近年、インターネット環境があればどこでも利用できるクラウド型のメールシステム(クラウドメール)が普及しています。
様々な企業から提供されているため、自社に最適なクラウドメールを選択できていない企業も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、クラウド型とオンプレミス型の違いから、15社のクラウドメールの比較、選び方のポイントまでをタイプ別に解説します。
クラウド型とオンプレミス型の違い
まず、メールシステムにはクラウド上のサーバーでシステムを利用するクラウド型と、端末にソフトウェアをインストールして利用するオンプレミス型の2種類があります。
クラウド型
クラウド型とは、メールサーバーをクラウド環境において、Web上で送受信を行うメールシステムのことです。複雑な設定や導入環境の構築が必要なく、手軽に利用開始できます。また、機能の更新やメンテナンスは提供会社が行うため、管理に手間がかかりません。
また、パソコンやスマートフォン、タブレットから利用できるマルチデバイス対応のため、インターネット環境があれば移動中や外出中でもメールチェックができます。
Webメールとの違い
クラウドメールとWebメールの2つは、機能的には同じものです。Webメールとは、インターネット上でメールの閲覧や送受信が可能なサービスのことで、クラウド型と違いはありません。クラウドメールは、クラウド環境を利用することからそう呼ばれるようになったとされています。
オンプレミス型
オンプレミス型は、端末にソフトウェアをインストールして利用するメールシステムを指します。
自社で管理・運用をするため、自由にカスタマイズし自社の業務プロセスに合ったシステムを構築することができます。
しかし、環境構築やサーバーの設置を自社でしなければいけないので、初期費用が高額になる傾向があります。また、機能の更新やメンテナンスもすべて自社で行わなければいけないため、システム管理者の負担が大きくなります。
社内のサーバーにアクセスできる端末からしか利用できないため、外出先で操作をすることはできません。
法人向けクラウドメール(有料)と無料版サービスの違い
クラウドメールには、法人向けの有料サービスと、GmailやOutlookといった個人での利用を想定した無料のサービスとがあります。
結論、企業での利用の際には、個人事業主の初期段階を除き、法人向けのクラウドメールを使用することをおすすめします。
無料のサービスでは、セキュリティ観点上、情報漏洩のリスクが高くなります。また、@gmail.comなどのフリードメインでのメールで顧客や取引先とやり取りを行っていると、「実体のない会社」「セキュリティ意識が低い」と見なされ、信用の問題に直結します。
ここでは、法人向けクラウドメールと無料サービスの違いを、様々な観点から比較してみます。
| 項目 | 法人向けサービス(有料) | 無料サービス |
|---|---|---|
| 独自ドメイン |
〇 |
✕ |
| セキュリティ |
◎ |
△ |
| ユーザー管理 |
◎ |
✕ |
| ストレージ容量 |
〇 |
△ |
| 外部連携 |
◎ |
△ |
| サポート体制 |
〇 |
✕ |
| サービス保証 |
〇 |
✕ |
独自ドメインの利用
法人ビジネスにおいて、独自ドメインのメールアドレスは企業の信頼性の根幹です。無料版のドメインを利用した場合、商談や重要な取引の際に相手からの信用を得にくいリスクがあります。一方で、法人向けのクラウドメールサービスであれば、独自ドメイン機能を簡単に利用することができるようになります。
アカウント管理や運用機能
法人向けクラウドメールの最大の特徴は、管理者による一元管理機能です。管理者アカウントから、従業員のアカウントを一括で作成・削除したり、利用権限を詳細に設定したりできます。特に社員の入社・退社時のアカウント管理(情報引き継ぎやID削除)が容易になり、セキュリティと運用効率が大きく向上します。
ストレージ容量と拡張性
無料版の限られた容量では、数年分のメールデータを保存しきれず、データの定期的な削除といった運用負荷が発生します。法人向けサービスは、大容量のストレージを提供し、必要に応じて柔軟に拡張できるため、過去の重要な履歴を確実に保持できます。
外部連携の自由度
多くの法人向けサービスは、カレンダーやCRM/SFAといったビジネスツールとAPI連携が可能です。これにより、メール対応から顧客情報確認、タスク管理までを一元化でき、業務効率が飛躍的に向上します。無料版ではこのような連携機能はほぼ提供されません。
法人向けクラウドメールの3つのタイプ
法人向けのクラウドメールサービスには、大きく分けて「グループウェア連携型」「セキュリティ一体型」「問い合わせ管理・メール共有型」の3つのタイプが存在します。
クラウドメールサービスは多機能化しており、価格や知名度だけで選ぶと「必要な機能が足りない」「機能過多で使いこなせない」といった失敗が起こりがちです。
ここではサービス選びに失敗しないよう、それぞれの特徴や代表的なサービス、どんな企業におすすめかをわかりやすく解説します。
<クラウドメールサービス分類表>
| タイプ名 | 特徴 | こんな企業におすすめ | 代表的なサービス |
|---|---|---|---|
| グループウェア型 | メールに加え、カレンダー、チャット、Web会議、Office編集などが統合された多機能タイプ。現在のビジネス標準。 | ・業務アプリを1つに集約したい ・Excel/スプレッドシートやWord/ドキュメント、Teams/Meetを使う ・スタートアップ~大企業まで全般 |
・Microsoft 365 (Exchange Online) ・Google Workspace(Gmail) |
| セキュリティ一体型 | メールサーバー自体に、ウイルス対策、誤送信防止、アーカイブなどの高度なセキュリティ機能が搭載されているタイプ | ・官公庁、自治体、金融機関 ・Pマーク/ISMS取得企業 ・後からオプション追加するのが面倒 |
・CYBERMAILΣ ・Zoho Mail ・Office 365 with IIJ |
| 問い合わせ管理・メール共有型 | support@ などの代表アドレスを複数人で対応・管理するための専用ツール。通常のメールとは用途が異なる。 | ・カスタマーサポート部門 ・ECサイト運営 ・「対応漏れ」「二重対応」を防ぎたい |
・楽楽自動応対(旧:メールディーラー) ・Re:lation (リレーション) ・Freshdesk |
グループウェア連携型
メールに加え、カレンダー、チャット、Web会議、ドキュメント編集などが1つのIDで統合された多機能タイプです。現在のビジネス現場において主流の型となっています。
最大のメリットは、ツール間のシームレスな連携により圧倒的な業務効率化が図れることです。メールから予定を登録したり、チャットからすぐに会議を始めたりできます。
Microsoft 365やGoogle Workspaceが代表的なサービスで、組織全体の生産性を底上げしたい企業に最適です。
セキュリティ一体型
メールサーバー自体に、日本企業の厳しい基準に合わせた高度なセキュリティ機能が搭載されているタイプです。
ウイルス対策に加え、誤送信防止(添付ファイル暗号化や上長承認など)やアーカイブ機能などの標準機能として使用することができます。
複雑な設定やオプション費用の追加なしに、導入直後から高セキュリティなメール環境を実現できることがメリットです。情報漏洩リスクを抑えたいが、運用管理の手間はかけたくない企業に適しています。
問い合わせ管理・メール共有型
「support@」などの代表アドレス宛のメールを、チームや複数人で共有・管理するための専用システムです。
通常のメーラーとは異なり、対応状況(未対応・対応中・完了)を簡単に管理できるのが特徴です。「誰がどのメールをどこまで対応したか」が可視化でき、対応漏れを防止できます。
「対応中」メールへのロック機能で二重返信も防げるため、カスタマーサポート部門など、顧客対応の品質が求められる現場で活躍するサービスです。
法人向けクラウドメールの選び方
「全社員の個人メール基盤」と、「 特定部署(サポート等)の共有メール」という2つの軸で検討するのがおすすめです。
問い合わせ管理・メール共有型のサービスは、「全社メール」とは別で契約することが一般的となるためです。
つまりは、「グループウェア連携型」「セキュリティ一体型」の中から全社基盤を決めた上で、部署単位での必要に応じて「問い合わせ管理・メール共有型」を検討するという流れがスムーズです。
【全社基盤】クラウドメールサービスの選び方
全社員が利用するメール基盤を選定する場合、現在の業務スタイルや解決したい課題に合わせて、以下の3つのパターンから検討することをおすすめします。
パターン1:メール・チャット、会議、カレンダーを1つのツールに統一して利便性を上げたい
→「グループウェア型」がおすすめ
パターン2:グループウェア型を使いたいが、セキュリティが不安
→ 「グループウェア型」 + 「メールセキュリティサービス」の組み合わせがおすすめ
パターン3:グループウェアは不要だが、セキュリティの高さは重視したい
→「セキュリティ一体型」がおすすめ
メールだけでなく、チャット、Web会議、カレンダーも1つのツールで統一したい」という場合は、Microsoft 365 や Google Workspace などのグループウェア型を選択するのがおすすめです。グループウェア型が多くの企業が採用しており、現在のビジネス現場では主流の型となっています(パターン1)。
グループウェア型の利便性は捨てがたいがセキュリティ機能が心配という場合は、メールセキュリティサービス(例:HENNGE One)を組み合わせてセキュリティ強度を高める方法もあります(パターン2)。利便性を維持したまま、脱PPAP対策や情報漏洩対策を強化できます。
グループウェアは不要だが強固なセキュリティは必須となる場合は、セキュリティ一体型のサービスを選びましょう(パターン3)。
【部署単位】クラウドメールサービスの選び方
「support@」等の代表アドレスを複数人で運用・管理したい場合には「問い合わせ管理・メール共有型」のクラウドメールを導入します。
「メール共有システム」や「問い合わせ管理システム」といった製品が該当します。
例えば、毎日多くの問い合わせ対応・顧客対応を行う必要があるカスタマーサポート部門、ECサイト部門、営業部門、社内問い合わせの対応が必要な総務・人事などバックオフィスの受付窓口などが該当します。
サービスの選定時には、複数人でメールの共有を行う際に最も大きな課題となる、「対応漏れ」や「重複対応」を防止する機能が備わっているかどうかを重視して選ぶと良いでしょう。
具体的には、「ステータス管理」や「担当者振り分け」などの機能で、メールの対応状況や誰が対応しているかを可視化できるサービス[例:楽楽自動応対(旧メールディーラー]がおすすめです。
【グループウェア型】クラウドメールおすすめ2選
このタイプは、メールソフト単体ではなく、カレンダーやファイル共有、Web会議など、ビジネスに必要な機能がセットになったグループウェアとして提供されています。
ここでは、代表的なサービスを2つご紹介します。
Microsoft 365 (Exchange Online)
Microsoft 365は、Word、Excel、Teamsなどがセットになったマイクロソフトのクラウドソリューションです。その中でExchange Onlineは、高度なセキュリティ機能を備えた法人向けのクラウドメールサービスとなっています。
Exchange Onlineの単体プランの契約、またはMicrosoft 365 Business Basic以上のプランを契約することで利用することができます。
Exchange Onlineを導入することで、どこでも様々な端末からメールが利用可能になります。Exchange Onlineによる大容量のメールボックスに加え、Teamsとの連携によるチャット・Web会議機能を利用できる点が特徴です。
また法人向けのサービスのため、独自ドメインを取得することも可能です。
Google Workspace(Gmail)
Googleが提供するビジネス向けグループウェア「Google Workspace」の中核機能として提供されているのが「Gmail」です。
Google Workspace を契約していれば、独自ドメインでのGmail運用が可能になり、対外的な信頼性を担保できる点が特徴です。使い慣れたGmailの操作性はそのままに、高度なセキュリティを備えているため法人利用にぴったりです。
カレンダーやDrive、Web会議(Meet)とシームレスに連携しており、単なるメールソフトではなく、組織の業務効率を最大化するツールとして機能します。
【セキュリティ一体型】クラウドメールおすすめ8選
ここでは、グループウェアの導入予定はないものの、セキュリティの高さを重視ししたい企業におすすめのクラウドメールサービスを9つご紹介します。
BIGLOBEクラウドメール
BIGLOBEクラウドメールは、ビックローブ株式会社が提供する法人向けクラウドメールサービスです。数百万人規模のユーザーを抱えたシステムを安定稼働しています。国内のデータセンターで24時間365日の監視と障害対応体制が整っているため、安心して利用できます。また、6つからなるサービスを企業に適した組み合わせにカスタマイズが可能です。自由に組み合わせることで、自社のメール環境をそのまま残しつつ、セキュリティ対策の強化や、社外でもメールを受信させたい場合など企業が求めるニーズに合わせた運用ができます。
さらに、従来のセキュリティ対策ではチェックできないウイルスメールも検知して防御する、標的型攻撃メールチェック機能が備わっています。世界的シェアの高精度判定エンジン「シマンテック」とホットラインを敷くことで、最新のウイルスにも迅速に対処することが可能です。
費用は契約するメールアドレス数に応じ3つのプランがあり、初期費用は2,500円~、月額費用は1,700円~利用可能です。
CYBERMAILΣ
CYBERMAILΣは、株式会社サイバーソリューションズが提供しています。
日本企業に特化して開発されたクラウドメールサービスで、日本のビジネスシーンに求められるメール機能を多く網羅している点が特徴です。
ビジネスシーンでは膨大な量のメールのやりとりを行うため、メールを保管する容量が足りなくなるケースがあります。そこでCYBERMAILΣでは、アカウントごとに20GBのメールボックスを提供し、容量が足りなくなることによる業務の鈍化を防ぎます。 費用は、初期費用は50,000円~、月額費用は1アカウントにつき250円~利用できます。
Zoho Mail
Zoho Mailは、株式会社ゾーホージャパンが提供しています。日本だけでなくアジアや北米といった海外でも利用されているサービスです。
メールアドレスを独自でカスタムすることが可能な点が特徴です。独自のメールアドレスを所有している企業は、ビジネスシーンにおいて信頼性が高いことをアピールできます。また、見込み客を管理するために、顧客のデータベースと連携することも可能で、顧客対応の迅速化を実現します。
機能には、受信トレイをクリーンにさせるアジャイル機能が備わっています。アジャイル機能は、ルールを事前に設定することで自動的にメールを整理し、受信メールを設定した場所に振り分ける機能です。
費用は、最大5ユーザーまでなら無料で利用できます。6ユーザー以上の場合は3つの有料プランから選択します。初期費用はかからず、月額費用は120円~利用できます。
ALL in Oneメール
ALL in Oneメールは、株式会社エアネットが提供しています。建設業や情報通信業など、様々な業界で導入されています。
スマホでも使いやすいインターフェイスで、外出中でも簡単にメール対応ができます。万が一スマホを紛失した場合、遠隔でロックできるように携帯端末管理機能が搭載されています。
また、メールの接続元のIPアドレスで利用可否を判別し、ユーザー単位設定できるIPアドレス制限機能を搭載しています。また、メールの誤送信対策機能として、メール送信時に送信内容を確認させるために一時保留にする設定や、添付ファイルの自動暗号化により、許可していないユーザーが閲覧できないように設定することが可能です。
費用は、契約するユーザー数に応じてLiteとProの2種類のプランを用意しています。Liteは300ユーザーまでの企業向けのプランで、1ユーザーあたり月額476円~利用可能です。Proプランは500ユーザーまでの企業向けで、1ユーザーあたり月額336円~利用できます。
@Securemail Plus
@Securemail Plusは、株式会社ケイティケイソリューションズが提供しています。
特徴は、メールセキュリティに特化した7つのサービスを展開している点です。企業は7つのサービスから自社に適した組み合わせを自由にカスタマイズすることができ、多機能で強固なセキュリティを備えたサービスをクラウド上で利用できます。
費用は7つのサービスごとに初期費用や月額費用が異なりますが、初期費用10,000円~、月額費用は1,000円~利用可能です。
Microsoft 365 with IIJ
Microsoft 365 with IIJは、株式会社インターネットイニシアティブが提供しています。サービス業や教育関連、官公庁などの幅広い業界で導入されています。
特徴は、5層からなるフィルタリング機能でセキュリティ強化が可能な点です。この機能により、なりすましや迷惑メールなど企業にとって脅威となるメールを最小限に抑えることができます。
メール監査機能は、送信する宛先やキーワード、添付ファイルなどの条件設定をして検査を行い、検査結果からメールを送っても良いとする上長承認を得たり、送信を停止したりするなどの柔軟な対応が可能です。
費用は、初期費用が220,000円で、月額費用は従来のMicrosoft365と同様の440円~利用可能ですが、Microsoftのアプリケーションの有無や企業規模によって利用料が異なります。
Active! mail
Active! mailは、株式会社クオリティアが提供しています。累計の導入数は2,200法人、1,300万アカウントの実績を誇ります。
特徴は、専門のデザインチームが設計した優れたインターフェイスです。ドラッグ&ドロップやダブルクリックなどでビューサイズの変更を可能にし、デスクトップアプリケーションと遜色ない操作性を実現しています。
メールを仕分けるのに必要なソート機能でメールの重要度や件名、送信者などの項目に分けて仕分けることが可能です。また、オートコンプリート機能でメール作成時に文字を打つごとに、名前やアドレスの候補が表示され、入力する手間を軽減できる仕様になっています。
費用は、企業向けのスタンダードライセンスプランと、文教向けのアカデミックライセンスプランの2種類があり、スタンダードライセンスは100ユーザー495,000円~で、アカデミックライセンスは100ユーザー330,000円~利用可能です。
CloudMail
CloudMailは、容量が大きく、ウイルスチェック・アンチスパムが標準装備されているクラウドメールサービスです。メールの送受信、迷惑メール対策、アドレス帳管理などの基本的なメール機能はもちろん、セキュリティが充実しており、振り分け機能も充実しています。
24時間365日の監視体制と窓口があり、トラブルがあったときにはいつでもサポートが受けられるので安心です。
【問い合わせ管理・メール共有型】クラウドメールおすすめ3選
このタイプは、複数人での顧客対応やチームでの問い合わせ管理を主な目的とするサービスです。「対応漏れ」「二重返信」といった複数名で問い合わせ対応時に特有の課題を解決する機能が充実しており、カスタマーサポート部門や営業部門など、日々多くの顧客対応を必要とする部門にとっては重要なツールになります。
ここでは、代表的なサービスを3つご紹介します。
楽楽自動応対(旧:メールディーラー)
楽楽自動応対(旧:メールディーラー)は、導入社数9,000社を誇る売上シェアNo.1※の問い合わせ管理・メール共有に特化したシステムです。
メール1通ごとに自動で担当者が振り分けられ、「未対応」「対応中」「対応完了」といったステータス管理を徹底できるため、対応漏れや遅れを徹底的に防止できます。
※出典:ITR「ITR Market View:メール/Webマーケティング市場2025」メール処理市場:ベンダー別売上金額シェア(2024年度予測)、同レポートには旧製品名(メールディーラー)で掲載
他の担当者が対応中のメールにはロックがかかる二重返信防止機能など、チーム運用に必須の機能が標準搭載されています。
また、メール・電話・チャット・LINE公式アカウントが一元管理できるので問い合わせ対応業務全体を効率化できます。
機能満足度、サポート満足度ともに95%、継続利用率は99%と、サポート体制が充実しています。問い合わせ管理を始めたばかりの企業や、問い合わせ管理システムの導入が初めての企業におすすめです。
Re:lation (リレーション)
Re:lationは、メール共有機能に加え、電話やLINE、SNS、チャットなどのマルチチャネルを一元管理できる点が大きな特徴です。
特に複数の問い合わせ窓口を持つ企業で、すべての顧客対応を一箇所で管理したい場合に有効です。柔軟なカスタマイズ性や、新人教育・対応状況の分析に特化した機能も備わっている点も強みです。
「チケットシステム」「二重対応防止」など、メール管理・返信対応をより効率化できる機能も提供されています。
Freshdesk
Freshdeskは、インドのFreshworks社が提供する、世界15万社以上の世界的シェアを誇るヘルプデスク・カスタマーサポート向けのクラウドサービスです。
チケット管理システムを採用しており、メールを問い合わせチケットとして扱い、SLA(サービス品質保証)に基づいた対応状況を管理できます。
グローバルで利用されており、機能の豊富さと外部システムとの連携のしやすさに優れています。メール・電話・Instagram・Twitter・Facebookなど、あらゆる外部システム経由の問い合わせにも対応可能です。
無料から使えるクラウドメールおすすめ2選
無料から使える代表的なクラウドメールとして挙げられるのが「Gmail」と「Yahoo!メール」です。ビジネス用途に適した有料プランも提供されています。
Gmail
Gmailは、Googleが提供する無料のクラウドメールです。個人用として利用する方も多いですが、使い勝手の良さから、多くの企業でも利用されています。無料プランでも、1ユーザーごとに15GBのメールボックスが提供されるため、大量のメールを保存できます。
有料プラン
Gmailは無料で使えるクラウドメールですが、ビジネス利用に適した有料プラン(G Suiteサービス)も用意されています。有料プラン(G Suiteサービス)の主な特徴は3つあります。
- 独自ドメインが利用可能
「○○@gmail.com」ではなく、企業名など独自のドメインに変更できます。 - さらに強固なセキュリティ対策
迷惑メール、フィッシング、不正なソフトウェアの 99.9% 以上を受信前にブロックすることができます。 - 1ユーザーあたり30G~5TBのストレージ
Basicプランなら30G、Businessプラン以上では無制限の容量が利用できます。
Yahoo!メール
Yahoo!メールは、ヤフー株式会社が提供している無料のクラウドメールです。
メール作成や検索、フォルダ分けなど基本的な機能が充実しており、日常的な使い勝手の良さに力を入れています。1ユーザーにつき最大10個サブメールアドレスを無料で取得できる点も特徴です。
有料プラン
Yahoo!メールは有料プランを追加することで、セキュリティ対策を強化できます。
- ウイルスチェックサービス:月額200円(税抜)
端末に届く前にウイルスメールをシャットアウトできるサービスです。最新のウイルスにも対応しており、更新はサーバーに任せられます。 - セキュリティパック:月額277円(税抜)
ウイルスブロックと迷惑メールフィルターなどが一緒になったセキュリティ強化用のパックです。
クラウドメールのメリット・デメリット
クラウドメールはメリットも多いですが、デメリットもあります。
ここでは、クラウドメールのメリット・デメリットをご紹介します。
メリット
インターネット環境があればどこでも利用可能
クラウドメールはインターネット環境さえあれば、どこでも利用可能である点が最大の特長といえます。
Webブラウザ上で操作を行うため、パソコンやスマホなど端末を問わず、外出先や自宅でも簡単にメール対応業務ができます。
導入が容易
クラウドメールは、端末にソフトウェアをインストールしたり、サーバーを設置したりする必要がなく、導入に手間がかかりません。導入決定後、すぐに使い始められる点もメリットといえるでしょう。
拡張性がある
ユーザー数やサーバーのストレージ容量を増減させられるなど、拡張性が高いこともクラウドメールのメリットです。
当初は「この程度で大丈夫だろう」と思っていたユーザー数や容量を急に増やさなければならなくなったり、より高度な機能が必要になったりと、ビジネスにおいては変化が伴います。自社でサーバーを用意するオンプレミス型の場合は、自前で機器を追加したり設定を変更したりする時間と手間が必要になります。
拡張性のあるクラウドメールであれば、その時々の状況に合わせて柔軟にサービスの利用内容を変更することができるので、状況の変化に合わせて臨機応変に対応できます。
メールボックスの容量が大きい
ユーザー一人あたりが使えるメールボックス容量が大きいという点も、クラウドメールのポイントです。
クラウドメールでの受信メールは、ベンダーが用意するWebメールボックスに保管されます。一般的なクラウドメールでは、ユーザー一人あたりに数GB〜数十GBの容量が割り当てられます。こまめにメールを削除したり、添付ファイルの容量を抑えてもらったりといった対応をしなくても、データ量を気にせずにメールを利用できます。
デメリット
月額費用が変動する
有料のサービスを利用する場合、人数やメール通数に応じて月額費用が変動します。月によって変動するので、ランニングコストの見当がつきづらい点があるでしょう。
セキュリティ面
ログイン情報があれば、端末を問わずアクセスできてしまうので、ログイン情報が漏れてしまうと不正アクセスにつながるリスクがあります。
近年、クラウドメールのセキュリティは強化されているので、導入時にどのような対策が施されているのかよく確認しましょう。
ベンダーの依存度が高い
拡張性が高く利用できるデータ容量も大きいクラウドメールでは、サーバーへのデータ管理の依存度が高くなる傾向にあります。何らかの理由でサーバーを提供するベンダーがサービスを辞めると、これまで利用したメールが消去されてしまう可能性があります。このようにベンダーへの依存度が高い点は、クラウドメールの大きなデメリットだといえます。
ビジネスにおいて重要なメールは多々あるため、サービスの完全終了までにメールデータを別のサーバーに保存しなければ業務に影響が出るリスクがあります。クラウドメールを利用する場合は、料金面だけでなくベンダーの信頼性などもチェックしておくことが重要です。
クラウドメール選定の5つのポイント
クラウドメールを選ぶ際に、重要視するべきところがあります。ここでは失敗しないための5つのポイントについて紹介します。
セキュリティ対策を確認する
クラウドサービスの場合、セキュリティ対策は非常に重要です。メールが1通でも外部に漏れた場合に、重大なトラブルに発展してしまう恐れがあります。
トラブルを未然に防ぐためには、誤送信対策やスパム対策がしっかり備わっているサービスを選ぶことがおすすめです。
自社に合う機能があるか確認する
機能が豊富に備わっているサービスは画期的です。しかし、機能が多すぎて操作性が複雑になってしまうことは使用者にとってストレスとなり、クラウドメールが現場に定着しない恐れがあります。
そのため、自社に必要な機能が備わったシンプルなクラウドメールを選ぶようにしましょう。
サポート体制を確認する
クラウドメールサービスを導入後は、操作方法の不明点や社内の運用方法を相談できるサポート窓口があると安心です。サポート受付時間帯や窓口のチャネルは、サービスによって異なりますので、自社に合ったサポート体制が整っているか必ず確認しましょう。
システム移行の容易さ
オンプレミス型や、他社のクラウドメールから乗り換える場合、過去のメールデータの移行や、ドメイン・アカウント設定の移行がスムーズに行えるかを確認する必要があります。
特に、データの移行方法や、移行中に業務が停止するダウンタイムのリスクは、企業の規模が大きくなるほど重要です。移行支援サービスや、手順書が充実しているか、あるいは専門のサポートを受けられるかを比較検討のポイントに加えましょう。
モバイル対応の質と使い勝手
クラウドメールは場所を選ばず利用できることがメリットですが、スマートフォンやタブレットでの「使い勝手の質」は製品によって大きく異なります。
特に、セキュリティを確保しながら利用できる専用モバイルアプリの有無や、プッシュ通知の確実性、添付ファイルのプレビュー機能などをチェックしましょう。
外回りが多い営業職や、出張の多い管理職など、モバイル環境での利用が多いユーザーの意見も参考に、ストレスなく業務が行える製品を選ぶことが重要です。
顧客対応を楽にするクラウドメールならメール共有システム
代表アドレスの対応やカスタマーサポートなどの業務で、1つのメールアドレスに届くメールを複数名で返信している場合は、クラウドメールサービスの中でも「メール共有システム」を選ぶと良いでしょう。
「メール共有システム」は、GmailやYahoo!メールなどの、個人対個人のやりとりを想定したメールシステムと異なり、チームで分担してメール対応を行うために開発されています。
そのため、情報共有や対応品質均一化のための機能が豊富で、対応進捗状況をリアルタイムで共有できるため、対応漏れや遅れを防止することができます。
おすすめのメール共有システム「楽楽自動応対(旧:メールディーラー)」
今回はおすすめのメール共有システムとして、株式会社ラクスの提供する「楽楽自動応対(旧:メールディーラー)」をご紹介します。「楽楽自動応対」は、共有メールアドレス、 メーリングリスト宛の送受信メールを複数人で共有・管理できるクラウド型のシステムです。特徴としては、メールがステイタスに応じて自動でタブごとに振り分けられるので、「誰が」「どのように」「どこまで」対応しているのか直感的に把握することができます。確認の手間をかけることなく、「見落とし」「対応漏れ」がゼロになります。
サーバー上に置かれた共有用メールフォルダにメールが集約され、各自のパソコンやスマホからアクセスしてメール対応業務を行います。
そのため、メール1通1通に担当者を設定し業務分担を明確にすることができます。担当者振り分けは、メールを開封して1通ずつ手動で設定するだけでなく、件名や本文のキーワード等を条件に自動で振り分けることも可能です。
まとめ
今回ご紹介した以外にも、クラウドメールサービスは様々な企業から提供されています。
その中から、機能・費用面ともに自社に最適なシステムを選択することで、毎日発生するメール対応業務を効率化することができます。
個人対個人のメールのやりとりでなく、チームで分担するような運用を行っている企業には、クラウドメールサービスの中の「メール共有システム」がおすすめです。
※本サイトに掲載されている情報は、株式会社ラクス(以下「当社」といいます)または協力会社が独自に調査したものであり、当社はその内容の正確性や完全性を保証するものではありません。






