問い合わせ対応チャネルが多様化する中、応対品質の維持や業務効率化に課題を抱える企業は多くあります。こうした課題の解決策となるのが、世界的な導入実績を持つクラウド型問い合わせ管理システム「Zendesk(ゼンデスク)」です。しかしZendeskは豊富な機能を持つ一方、多機能ゆえに自社の運用に合うか判断が難しいツールです。
本記事では、Zendeskの主な機能や料金、導入前に知っておくべきメリット・デメリットを分かりやすく解説します。最後まで読むことで、Zendeskが自社の運用体制や業務課題に適しているかを判断できるようになります。
Zendesk(ゼンデスク)とは
出所:Zendesk公式Webサイト
Zendeskとは、問い合わせ対応の効率化を目的として、メールやチャット、電話、SNSなど、様々な窓口を統合して管理する問い合わせ管理システムです。米国サンフランシスコに本社を置くZendesk社が提供しており、世界で10万社以上の導入実績があります。
Zendeskは利用目的に合わせて「カスタマーサービス」と「従業員サービス」の2つがあります。どちらもチケット管理やFAQ構築といった基本機能は同じですが、細かい設定やテンプレートが異なるため、目的に合う方を選択しましょう。
Zendeskの3つの特徴
Zendeskの特徴は多様な問い合わせチャネル(窓口)を統合し、企業の成長や顧客ニーズの変化に合わせて、柔軟に対応できる点です。
まずはZendeskの全体像を理解するため、特徴を3つに分けて解説します。
顧客の連絡手段に左右されないオムニチャネル対応
一つ目の特徴は、顧客がどの連絡手段(メールやチャット、電話など)を選んでも、企業側はすべての問い合わせを一つのシステムでまとめて管理できる、オムニチャネル対応です。
問い合わせチャネルごとにツールを切り替える手間がなくなり、オペレーターの作業負担の軽減や対応スピードの向上につながります。あらゆる連絡手段を網羅することで、顧客満足度の向上にも役立つという付加価値があります。
1,000以上のアプリと連携できる高い拡張性
Zendeskには連携できるアプリが1,000以上あり、運用目的に合わせて機能を拡張できます。
例えば、以下のようなビジネスツールとの連携が可能です。
- Slack(ビジネスチャットツール)
- Salesforce(顧客管理システム)
- Shopify(ECサイト構築プラットフォーム)
またAPI(ソフトウェア同士を接続する仕組み)が公開されており、社内の独自システムやデータベースと接続するような高度な開発も行えます。
更新管理が不要なクラウドネイティブ型
クラウドネイティブ型のZendeskは、自社サーバーの構築やソフトウェアのインストールの必要がありません。
クラウドネイティブとは、クラウド上での利用を前提に設計されたサービスです。システムの保守管理やセキュリティ対策をシステム提供元が行うため、企業側は更新管理が不要になるというメリットがあります。
インターネット環境さえあれば場所を選ばずにアクセスでき、在宅勤務や複数拠点での運用に対応している点からも、Zendeskの汎用性の高さが分かります。
Zendeskの主な機能5選
Zendeskには、問い合わせ対応を効率化する機能が多数搭載されています。
最初からすべての機能を使う必要はありません。自社の業務フローに合わせて、必要な機能を段階的に組み合わせるのがおすすめです。
問い合わせ対応の効率化にZendeskがどう役立つのか、主要な5つの機能を解説します。
問い合わせを一元管理するチケットシステム
Zendeskでは、受信した問い合わせをすべて「チケット」という単位に置き換えて、一元管理します。
手動で登録する必要はなく、自動発行されたチケットに担当者やステータス(未対応・完了など)、顧客とのやり取りが集約される仕組みです。問い合わせ方法がメールでもチャットでも管理画面は一つになり、問い合わせ全体の状況把握や、誰がどの案件に対応しているかの確認がしやすくなります。
ヘルプセンター・FAQの構築
ヘルプセンター機能の活用で、ITの専門知識がなくても簡単にFAQサイトが作成できます。
FAQは顧客の自己解決を促すことで問い合わせ件数を減らす効果があり、問い合わせ対応の現場には欠かせないものです。しかしFAQサイトをゼロから作成するにはHTMLなどのITスキルが必要で、完成までに時間がかかります。この機能を使うと、フォーマットに沿って入力するだけでFAQサイトが完成します。
Webチャット・メッセージング機能
Webチャット・メッセージング機能を活用すれば、Webサイトやモバイルアプリにチャットを設置し、電話対応に近いリアルタイムなやり取りが可能になります。LINEやFacebook Messengerなどのソーシャルメッセージングアプリと連携し、顧客が日常利用するチャネルでサポートできるのもポイントです。
また、料金プランによってはプロアクティブチャット機能があります。これは特定のページを閲覧している顧客に企業側から自動で声をかける仕組みです。見込み顧客へのアプローチを積極的に行うことで、機会損失の防止にもつながります。
AI・自動化ボット機能
Zendeskには、よくある問い合わせの自動回答を行うAIボットが搭載されています。
問い合わせ業務の効率化を目的に導入する企業が増えており、近年多くのWebサイトでAIボットを見かけるようになりました。ZendeskのAIボットもこうしたニーズに応える機能であり、導入企業の多くはAIによる自動化機能を導入の決め手に挙げています。
AIボット以外にも、以下のようなAI機能が備わっています。
- 顧客とのやり取りを自動要約
- 返信文のトーンを自動調整
- 問い合わせの意図を分析し、適切な担当者へ振り分け
- 優先順位を自動で判断し、ラベルを付与
詳細なレポート・分析機能
Zendeskのレポート・分析機能は問い合わせ件数や平均応答時間、顧客満足度などを可視化し、客観的なデータにもとづいた業務改善に役立ちます。
あらかじめ用意されたテンプレートだけでなく、自社の指標に合わせたレポートの作成も可能です。これにより担当者ごとのパフォーマンスや、よく見られているFAQを分析し、改善指標としても活用できます。
Zendeskの料金プラン・価格
Zendeskには「カスタマーサービス向け」と「従業員サービス向け」があり、料金プランもそれぞれ設定されています。
ここでは、料金以外にも主な機能やおすすめの企業タイプについて解説します。料金は利用者1名あたりの月額単価で、年払いを選択した場合の価格(2025年12月時点)です。なお、14日間の無料トライアルが用意されています。
カスタマーサービス向けプラン
カスタマーサービス向けプランには、メール対応に限定した安価なプラン(Support Team)がありますが、本記事で解説したオムニチャネル対応やヘルプセンター、AI機能は搭載されていません。これらの機能を利用したい場合は、Suite Team以上のプラン契約が必要です。
| プラン | 月額料金 | 主な機能・特徴 | おすすめの企業タイプ |
|---|---|---|---|
| Support Team | $19/1ユーザーあたり | メール対応に限定した基本的な問い合わせ管理機能 オムニチャネル、AI機能は非搭載 | メールのみでサポートを完結させたい小規模チーム |
| Suite Team | $55/1ユーザーあたり | Support Teamの全機能 オムニチャネル対応 AIによる自動返信や文章作成補助 | オムニチャネル対応を低コストで始めたい企業 |
| Suite Professional | $115/1ユーザーあたり | Suite Teamの全機能 SLA管理(対応時間目標の設定と管理をする機能) リアルタイムレポート プロアクティブチャット、ヘルプセンターのカスタマイズ機能 | 業務フローに合わせて細かな設定やカスタマイズを行いたい企業 |
| Suite Enterprise | $169/1ユーザーあたり | Suite Professionalの全機能 監査ログ、高度な権限設定 サンドボックス機能(本番環境に影響を与えないテスト環境の構築) | 大規模な組織、情報管理やアクセス制御が厳しい企業 |
従業員サービス向けプラン
従業員サービス向けプランは、社内ヘルプデスク業務に特化したプランで、従業員向けのヘルプサイト機能などが強化されています。
| プラン | 月額料金 | 主な機能・特徴 | おすすめの企業タイプ |
|---|---|---|---|
| Suite Team | $29/1ユーザーあたり | AIによる自動返信や文章作成補助 ヘルプセンターの構築 | 社内問い合わせ対応の効率化を最小限のコストで始めたい企業 |
| Suite Growth | $59/1ユーザーあたり | Suite Teamの全機能 ヘルプセンターのカスタマイズ(申請メニュー・専用フォームの設置) SLA管理(対応時間目標の設定と管理をする機能) | 従業員の自己解決を促し、サポートの品質と効率化を両立させたい企業 |
| Suite Professional | $115/1ユーザーあたり | Suite Growthの全機能 カスタマイズ可能なレポート機能 レイアウトビルダー(サポート画面を業務に合わせて変更する機能) | データ分析にもとづいて社内サポート業務を継続的に改善したい企業 |
| Suite Enterprise | 要見積もり | Suite Professionalの全機能 監査ログ、高度な権限設定 サンドボックス機能(本番環境に影響を与えないテスト環境の構築) | 大規模な組織、情報管理やアクセス制御が厳しい企業 |
Zendeskを導入するメリット
Zendeskの導入は問い合わせ対応を効率化するだけでなく、応対品質の標準化やリスク管理の強化など、サポート体制の基盤づくりに直結します。属人化していた対応スキルをチームで共有しやすくなり、課題を可視化できる点が大きなメリットです。
ここでは、Zendeskの導入によって得られるメリットを3つ紹介します。
応対履歴やノウハウを共有し応対品質を均一化
一つ目のメリットは、応対履歴やノウハウがチーム全体に共有され、応対品質の均一化につながることです。これはすべての問い合わせが一元管理されるほか、メモ機能を活用してチーム内でアドバイスを残せる仕組みにより実現します。
例えば、以下のような場面で役立ちます。
- 類似案件の履歴やベテランのノウハウを参照することで、新人の対応範囲が広がる
- 担当者の不在でも代理対応が可能になり「この対応はあの人しかできない」といった属人化を防止する
データ分析により問い合わせ業務の課題を可視化
データ分析は課題を可視化し、高品質な運営を維持する上で重要な作業です。Zendeskでは問い合わせの傾向や対応にかかる時間など、課題把握に必要なデータを分析するためのレポート機能が充実しています。
例えば「どの曜日に問い合わせが多いか」や「どのカテゴリで解決に時間がかかっているか」といった指標が明確になれば、人員配置の最適化や教育の強化につながります。
厳格なセキュリティ基準にもとづいた顧客データ管理
問い合わせ対応では多くの個人情報を扱いますが、ZendeskはISOなどの国際的な基準に準拠しているため、安心してデータを管理できる環境が整っています。AI機能についてもプライバシーとセキュリティが重視されており、顧客データが生成AIの学習に使用されることはありません。
データの暗号化やIPアドレス制限などの高度な認証機能により、顧客情報への不正アクセスを未然に防止します。また監査ログ機能があり、情報漏えいなどの事故が発生した場合にも、影響範囲の特定や経路の追跡、報告を迅速に行えます。
導入前に知っておべきZendeskのデメリット
Zendeskは多機能で柔軟性が高い反面、使いにくさや設定の複雑さを感じる傾向があります。「使いこなせない」「現場が混乱した」といった失敗を避けるためにも、あらかじめ注意点を理解しておきましょう。
ここでは、特に日本のユーザーが感じやすいデメリットを解説します。
英語対応が必要になり、サポートに時間がかかることがある
Zendeskは海外企業のため、サービス利用中やトラブル発生時には英語対応が必須です。
基本的な説明ページは日本語ですが、高度な設定やトラブル解決に必要な最新情報や技術資料が英語のみで公開される場合があります。またZendeskのサポートに問い合わせをする際は、時差の影響で返信が翌日以降になるなど解決までに時間がかかる点もデメリットと言えます。
設定項目が複雑で運用定着が難しい
機能が豊富にある一方で、管理画面のメニューや設定項目が多く直感的な操作が難しいという側面があります。
自社の業務フローに合わせた設定を行うには、論理的な設計能力とツールの仕様を理解できる担当者が必要です。十分な知識を持つ担当者がいない場合、設定変更のたびに時間がかかったり、運用とシステム設定が乖離したりするリスクがあります。
Zendeskの導入がおすすめな企業・不向きな企業
Zendeskは多機能で汎用性の高いツールですが、その特性上すべての企業に適するとは限りません。企業の規模や組織体制、求める運用レベルによって適性が分かれます。
Zendeskの導入がおすすめな企業
Zendeskの導入は、その強みである「多言語対応」や「高度な拡張性」を活かせる企業におすすめです。
多言語対応が必要なグローバル企業
Zendeskは多言語対応が不可欠な、グローバル企業に適しています。多言語対応機能の活用だけでなく、世界中の拠点で同じプラットフォームを共有できるためです。
専任のエンジニアが社内にいる企業
情報システム部門や専任のエンジニアが社内にいる企業は、Zendeskの持つ高度な拡張機能やAPI連携機能を最大限に活かせるため、導入をおすすめします。
Zendeskが不向きな企業:現場だけで設定・運用を完結させたい企業
Zendeskは現場の管理者のみで業務改善を進め、すぐに設定変更したい企業には向いていません。細かい設定は複雑で変更内容によっては業務全体に影響が出るリスクがあり、現場判断だけで頻繁に変更する運用には適していないためです。
Zendeskの課題を解消し、問い合わせ対応を効率化する「楽楽自動応対(旧メールディーラー)」
Zendeskは世界的に多くの導入実績を持つ優れたツールですが、多くの日本企業では「機能が多すぎて使いこなせない」「AIを活用するための準備が大変」といった課題に直面します。そこでおすすめなのが、問い合わせ自動応対システム「楽楽自動応対(旧メールディーラー)」です。
ここでは「楽楽自動応対」がZendeskの課題をどのように解決するのか、3つの特徴を紹介します。
応対履歴を活用し「企業独自の回答」を自動生成
「楽楽自動応対(旧メールディーラー)」には、応対履歴から問い合わせの返信文を自動生成するAI機能が標準搭載されています。Zendeskと異なるのは、このAI機能を手間のかかる準備をせず使える点です。
ZendeskはFAQの整備や複雑なシナリオ作成など、AIが正確な回答をするための準備に一定の工数がかかり、企業ごとの細かなルールまで反映できないことがあります。
一方「楽楽自動応対」は、蓄積された応対履歴をAIの学習素材として活用するため、データを新たに用意する必要がありません。日々行われる業務の中でAIが言い回しや判断基準を学習し、受信メールに応じた回答の下書きを作成します。
FAQやAIのシナリオ作成の手間を削減するだけでなく、企業独自の返信も再現できます。これはZendeskにはない、大きなメリットです。
「楽楽自動応対」のメール自動生成の画面イメージ
誰でも直感的に操作できる画面設計
「楽楽自動応対(旧メールディーラー)」は、使いやすさを重視した画面設計になっています。
Zendeskとは異なり一般的なメールソフトに近い画面構成を採用しているため、日本企業に馴染み深く直感的に操作可能です。ITツールに不慣れな担当者でも操作を覚える学習コストが低く、スムーズに業務を始められます。
結果として「高機能なツールを入れたが、現場が混乱して定着しなかった」というリスクを抑えられます。
導入から運用定着まで専任スタッフが無料でサポート体制
「楽楽自動応対(旧メールディーラー)」には、専任のスタッフが無料でサポートする体制が整っています。
導入前の設計相談から運用定着まで、専任のスタッフが無料でサポートします。「使い方が分からない」「設定がうまくいかない」といった場合でも電話やメールですぐに相談できるため、安心して運用を進められるのがポイントです。
サポート体制は実際に利用している企業から高く評価されており、サポート満足度・機能満足度95%という実績があります。
まとめ|Zendeskが自社に合うかは、運用体制と求める機能レベルで判断する
Zendeskはオムニチャネル対応や高度なカスタマイズが求められる環境において、高い価値を発揮します。一方で設定の難しさや英語対応が求められる点から、日本企業では使いにくい傾向があります。
問い合わせ対応の業務効率化を目指すには、自社の運用体制や求める機能など複数の観点でツールを選定することが重要です。
本記事で解説した通り、導入の手間をかけず学習コストを抑えたい企業は、直感的な操作性と充実したサポートを備えた「楽楽自動応対(旧メールディーラー)」が適しています。AIを活用した返信文作成や操作しやすい画面設計で、Zendeskとは異なるアプローチで問い合わせ対応の業務効率化をサポートします。
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