スマートフォンの普及により、顧客が企業に問い合わせる手段は多様化しています。中でもLINEは国内月間利用者数1億人を超え、メールや電話に並ぶ主要な顧客対応チャネルとなりました。一方で「メールや電話とどう使い分けるのか」「運用工数が増えるのではないか」と導入をためらう担当者も少なくありません。
本記事では顧客対応にLINEを採用すべき理由や、顧客対応を始めるための流れ、自動応答と有人チャットを組み合わせて業務効率を向上する方法を解説します。
顧客対応にLINEがおすすめな理由
従来の電話やメールに代わり、顧客サポートの窓口としてLINE公式アカウントを導入する企業が増えています。
多くの企業が顧客対応にLINEを選ぶ背景には、顧客側と企業側の双方にとってのメリットがあるためです。ここでは、顧客対応にLINEを活用すべき理由を3つ解説します。
多くの人が日常的に利用しており問い合わせのハードルが低い
幅広い世代に普及しているLINEは、顧客が問い合わせをする際のハードルが低いツールです。LINEヤフー株式会社によれば、国内月間利用者数は1億人を突破(2025年12月末時点)しており、LINEが生活インフラとして広く浸透していることが分かります。
また、LINEはWebサイトの問い合わせフォームのように氏名や住所を入力する必要がなく、電話のように受付時間を気にすることもありません。すきま時間や移動中など思い立ったタイミングで連絡できる手軽さが、大きな強みです。
参考サイト:LINE、国内月間利用者数が1億ユーザーを突破|LINEヤフー
プッシュ通知と未読バッジにより顧客が返信に気付きやすい
LINEはメールより開封率が高く、顧客とのやり取りが進みやすいというメリットがあります。
メールとLINEはどちらもスマートフォンへのプッシュ通知機能を持ちますが、メールは大量 of メッセージが受信箱に混ざって入るため、企業からの返信が埋もれがちです。一方、LINEはアカウント(友だち)ごとにトーク画面が独立しており、それぞれに未読バッジがつくため、顧客が気づきやすい仕組みになっています。
顧客からのレスポンスが早くなる分、問い合わせが解決するまでのリードタイムが短縮でき、オペレーターの対応効率も向上します。
チャット形式のためスムーズなやり取りができる
チャット形式というLINEの特性も、顧客対応に向いている理由です。
LINEは、形式ばらない短文でやり取りできる文化が根付いています。電話のようにその場で状況を説明する難しさがなく、メールのように件名や敬語表現を整える手間がかかりません。
過去のやり取りがひとつのトーク画面にタイムライン形式で残るため、前後の文脈を把握しやすいのも強みです。LINEは顧客とオペレーター双方にとって、コミュニケーションを取りやすいツールといえます。
LINEを活用して顧客対応を効率化する方法
顧客対応の工数を削減するには、すべての問い合わせに有人で対応するのではなく、無人対応と有人対応を切り分ける必要があります。
ここではLINE公式アカウントの機能をどのように使って、顧客対応を効率化するのかを解説します。
リッチメニューを設置して顧客の自己解決を促す
1つ目に解説するのはリッチメニューを活用した、顧客の自己解決を促す導線作りです。
リッチメニューとは、LINEのトーク画面下部に表示されるメニュー機能のことです。例えば「営業時間」「料金プラン」「よくある質問」といったボタンを並べておけば、顧客はタップするだけで迷わず目的の情報へたどり着けます。
顧客自らが疑問を解消するセルフサービス型の接客を構築することで、問い合わせ件数自体の削減が見込めます。
応答メッセージ機能で定型的な質問の対応を自動化する
定型的な質問への対応は、応答メッセージ機能を使って自動化するのが効果的です。
応答メッセージ機能には、顧客が送信した文言に含まれるキーワードに反応して回答を自動送信する、キーワード応答機能があります。件数が多く大きな負担になりやすい定型的な質問への回答も、キーワードと回答を設定しておくだけで、システムが自動で返信します。
さらに高度な対応が必要な場合は、外部のチャットボットツールと連携させることで、より複雑なヒアリングや個別回答の自動化も可能です。
1to1チャットへ履歴を引き継ぎ有人対応の時間を短縮する
複雑な相談やクレームなどはリッチメニューや応答メッセージ機能では解決が難しく、有人チャット(1to1チャット)で対応する必要があります。
その際、自動応答のトーク画面をそのまま有人対応に引き継げるのがこの機能の強みです。例えばリッチメニューで「商品の不具合について」を選び、いくつかの質問に答えた段階でオペレーターに切り替わるケースでは、製品名や症状が表示されているため、すぐに具体的な解決策の提案に入れます。
顧客が同じ説明をし直すことでのクレームを防止し、オペレーターも状況を把握したうえで対応を始められるため、顧客満足度の向上と業務効率化が両立できます。
顧客対応にLINEを導入しやすい業界と活用例
LINEの強みである画像送信機能やメッセージの送りやすさは、特定の業界において顧客満足度の向上と業務効率化に直結します。
ここでは、自社の業態でどのようにLINEを活用できるのかイメージしやすいよう、3つの業界を例に活用シーンを紹介します。
EC・通販業界:配送状況の確認や返品対応
EC・通販業界に効果的なのが、配送状況の通知や返品対応の場面でのLINE活用です。
例えば、商品発送のタイミングや配送状況の確認をLINEで受け取れるようにすれば、顧客はECサイトのマイページや配送業者のWebサイトを開かなくても知りたい情報を得られます。
さらに、顧客とのやり取りなどを記録できるノート機能を使えば、一人ひとりに合わせたきめ細やかな対応が可能です。「商品Aのクレーム対応中」「日中の電話連絡は不可」といった詳細な情報をノートに残すことで、担当者が変わっても状況把握が容易になります。
サービス業・店舗ビジネス:予約受付や変更対応
接客中で電話に出られないことが多い美容室や飲食店などの店舗ビジネスでは、予約の受付や変更連絡にLINEが有効です。
リッチメニューや応答メッセージを設定しておけば、空き状況の案内や予約をLINEで完結できます。また、当日の遅刻やキャンセル連絡もLINEの方が心理的に送りやすくなるため、無断キャンセルといった損失も防げます。
さらに、来店回数や好みのメニューで顧客を分類できるタグ機能も効果的です。初来店の顧客に絞ってクーポンを配信するといったリピート率向上につながる活動にも活かせます。
不動産・インフラ業界:写真や位置情報を使った不具合対応
賃貸物件の設備不良やインフラサービスのトラブル対応では、画像や位置情報でのやり取りにLINEが役立ちます。
例えば「エアコンから水漏れしている」「給湯器のエラーランプが点灯している」など口頭で伝わりにくい相談は、写真の方が被害状況や型番の確認が容易です。事前に状況を把握できるため、必要な工具や部品を準備したうえで現地に向かえるというのも大きなメリットです。
また、位置情報を送信してもらうことで、出張修理や駆けつけサービスの手配もスムーズになります。
関連記事:コールセンター業務をLINEで効率化する方法|メリットや導入手順も解説
顧客対応にLINEを活用した事例
実際に顧客対応にLINEを取り入れている3社の事例を紹介します。
両社とも、ノート機能やリマインド配信といったLINEならではの機能を業務に組み込み、顧客対応の効率化や顧客接点の強化につなげています。
株式会社縁蔵ホールディングス:申し込みから入居までLINEで完結する不動産仲介
不動産仲介を手がける株式会社縁蔵ホールディングスでは、申し込みから入居までの手続きを、LINE上で完結させています。
例えば、チャットで希望条件の確認や各種書類のデータ送付を行い、賃貸借契約における重要事項説明もLINEアプリのビデオ通話機能を使って実施。実際に物件を確認する内覧の時以外は、すべてオンライン上で手続きを進められる仕組みです。
LINEを活用した取り組みで、2020年1〜7月の間にLINE経由の問い合わせから30〜40件の成約が生まれています。
参考サイト:事例:株式会社縁蔵ホールディングス|LINEヤフー for business
琴平バス株式会社:予約リマインドで問い合わせ数を削減
観光バス・タクシー会社である琴平バス株式会社は、顧客の予約忘れ防止や問い合わせ削減を目的に、LINEを導入しました。高速バスを予約したユーザーに対し、乗車日前日に予約番号や乗車場所などの基本情報をLINEで配信しています。
導入後はコールセンターへの問い合わせが減少しただけでなく、乗車時の本人確認もスムーズになり、オペレーションの効率化にもつながっています。
参考サイト:事例:琴平バス株式会社|LINEヤフー for business
株式会社アパートナー:LINE×メールの連携で問い合わせ対応を効率化
不動産事業を展開する株式会社アパートナーでは、入居者やオーナーとの問い合わせ対応にLINE公式アカウントを活用しています。
入居者のほとんどがLINEを利用しているため、メールよりも気軽に不具合のある現場の動画や写真を送ってもらえるのが大きなメリットです。電話で連絡が来た場合も、LINEに切り替えることで画像の共有ができるようになり、現場へ確認しに行く手間が省けています。
また「楽楽自動応対(旧メールディーラー)」を導入し、LINEとメールなど複数の問い合わせを一元管理しています。
以前はメールで届いた問い合わせに電話をかけて対応が完了しても、メール側が未対応として残ってしまい、別の担当者が返信してしまうケースがありました。楽楽自動応対では、別チャネルで対応した案件もステータスを変更することで対応完了タブに移動するため、担当者間の重複対応を防止できています。
参考サイト:残業時間が減り、社員の自発的な動きが生まれる好循環ができました。
LINEでの顧客対応の始め方
LINEを顧客対応のチャネルとして活用するには、初期設定と導線作りが重要です。ここでは、LINE公式アカウントの開設から顧客対応を始めるまでの基本的な流れを、4つのステップに分けて解説します。
1. LINE公式アカウントを作成する
まずはLINE公式アカウントの公式サイトへアクセスし、アカウントを開設します。アカウントは、メールアドレスまたは個人のLINEアカウントを用いてビジネスIDを発行するだけで作成できます。
また、企業や店舗の存在を公式に証明する「認証済アカウント」の申請もおすすめです。認証済アカウントは顧客からの信頼感が高まり、問い合わせをしてもらいやすくなります。
参考サイト:【公式】LINE公式アカウント - アカウント作成はこちら
2. プロフィール情報を設定する
アカウント開設後は、管理画面(LINE Official Account Manager)にログインして、アイコン画像やプロフィールを設定します。プロフィール画面は顧客が最初に目にする情報になるため、丁寧に整えましょう。
ここで重要なのが、営業時間の明記です。LINEは24時間いつでもメッセージを送れるという特性があるため、有人対応の時間帯をプロフィールに記載しておくことで「いつ返信が来るのか分からない」という顧客の不安や不満を防止できます。
3. 初期設定(あいさつメッセージの設定)をする
次にあいさつメッセージの設定です。あいさつメッセージは、顧客がアカウントを友だち追加した直後に自動で配信されるものです。顧客と企業の最初の接点となるため、ここで分かりやすい案内をしておくことが、その後のスムーズなやり取りにつながります。
「お問い合わせはこちらのトーク画面からメッセージを送信してください」「注文番号と名前を記載していただくとスムーズです」など、顧客が問い合わせしやすいよう具体的な問い合わせ手順を明記しましょう。
4. 友だち追加を促進する導線を作る
最後に、顧客にLINE窓口の存在をアピールし、友だち追加してもらうための導線を設計します。
具体的には、以下のような方法が一般的です。
- 店頭のポスターやレジ横のPOPにQRコードを設置して読み取ってもらう
- ホームページや自社のSNSアカウントに友だち追加ボタンを設置する
- 電話窓口の音声ガイダンスで「LINEからの問い合わせも可能です」とアナウンスし、SMSでURLを送信する
顧客がLINEにたどり着きやすくするため、複数の方法を組み合わせるのがおすすめです。
顧客対応にLINEを導入する前に知っておきたい注意点
LINEは顧客対応を効率化できる反面、アカウント停止のリスクや、複数チャネル・複数人体制での管理の問題があります。
本格的な運用を始める前に、次の3つの注意点を把握して対策しておきましょう。
アカウント停止やブロックで顧客との接点が失われるリスクがある
LINE特有の問題として挙げられるのが、アカウントの停止やブロックで顧客接点を失う可能性がある点です。
チャット内でクレジットカード番号やパスワードなどの機密情報を送受信する行為は、情報漏えいなどの危険性が高く、アカウント停止になる恐れがあります。
決済情報の確認や変更が必要な場合は、以下のような方法を取りましょう。
- 安全性が確保された専用フォームのURLを案内して入力してもらう
- カード番号の下4桁などマスキングした情報のみを提示する
また、応答メッセージ機能で適切な回答が設定されておらず、知りたい情報にたどり着けない状態が続くと、顧客がストレスを感じてブロックされる原因になります。想定されるキーワード and 回答を十分に設定しておくことや、定期的に内容を見直すことが重要です。
既存チャネル(メールや電話など)との問い合わせ履歴が分散しやすい
LINEだけですべての問い合わせに対応するのは現実的ではなく、複雑な相談や法的な手続きにはメールや電話を併用するのが一般的です。そのためLINE導入後は、メールや電話など既存チャネルとの間で問い合わせ履歴が分散しやすくなる点に注意が必要です。
対応チャネルごとに管理画面が分かれていると、過去の対応状況を確認するために複数のツールを往復する手間が発生します。同じ顧客がLINEで質問した内容を後日メールで再度問い合わせてきた際に、過去のやり取りを見落として一から事情を聞き直したり、的外れな回答をしてしまったりする恐れがあります。
複数人で対応すると返信漏れや二重対応が発生しやすい
複数人で顧客対応する場合、返信漏れや二重対応が発生しやすくなります。LINE公式アカウントの基本機能だけでは、誰がどのメッセージに対応中なのかが分かりにくく、状況が曖昧になりやすいためです。
複数人での対応中に起こりやすいのが、同じ顧客に二重で返信してしまう事故です。逆に「誰かが対応するだろう」と全員が思い込み、結果的に誰も返信せず放置されてしまうケースもあります。
LINEとメールを一画面で管理。対応状況を見える化する「楽楽自動応対」
ここまでに解説した通り、顧客対応にLINEを導入した後でも、既存チャネル(メールや電話)との履歴管理の問題や複数人対応での課題が残ります。
そんなケースでは、複数の問い合わせ窓口を一画面で管理できるツールの活用が有効です。
楽楽自動応対では、LINE、メール、電話での問い合わせを1画面で管理し、「誰が」「何を」対応しているかの状況をリアルタイムに可視化します。
LINE問い合わせの対応状況を可視化
LINE公式アカウントの基本機能だけでは、複数人で対応する際に「誰がどの問い合わせに対応中で、進捗はどうなっているか」という対応ステータスを管理しきれず、業務がブラックボックス化しやすいという課題があります。楽楽自動応対を活用すれば、問い合わせの対応状況をリアルタイムで可視化できます。
各問い合わせの進捗状況を、ひと目で把握できるだけではありません。LINEからの問い合わせに対しても担当者を自動で割り振れるため、複数人での運用でも対応漏れを防げます。
問い合わせの対応状況が一目でわかる「対応状況管理」機能はこちら
LINEとメールを一画面で管理
楽楽自動応対では、メールとLINEの問い合わせを1つの画面に集約して一元管理できます。
LINEとメールで個別に顧客対応を行っていると履歴が紐付かず、過去の経緯を確認するために各管理画面を何度も往復しなければなりません。楽楽自動応対なら、同一顧客からの問い合わせに対し、チャネルを横断して時系列で過去の履歴を追える状態になります。
状況把握にかかる時間が短縮されることで、オペレーターが顧客への回答に集中できる環境が整います。
メールとLINEを同一画面で管理・返信できる「LINE公式アカウント連携」はこちら
メーラー感覚でそのままLINEの返信が可能
LINEと楽楽自動応対を連携することで、LINE公式アカウントに届いたメッセージを確認し、直接返信できるようになります。
複数のツールを使い分ける現場では、チャネルごとに画面や操作を切り替える必要があり、オペレーターにも負担がかかります。
しかし楽楽自動応対を活用すれば、普段のメールでの問い合わせ対応と同じ感覚で対応が進められ、ツールを往復したり画面を切り替えたりする手間がかかりません。業務フローを大きく変えずに、LINEを対応チャネルに組み込めます。
まとめ:LINEを活用した顧客対応で業務効率と顧客満足度を両立させよう
LINEは国内月間利用者数1億人を突破しており、企業の顧客対応において欠かせないチャネルになっています。リッチメニューや自動応答で顧客の疑問を解決し、複雑な相談は有人で丁寧に対応することで、業務効率化と顧客満足度の向上を両立できます。
しかし既存チャネルとの併用は管理が難しく、返信漏れなどの人的ミスは業務効率を下げクレームを招くため注意が必要です。
本記事で紹介した楽楽自動応対を活用することで、複数チャネルの問い合わせを一元管理できるだけでなく、対応状況を見える化しそのままLINEの返信を行うことも可能です。17年連続売上シェアNo.1※の問い合わせ自動応対システム楽楽自動応対の機能詳細については、無料ダウンロードできる資料でぜひご確認ください。
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