メールを送った相手が誤解してしまった…なんてことありませんか?
電話と違いメールは文字だけのやりとりなので、冷たく感じやすく注意が必要です。また、一度送ると記録に残るため一つ言い方を間違えれば大きなトラブルを招く危険性がいつもそばにあります。今回は単なる問い合わせから思わぬトラブルに発展することを防ぐ方法や、お客様の怒りを増大させず最小限にとどめるメール作成の基本スキルをお伝えします。
クレーム防止術その1:「受容」相手の意向を受け止める
相手のキーワードを受け止める
よくある問い合わせの回答をする際など、メール作成時間の短縮に役立つテンプレートですが、使い方には気をつけたいところです。
「返信用テンプレートを使っていれば間違いない」という思いから、テンプレートのまま相手への感謝および労い文や謝罪文を送ると、不満を生み出してしまうことがあります。書き出しなどは、テンプレートに従って統一させることが必要ですが、まずは、相手の訴えていることや伝えたいことを確認すること(繰り返すこと)が大切です。
この「受容」があるのとないのとでは、相手側の「受け止められた感」が違うのです。
受容の方法として「キーワードとなるフレーズを探すこと」が、相手がメールで訴えたい意向(気持ち)をくみ取ることに繋がります。
エピソードではなくキーワードを探す
メールを読むときに、どうしても何が起きたのかという「エピソード」に意識が向きがちになってしまいます。
例えば「こういう状態にある」とか「このようなことがあった」などの現状説明や「いつどこで何をしたことについて」などの時系列に引っ張られることが多く、状況確認がメインになってしまうのです。状況把握も必要ではありますが、そのことで「どう思ったのか」それについて「何を言いたいのか」という気持ちの方を受け止めることが大切です。
つまり、詳しい内容が書いてあるメールほど気を付けましょう。
人は伝えたい気持ちが強いほど状況を詳しく説明したくなるものです。するとエピソードをたくさん挙げてきます。しかし、意向(伝えたい思い)は一つに集約されることが多いので、相手の訴えたい思いの「キーワード」を見つけましょう。
相手の表現を言い換えず、個別対応していると認識してもらう
相手の思いの「キーワード」を見つけたら、それをそのままフレーズを変えずに文面に使用するようにしてください。
「楽しみにしていたので残念」といった気持ちの表現を伴うものは「ご期待に応えられず」ではなく「楽しみにしていただいた気持ちに応えられず」といった具合に相手の表現を取り込むことが大切です。
なぜなら「期待」と言い換えることで、表現が一般化されてしまうからです。相手はあくまで「私」個人に対応を求めているので、一般化されることを嫌います。その人だけに特化したとわかる対応は受け止めてもらえた感を高めます。
そのためには、言い換えをしないことが重要です。
言い換えることで思わぬトラブルを招くケースも
言い換えることで微妙にニュアンスが変わってしまうこともあるので注意が必要です。
例えば、「心配した」の表現に「大変な思いをさせてしまい」と答えて問題になったケースがあります。「【大変】なんて言ってない、【心配】したんです!」と、そんなこと言っていないという抵抗を生むきっかけになってしまうこともあります。
違うフレーズにすると「理解されなかった」と認識されてしまうことがあります。特に、気持ちを表現した部分には気を付けたいところです。相手と同じフレーズを使うことは、単純で芸がないように思えるかもしれませんが「理解してもらえた」「受容された」という安心感に繋げる有効な方法です。
対面でのコミュニケーションでは表情やしぐさ、そして話し方や音調から多くの情報を得ることができますが、メールは文字のみの限定的なやり取りです。当たり前ですが、細かいニュアンスが伝わらないどころか、無意識に読み飛ばす、読み間違う、自分本位に解釈するということがどうしても起こります。思い込みを自分自身で気づけることは少ないので、勘違いや伝え方の不備がないよう、先方から届いたメールとこちらが作成したメールを送信前に違う人がチェックするとトラブルは減少します。
クレーム防止術その2:「具体的な記載」受け取り手によって意味の変わらない文章を心がける
こちらが意図した思いがそのまま、読み手に伝わるわけではないことを認識しましょう。例えば、誠意を見せたいあまりに「できる限り迅速に回答いたします」という文言を送ったために、相手を怒らせてしまうことがあります。言葉を受け止める感覚は人それぞれ違うわけですから「できる限り迅速」を「すぐに」と受け止めてしまった結果です。
「追って連絡します」なども、よく使う文言だと思いますが「追って」がいつなのか人によって感覚は大きくズレます。いつまでに連絡が来るのかわからないのは、相手にとってのストレスの元になりかねません。
いつごろまでにという具体的な日時の記載があると相手にも明確に伝わります。
また、何度かやり取りをしているからと「例の件ですが」と書き始めるのもよく見られるケースです。「先日の件」なども然りですが、自分だけがわかっていて相手に伝わりづらい表現を避けましょう。
具体的な記載を心がけることが大切です。相手の解釈で補ってもらおうとする表現は、基本NGです。
だからといって長々となるのも危険です。丁寧さを追求すると文面が長くなりがちなので、簡潔な文章化を心がけてください。画面が黒いメール(文字量が多すぎて行替えも少ない)を送らないことを念頭に、視覚にも心地よいスペースがあるとよいです。
小さな誤解を生むと、それをリカバリーするために、より多くの時間を要することに繋がります。
相手の意向をくみ取り、明確で具体的、簡潔なメールがトラブルの芽を摘んでくれます。
この機会に、チーム全体でチェックしてみてはどうでしょうか?
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