です。このように分解することで日々の行動目標が明確になります。

    STEP4:SMARTの原則に沿って目標数値を確認する

    設定したKPIが客観的で達成可能な目標になっているかを「SMART」のフレームワークで確認し、設定したKPIを形骸化するのを防ぎます。

    • S(Specific:具体性):明確かつ具体的か(例:「商談を増やす」ではなく「SQLを月60件創出する」)
    • M(Measurable:計量性):定量的に測定可能か(例:「顧客との関係を深める」ではなく「NPSを5ポイント改善する」)
    • A(Achievable:達成可能性):過去実績やリソースから見て現実的な目標か
    • R(Relevant:関連性):KGIと関連性がありその達成に貢献する行動指標か
    • T(Time-bound:期限設定):いつまでに達成するか期限が明確か

    STEP5:部門間で用語の定義をすり合わせる

    「有効商談」や「有効リード」といった用語の定義をマーケティング部門や営業部門と事前にすり合わせることが重要です。部門間の認識違いをなくし組織全体のスムーズな連携と成果向上につなげます。この合意がないとインサイドセールスは質の低い商談を量産し部門間の対立を生む原因となります。

    KPIを正しく運用するためには、その基盤となる日々の活動データが、チーム全体で正確に共有されていることが不可欠です。特に、インサイドセールスの主要な活動であるメール対応の状況がブラックボックス化していては、適切なKPI管理は実現できません。

    この課題を解決するのが、メール共有・管理システム「メールディーラー」です。

    チームのメール対応状況を「ステータス管理機能」でリアルタイムに可視化し、「担当者振り分け機能」で責任を明確にすることで、KPI達成のボトルネックとなる対応漏れや遅れを防ぎます。さらに、ハイパフォーマーの返信内容を「テンプレート機能」で共有すれば、チーム全体の対応品質が標準化され、商談化率の向上にも貢献します。

    インサイドセールスの成果を最大化する具体的な機能について、まずは無料でダウンロードできる資料でご確認ください。

    フェーズに合わせたKPIの設定方法

    インサイドセールス組織の成熟度(フェーズ)に応じ重視すべきKPIや活動の狙いは変化します。立ち上げ期は活動量を、成長期は質と効率を、安定・拡大期は事業貢献度を重視したKPI設定が求められるため、各フェーズの目的を明確にし、対応するKPIを設定することが重要です。

    立ち上げ期:活動量の最大化と勝ちパターンの模索

    初期はデータ不足のためまず活動の「量」確保が大切です。多くのデータを収集し活動の基準値(ベースライン)を作ります。効果的なアプローチ方法やターゲット傾向を見つけるフェーズです。

    KPI設定の例:アプローチ数(架電数・メール送信数)、コネクト数・コネクト率

    成長期:活動の質を向上させ、商談化率を改善

    蓄積データを分析しプロセスの効率化と成果の質の向上を目的とします。活動の質を高め商談の質向上に注力するフェーズです。分析と改善を繰り返し、より高い数値創出を目指します。

    KPI設定の例:商談化数・商談化率、有効リード率、メール開封率・クリック率

    安定・拡大期:生産性の向上と事業成長への貢献

    確立されたプロセスをさらに磨き、事業全体への貢献度向上を目的とします。一人ひとりの生産性を高めコスト効率を意識しつつ事業全体の成長に貢献するフェーズです。KPIは最終成果に直結する指標を重視します。

    KPI例:有効商談数・有効商談率、受注数・受注率

    フェーズに合わせてKPIを見直すことで適切なKPI運用を維持し組織の成長を継続的に推進できます。

    KPI運用を形骸化させないための3つのポイント

    KPIは設定して終わりではなく継続的な運用を通じて改善が不可欠です。

    主に「定期的なモニタリングと振り返り」「データにもとづく要因分析」「関連部門との密な連携」の3つが成功の鍵です。

    数値を追うだけでなく背景を分析し組織全体で改善に取り組む姿勢が求められますので、それぞれ見ていきましょう。

    定期的なモニタリングと振り返りの場を設ける

    日次、週次、月次でKPIの進捗を確認する場を設けます。単なる進捗報告で終わらせず「目標とのギャップ」「その要因」「今後の対策」をセットで議論しPDCAサイクルを回す文化を育てることが重要です。

    特に週次のミーティングでは数値の背景にある個々の活動内容や成功事例、失敗事例を共有し、チーム全体で学びを深める時間としましょう。

    達成・未達成の要因を分析し、改善策を実行する

    KPIの数値を深掘りし「なぜこの数値になったのか?」という要因を分析します。複数のKPIを組み合わせて多角的に分析します。(例:架電数は多いがコネクト率が低い場合アプローチする時間帯やリストの質に問題があるのではないかと仮説を立てる)。

    要因を分析した結果にもとづき「午前中の架電の一部を午後に変更してみる」などの具体的な改善策を決め実行に移します。

    マーケティング・営業部門と密に連携する

    定期的に関連部門との情報共有会を設定します。マーケティング部門にはリードの質や商談化率をフィードバックを行い、営業部門からは創出した商談がどうだったか(有効商談率、受注・失注理由など)をヒアリングします。

    このような双方向連携が組織全体の最適化とパフォーマンス向上につながります。

    KPIの運用におけるメール対応の壁と解決策

    インサイドセールスでは電話だけでなくメールでのアプローチも多用することとなります。しかしメール対応が個人の受信トレイに依存しKPI目標達成を阻害する要因となっているケースがあります。

    具体的にはメール対応のブラックボックス化が「情報共有の漏れ」「顧客感情の悪化」「対応の属人化」という3つの壁を生み出します。

    メールディーラー公式Webサイト

    出所:メールディーラー公式Webサイト

    こうした課題は個人の努力だけでは難しく、メール共有・管理システムという「仕組み」によるアプローチが不可欠です。ここでは「メールディーラー」を例に具体的な解決策を紹介します。

    情報共有の漏れ・遅延による機会損失

    従来のメール対応では、担当者が不在の際に返信が遅れ、商談機会の損失に直結するリスクがあります。また、過去のやり取りが個人のパソコンにしかないため、顧客に何度も同じ説明をさせてしまい、不信感を与えることも少なくありません。

    メール共有・管理システム「メールディーラー」は、これらの課題を解決する具体的な機能を搭載しています。

    すべてのメールをチームで共有し「ラベル機能」で受信メールに任意のラベルを設定したり、「対応状況管理」により対応状況(新着・返信処理中・完了)を可視化することができます。さらに「担当者振り分け機能」で責任者を明確にすることで、対応漏れや遅れをシステムで防止します。すべてのやり取りは「対応履歴」として一元管理されるため、担当者不在時でも過去の経緯を瞬時に把握し、スムーズな代理対応が可能です。

    顧客感情の悪化による、機会損失リスクの増大

    多数のメール処理の中でクレームの予兆となる感情表現を見落とすことがあります。小さな火種が商談の停滞や破談につながるリスクとなります。

    メールディーラーのリスク検知機能のイメージ

    メールディーラーのリスク検知機能のイメージ

    「メールディーラー」による解決:AI機能「リスク検知」が24時間365日メールを監視しネガティブな感情を含むメールを検知すると自動でフラグを立て管理者にアラート通知します。

    これによりインサイドセールス担当者は緊急性の高いメールを即座に把握し迅速かつ丁寧なフォローアップが可能に。顧客との関係悪化を未然に防ぎ商談化率や受注率といった重要なKPI達成をリスク管理の側面からサポートします。

    メール対応の属人化と品質のバラつき

    ベテランと新人ではメールの文面や提案の質が異なりチーム全体のパフォーマンスが不安定です。成功事例が共有されず個人のスキルとして埋もれることもあります。

    「メールディーラー」はAIが過去の豊富な対応履歴やFAQから問い合わせ内容に適切な返信文案を自動で生成する「カスタム生成」を搭載しています。これにより経験の浅い担当者でもトップセールスレベルの質の高いメールを迅速に作成できチーム全体の対応品質が標準化・向上します。さらに2025年10月にはより高度な「自動生成」機能のリリースも予定しており、メール対応のさらなる効率化と品質の均一化に貢献します。

    すでに8,000社以上で導入されており、16年連続売上シェアNo.1※を獲得しています。実際の画面を試せる無料トライアルでご確認ください。

    ※出典:ITR「ITR Market View:メール/Webマーケティング市場2025」メール処理市場:ベンダー別売上金額シェア(2024年度予測)、同レポートには旧製品名(メールディーラー)で掲載

    まとめ:インサイドセールスのKPIは「育てていく」視点が重要

    本記事ではインサイドセールスのKPIについて、その重要性から役割別・フェーズ別の設定方法、運用のポイントまでを解説しました。KPIは一度設定したら終わりではなく、日々の活動データをもとに継続的に見直し改善サイクルを回していく「育てる」という視点が重要です。特にメール対応は属人化や対応漏れが発生しやすく、KPI達成の阻害要因となることが多いです。

    メール共有・管理システム「メールディーラー」はチーム全体でのメール管理や対応の標準化、迅速な顧客フォローを可能にしKPIの目標達成を後押しするツールです。AIを活用した機能の詳細は以下からご確認いただけます。

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    ※本サイトに掲載されている情報は、株式会社ラクス(以下「当社」といいます)または協力会社が独自に調査したものであり、当社はその内容の正確性や完全性を保証するものではありません。

    この記事を書いたライター

    メールディーラー通信編集部

    メールディーラー通信編集部

    問い合わせ管理に役立つ情報の執筆・案出しをしています。問い合わせ業務でのトラブルを少しでも減らせるような記事を作成できるよう日々編集を行っています。
    得意な整理術は「Gmailの検索演算子を駆使したラベル付け」です。

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