「カスタマーサクセス」という言葉は知っていても実際の業務ではイメージができないという人は多いでしょう。この言葉は文字通り「顧客の成功」を表します。
顧客を成功させるには何をすべきか、その成功が実現した場合どのようなことが期待できるのかを知れば「顧客の成功」をサポートする必要性が見えてくるでしょう。
今回は、カスタマーサクセスの実現によって顧客対応がどのように変化するのか、またはカスタマーサクセスを実現するためのポイントなどを見ていきましょう。
「カスタマーサクセス」誕生の背景
カスタマーサクセスが誕生した背景には、サブスクリプション型と呼ばれるビジネスモデルの増加があります。
このビジネスモデルは、サービスの利用開始時のみに料金を支払ってもらう「買い切り」ではなく、サービスの「利用期間」に対して料金を支払ってもらうシステムが特徴的です。
現在、最も代表的なサブスクリプション型のビジネスモデルは、携帯電話の利用、音楽や映像の配信などです。これらは、一人当たりの利用料が安価でありながらも、サービスの利用が継続されることによって長期的な利益を見込めます。
しかし、顧客が継続的に利用したいと思うためには、質問や苦情などの顧客からのアクションに答えているだけでは足りないかもしれません。
「サービス向上のためには何が必要か」「どうすればもっと使いやすいサービスを提供できるのか」といった、サービスの提供側から顧客に働きかけることが求められます。
近年、このようなサブスクリプション型のビジネスモデルが増加し、顧客にモノを所有させるのみではなく、サービスを利用させるという概念が重視されています。この概念は、モノを販売する企業にとっても無関係ではありません。たとえば、モノを販売するためのネットショップなどでは、カスタマーサクセスの概念がより重要度を増しています。
カスタマーサクセスの実現によって期待できること
提供するサービスや顧客層などによって、実現すべきカスタマーサクセスは異なりますが、実現に向けた取り組みは、あらゆるサービスに共通しています。この取り組みの具体例として次の2つが挙げられます。
サービスの利用状況を踏まえた対応・提案
顧客がどのようにサービスを利用してきたのか、その利用履歴を把握して顧客ごとに提供するサービスを最適化する取り組みです。例えば、常連の顧客や半年に1回ほど利用する顧客、以前トラブルがあった顧客など、顧客ごとに対応方法や提案する商品などが適切であればあるほど、顧客満足度は向上するでしょう。
顧客にとって重要な情報を事前にお知らせ
たとえば、顧客が保有しているポイントの有効期限がもうすぐ切れるとします。有効期限があることは事前に知らされているとはいえ、リアルタイムに状況を把握できていたり毎回確認したりする顧客は少ないものです。このようなときに、有効期限を事前にお知らせすることができれば、クレームを未然に防ぐことができます。
これらの取り組みは決して容易ではないかもしれませんが、顧客満足度の向上やトラブルの防止、さらには売り上げの増加など、期待できることは多岐にわたります。
「先回り」こそがカスタマーサクセスの重要なポイント
カスタマーサクセスの例として、「音楽配信サービスから、おすすめの音楽の通知が届く」「月額制のファッションレンタルサービスから、週に一度おすすめの服の通知が届く」などが挙げられます。
これらは顧客からすれば、選ぶ手間、悩む時間などが軽減されるほか、自分が選んだことによる失敗を防ぎます。さらにおすすめされたアイテムなどにより、顧客がこれまでに知らなかった新たな価値や世界に出会えるかもしれません。また、おすすめされたアイテムなどが仮に好みではなかったとしても、料金が定額制であればマイナス感情は抱かないでしょう。つまり、顧客にサービスの情報を通知することによって顧客は成功体験を実現します。そうなれば、顧客はよりサービスに対して価値を見出すでしょう。
さらにここで重要となるのは、先回りしておすすめを提案することです。例えば、料金が定額制であっても積極的には利用しないという人は多いものです。このような人が顧客だった場合、何もしなければやがて解約につながるでしょう。しかし、先回りして問題解決の提案やフォローができれば、顧客は成功体験ができ、安易に解約したいとは考えないでしょう。また、サービスのアップセルやクロスセルも期待することができます。
「メール管理」が先回りを切り開く
先回りの重要性についてお分かりいただけたでしょうか。メール共有・管理システム「メールディーラー」では「先回り」の助けとなる様々な機能を取り揃えています。ここではその一例をご紹介します。
ステータス機能
メールディーラーでは、新着・返信処理中・対応継続中・対応完了といった顧客の対応状況をスタッフ全員で共有することが可能です。全てリアルタイムに更新されるため、スタッフ同士の声掛けによる状況把握は必要とせず、対応が重複するなどのトラブルも防ぐことができます。これまでに費やしていた時間を有効に使うことができるため、スタッフの満足度も高まるでしょう。
また、ステータスは、最初から設定されている16種類以外にも、オリジナルの登録も可能です。このステータスを活用して途切れることのない、組織型のメール対応が実現すれば顧客のチャンスを生み出し続けることができるでしょう。
社内Q&A
ビジネスにおいて、知識やノウハウの蓄積は重要です。しかし、一般的には個々のスタッフに留まっていることが多いでしょう。メールディーラーでは、社内Q&Aに、よくある問い合わせと解答例を登録することができます。個々の知識レベルを組織にて共有することで、全体のレベルアップを図ることができます。さらにナレッジの共有により、スタッフ全員があらゆる顧客のニーズや問題が発生する傾向を掴むことができます。それによってサービスの改善すべき点や新たに提供すべきサービスなどを「見える化」することができます。
過去履歴の紐付け
過去のメールをすぐに呼び出すことができれば、顧客ごとに適切な対応が可能になるでしょう。そのような顧客対応をメールディーラーによって実現した事例をご紹介します。
家を探している人の要望に沿ってあらゆる不動産物件を紹介している株式会社エヌリンクス様は、メールディーラー導入により、過去の対応履歴を検索する時間が減りました。また、トラブルが発生したけど以前対応したスタッフが休みで不在という状況になっても安心なように、スタッフ間でメールを共有しています。これで何が起きても迅速で的確な代理対応ができます。さらに、数年前の履歴もすぐに確認できるので「以前はこうでしたが、今回はどうしますか?」という特別対応が誰でもでき、顧客の信頼を高めています。これは同時に顧客の要望を先回りしたカスタマーサクセスといえるでしょう。
カスタマーサクセスを実現させる近道
実際の顧客サポート業務にて、カスタマーサクセスを実現させようと考えた場合、体制作りや仕組み作りが必要となるでしょう。また、実現させるためには中長期の取り組みが必要となります。しかし、今回ご紹介したようにカスタマーサクセスのポイントとなるのは「先回り」です。
メールディーラーによって「先回り」をカバーすれば、カスタマーサクセスの実現を早めることができるでしょう。
従来の顧客対応から、一歩抜きんでるためのカスタマーサクセス。その実現に向けた近道をメールディーラー が提供いたします。
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