
「毎日、大量のメール返信に追われ、本来の仕事が進まない」「返信の質を保ちつつ、さらに速く対応したい」。そんな悩みをAIが解決します。AIは今や、メール返信業務を劇的に効率化する「優秀なアシスタント」です。
本記事では、返信文の作成を時短するプロンプト例や、一歩進んだ「返信の自動化」を実現する具体的な設定方法、法人利用で失敗しないためのツール選びまでを徹底解説します。
AIでメール返信するメリット
AIをメール返信に活用すると、従業員はメール対応の時間を削減でき、より付加価値の高いコア業務に集中できます。
ここでは、具体的なメリットを以下の3つに分けて解説します。
- 返信作成時間を大幅に削減
- シーンに応じた表現で返信品質を標準化
- 24時間365日の一次対応自動化の実現
メール返信でのAI活用は、組織全体の生産性向上につながります。
弊社サービスのメール共有・管理システム「メールディーラー」は、以下の3つの機能を搭載しており、問い合わせ対応の効率化が期待できます。
- 優先すべきメールをAIが判別して通知
- 内容の指示だけでAIが返信文を自動生成
- よくあるお問い合わせはAIが回答案を提示
AIが24時間365日メールを監視し、担当者は全メールを確認せずとも、対応すべき案件をリアルタイムで把握できます。
メリット1:返信作成時間を削減
マッキンゼーの調査によると、ビジネスパーソンは1日の就業時間の28%、(約2.6時間)をメール対応に費やしています。
そこでAIを活用すれば、件名や挨拶、本文の骨子といった基本的な構造を数秒で自動生成できるため、返信作業の時間を削減することが可能です。
さらに、これまでメールに割いていた時間を企画立案や顧客対応といったコア業務に充てれば、企業全体の生産性向上が期待できます。
メリット2:シーンに応じた適切な表現で返信品質を標準化
AIの活用によって、担当者のスキルに依存せず、常に高品質なビジネスメールを作成できます。ビジネスメールでは、お詫び・お礼・日程調整など、状況に応じた繊細な言葉選びが欠かせません。
しかし、メールの品質は担当者の経験や文章力に左右され、ばらつきが生じていました。その点、AIは膨大な文例データを学習しており、適切な表現の提案や誤字脱字、文法チェックまで自動で行ってくれます。
メール作成が苦手な人でも一定以上の品質を保てるため「品質の標準化」が実現し、企業の信頼性向上につながります。
メリット3:24時間365日の一次対応自動化の実現
AIを後述する自動化ツールと連携すれば、時間や曜日を問わず「お問い合わせありがとうございます。担当者より明日午前中にご連絡いたします。」といった一次返信を即座に行うことが可能です。
従来は、深夜や休日に届いた問い合わせに対して「担当者不在のため翌営業日の対応」となり、機会損失につながるケースがありました。ある調査では、メール返信が4時間以内であれば顧客満足度が高まるというデータもあります。
迅速な初期対応は顧客に安心感を与えるだけでなく、満足度の向上や競合他社への流出防止にも効果的です。
AIを活用したメール返信でできること【3つの効率化レベル】
AIを活用したメール返信は、目的や状況に応じて段階的に導入できます。
メール対応を効率化するための活用法は、大きく3つのレベルに分けられます。
- レベル1:返信文の「下書き作成」支援(半自動)
- レベル2:特定条件での「定型文返信」の自動化
- レベル3:文脈を理解した「自律的な一次応答」の自動化
メール返信にAIを活用したいと考えている担当者は、ぜひ参考にしてみてください。
レベル1:返信文の「下書き作成」支援(半自動)
レベル1は「下書き作成支援(半自動)」の段階です。受信メールの内容や返信の意図をAIに伝えると、返信文のドラフトが生成されます。
人間は作成された下書きを確認し、必要に応じて微調整をするだけでメールの返信文が完成します。この方法は、ゼロから文章を考える負担を大幅に軽減でき、時間短縮と品質向上の両立が可能です。
導入のハードルも低く、手軽で効果的な活用法です。なお、本記事で紹介するプロンプト例の多くは、レベル1での活用を想定しています。
なお、弊社サービスのメール共有・管理システム「メールディーラー」は、内容の指示だけでAIが返信文を自動生成してくれます。フォーマットや敬語、言葉遣いをAIが自動で整え、常に一定品質のビジネスメールを作成可能です。
レベル2:特定条件での「定型文返信」の自動化
レベル2は「特定条件での定型文返信」の自動化です。あらかじめ設定したルールにもとづいて、定型的なメール返信を完全に自動化できます。
例えば「件名に『資料請求』というキーワードが含まれていたら、資料送付用のテンプレートメールを自動返信する」といった設定が可能です。
このようなルールベースの自動化は、GmailやOutlookといった一般的なメールソフトに標準搭載されている「フィルタ」や「仕分けルール」機能でも実現できます。頻繁に発生する特定の反復業務を効率化するのに非常に有効な手段です。
レベル3:文脈を理解した「自律的な一次応答」の自動化
レベル3は「自律的な一次応答」を実現する高度な活用段階です。AIがメールの文脈を深く理解し、内容に応じた適切な一次応答を自律的に行います。
例えば、AIが受信メールを「日程調整の依頼」と判断すると、カレンダーの空き状況を確認したうえで、候補日を提示する返信を自動生成するといった使い方が可能です。
このレベルの自動化を実現するには、API連携など専門知識が求められますが、将来的にはコールセンターやカスタマーサポートの一部を代替できる可能性があります。
【基本】高品質な返信を引き出すプロンプトの公式
AIに高品質なメールの返信文を生成させるには、明確で的確な指示(プロンプト)が欠かせません。
再現性の高いプロンプトには、共通する「基本構造」があります。基本構造を理解すれば、AIの性能を最大限に引き出し、安定して質の高いメールの返信が可能です。
「役割設定」+「受信メール」+「返信の目的」+「制約条件」
高品質な返信文を生成するためには「役割設定」「受信メール」「返信の目的」「制約条件」の4つの要素をAIに伝えることが重要です。
4つの要素をプロンプトに含めることで、AIは文脈を正確に理解し、あなたの意図に沿ったメールを作成してくれます。
以下がそれぞれの要素の解説とポイントです。
要素 | 解説とポイント |
---|---|
役割設定 | AIにどの立場(例:営業担当、カスタマーサポート)で文章を書くのかを指定することで、トーンや専門性が安定する。 |
受信メール | 返信対象となるメール本文を提示することで、AIは内容を踏まえて適切な返信を生成できる。 |
返信の目的 | 返信で達成したいゴールを明確化することで、目的に沿った具体的なアクションを含む文章が得られる。 |
制約条件 | 文体、文字数、含める要素などを指定することで、出力内容をより細かくコントロール可能。 |
この公式を押さえることで、メール品質を安定して向上させることが可能です。
各要素の具体的な書き方とポイント
プロンプトの各要素は、できるだけ具体的に記述することで、AIが生成する文章の精度が大幅に向上します。
ここでは「役割設定」「受信メール」「返信の目的」「制約条件」それぞれの具体例とポイントを解説します。
役割設定の例とポイント
例:「あなたは株式会社〇〇の経験豊富な営業担当です。」
ポイント:会社名や役職、経験年数を明示すると、AIはその役割になりきり、より自然で適切な表現で文章を生成します。
受信メールの例とポイント
例:「以下のメールに返信してください:ここに受信メールの全文を貼り付け]」
ポイント:差出人・件名・受信日時といったヘッダー情報も含めると、AIが文脈をより深く理解できます。
返信の目的の例とポイント
例:「日程調整の候補日を3つ提示し、相手の都合を伺う返信を作成してください。」
ポイント:「〜を伝える」「〜を依頼する」など、AIにとってのアクションを明確化することが重要です。
制約条件の例とポイント
例:「丁寧かつ誠実なトーンで」「全体を300字以内で」「件名も作成してください」「感謝の言葉から始めてください」
ポイント:ルールは箇条書きで提示すると、AIが指示を正確に反映しやすくなります。
【コピペOK】シーン別メール返信AIプロンプト実践例5選
前章で解説した「プロンプトの公式」を使い、実際のビジネスシーンで役立つ具体的なプロンプト例を5つご紹介します。
- プロンプト例1:日程調整の承諾・再調整
- プロンプト例2:問い合わせへの一次回答
- プロンプト例3:資料請求へのお礼と送付
- プロンプト例4:クレーム・お詫びへの一次返信
- プロンプト例5:英語メールへの日本語での返信指示
これらの例をコピー&ペーストして少し書き換えるだけで、すぐにAIによるメール返信作成を始めることができます。
弊社サービスのメール共有・管理システム「メールディーラー」では、プロンプトを入力せずとも、内容の指示をするだけでAIがフォーマットや敬語、言葉遣いを自動で整え、常に一定品質のビジネスメールを作成できます。
プロンプト例1:日程調整の承諾・再調整
相手から提示された日程候補に対し、承諾する場合と再調整をお願いする場合の2パターンの返信をAIで作成します。
【承諾する場合のプロンプト例】
あなたは〇〇株式会社の営業担当です。
以下のメールに返信してください:
[受信メールを貼り付け]
返信の目的:
提示された候補日のうち「8月20日(水)14:00」が可能であることを伝え、打ち合わせを確定させる。
制約条件:
丁寧な言葉遣いで
打ち合わせ場所がオンラインであることも再度伝える
件名も作成する
出力文
本文:
【再調整をお願いする場合のプロンプト例】
あなたは〇〇株式会社の営業担当です。
以下のメールに返信してください:
[受信メールを貼り付け]
返信の目的:
提示された候補日では都合がつかないため、謝罪の上、こちらの候補日を3つ提示「8月20日(水)14:00」「8月21日(木) 14:00」「8月22日(金) 14:00」して再調整をお願いする。
制約条件:
日程が合わず再調整の手間が生じたことを謝る
誠実なトーンで
件名も作成する
出力文
本文:
プロンプト例2:問い合わせへの一次回答
顧客からの製品に関する問い合わせに対し、迅速に一次返信を行い、顧客に安心感を与えます。
【プロンプト例】
あなたは〇〇株式会社のカスタマーサポート担当です。
以下のメールに返信してください:
[受信メールを貼り付け]
返信の目的:
問い合わせへの感謝を伝え、担当部署に確認の上、あらためて連絡する旨を伝える一次回答を作成する。
制約条件:
商品を購入してもらった感謝を述べる
迅速な返信を心がけていることが伝わるように、担当部署からの連絡は「1営業日以内」と明記する
署名も忘れずに記載する
件名は「【〇〇株式会社】お問い合わせありがとうございます」とする
プロンプト例3:資料請求へのお礼と送付
Webサイト経由での資料請求に対し、お礼を伝えるとともに、次のアクションへスムーズにつなげます。
【プロンプト例】
あなたは、〇〇株式会社のインサイドセールス担当です。
以下のメールに返信してください:
[受信メールを貼り付け]
返信の目的:
資料請求へのお礼を述べ、資料を添付(またはダウンロードURLを記載)して送付する。
制約条件:
感謝の気持ちが伝わる、明るいトーンでお礼を伝える
資料の送付案内とともに概要を簡潔に紹介する
次のアクションとして「個別相談会(オンラインデモ)」の案内も記載する
件名も作成する
プロンプト例4:クレーム・お詫びへの一次返信
顧客からのクレームに対し、真摯な姿勢を示し、状況を悪化させないための的確な一次返信を行います。
【プロンプト例】
あなたは〇〇株式会社の顧客対応責任者です。
以下のメールに返信してください:
[受信メールを貼り付け]
返信の目的:
ご不快な思いをさせたことについて真摯に謝罪し、状況確認を約束する一次返信を作成する。
制約条件:
言い訳や弁解と受け取られる表現は一切使用しない
最大限の誠意が伝わる、丁寧で重みのあるトーン
状況を確認し、あらためて◯日以内に連絡することを約束する
連絡先の部署名と担当者名を明記する
件名は「【〇〇株式会社】製品の不具合に関するお詫び」とする
プロンプト例5:英語メールへの日本語での返信指示
海外からの英語の問い合わせに対し、日本語で指示を出すだけで、AIが適切なビジネス英語の返信を作成します。
【プロンプト例】
あなたはIT企業の海外事業部担当です。以下の英語のメールに対し、感謝を伝え、質問には明日中に回答する旨を、丁寧なビジネス英語で返信してください。
受信メール:
[英語の受信メールを貼り付け]
制約条件:
プロフェッショナルで丁寧なトーンの英語にする
送信者の名前を冒頭で呼びかける
件名も英語で作成する
【応用編】ルールベースでメール返信を自動化するツール
前述の「レベル2:定型文返信の自動化」を実現するための、より具体的な以下のツールを紹介します。
- Gmail
- Outlook
- iPaaSツール
方法1:Gmailの「テンプレート」と「フィルタ」機能
Gmailには、届いたメールに対して自動で返信する機能があります。あらかじめ文章を設定しておくことで、同じような内容のメールに自動で返信できます。
自動返信機能を使えば、営業時間外や長期休暇などに送られてきたメールにも適切なメール対応ができます。
同じような問い合わせや会員登録などに対し、個別に対応していくことは担当者の負担になります。自動返信機能を使えば業務を効率化し、休暇のあとに大量のメールに返信するといった手間もありません。
詳細は以下の関連記事をご覧ください。
方法2:Outlookの「クイック操作」と「仕分けルール」機能
Outlookで自動返信を設定する方法は、ご利用のメールアカウントの種類によって異なります。組織で利用される「Microsoft Exchange」アカウントと、個人利用が多い「IMAP/POP」アカウントの2つがあります。
件名に「自動応答」と表示され、送信前にはチェックが必要になるため、メール返信を完全に自動化しているわけではないので注意が必要です。
詳細は以下の関連記事をご覧ください。
方法3:ZapierなどのiPaaSツールとChatGPTの連携
より複雑な条件設定や、AIによる文章生成を含む高度な自動化には、ZapierなどのiPaaSツールも有効です。
iPaaS(Integration Platform as a Service)とは、異なるWebサービス同士を連携させるためのクラウドサービスを指します。
Zapierを利用すれば「Gmailで特定のラベルが付いたメールを受信したら(トリガー)、その本文をChatGPTに送り返信文を生成させ(アクション)、完成した返信文をGmailの下書きとして保存する(アクション)」といった、複数サービスを跨いだ自動化フロー(Zap)をプログラミング知識なしで構築できます。
これにより、単なる定型文の自動送信にとどまらず、文脈に応じた柔軟な返信生成まで自動で作成できます。
メール返信の効率化・自動化におすすめのAIツール5選
メール返信の効率化を支援するAIツールは数多く存在します。 ここでは、個人の単純な下書き作成から、チームでの高度な問い合わせ管理まで、目的別に特におすすめのツールを5つ厳選してご紹介します。
- ChatGPT(汎用的な下書き作成に)
- メールディーラー(チームでのメール対応とAI返信支援を両立)
- yaritori AI(問い合わせ管理と連携)
- AIto mail(Salesforce連携に強み)
- Zapier(各種ツール連携による自動化に)
それぞれの特徴を理解し、自社に合ったツールを選びましょう。
ChatGPT(汎用的な下書き作成に)

出所:ChatGPT公式Webサイト
ChatGPTはプロンプトの自由度が高く、あらゆるシーンの下書き作成に対応している汎用的な対話型AIです。
本記事で紹介したプロンプトの公式を使えば、日程調整からクレーム対応、英語メールまで、非常に複雑で多様な状況に応じたメールの下書きを作成できます。
多くの機能を無料で利用開始できるため「まずはAIによるメール返信を体験してみたい」という個人や、特定のツールを導入する前段階のトライアルとして使いやすいでしょう。
メールディーラー(チームでのメール対応とAI返信支援を両立)

出所:メールディーラー公式Webサイト
「メールディーラー」は、16年連続売上シェアNo.1のメール共有・管理システムです。
チームでのメール対応にありがちな「返信漏れ」や「二重対応」を防いだり、AIがメール返信文案を自動生成したりする機能も追加されています。
強固なチーム管理基盤の上にAI支援を組み合わせることで、業務効率化だけでなく、チーム全体でのメール品質の標準化を実現できるのが最大の強みです。
yaritori AI(問い合わせ管理と連携)

出所:yaritori AI公式Webサイト
yaritori AIは、チームでの問い合わせ管理に特化したメール共有システムです。
対応状況(未対応・対応済みなど)をチーム全体で可視化できるほか、GPT-4をはじめとする最新AIモデルを活用し、返信文の自動生成や翻訳、クレームメールの自動判別まで行えます。
顧客からの問い合わせ対応を主業務とするカスタマーサポート部門において、高い業務効率化と品質向上を実現できる点が大きな強みです。
AIto mail(Salesforce連携に強み)

出所:AIto mail公式Webサイト
AIto mailはCRMと連携可能な、顧客対応メールの自動返信に特化した法人向けのAIサービスです。
特にSalesforceとの連携に強みを持ち、CRMに蓄積された顧客情報(購入履歴・問い合わせ履歴など)を活用して、一人ひとりに合わせたパーソナライズ返信を自動生成できます。
顧客との関係性を重視し、質の高いコミュニケーションを実現したい営業部門やマーケティング部門におすすめのツールです。
Zapier(各種ツール連携による自動化に)

出所:Zapier公式Webサイト
Zapierは、Gmail、ChatGPT、カレンダーなど、複数のWebサービスをコード不要で連携できるiPaaSツールです。
最大の強みは「組み合わせの自由度」にあり、用途に応じて独自の自動化ワークフローを構築できます。
例えば、以下のような流れをプログラムを使わずに自動化することが可能です。
- 特定のキーワードを含むメールをGmailで受信
- ChatGPTで返信文を生成
- Slackに通知
- Googleカレンダーに予定を登録
既存ツールだけでは対応しきれない自動化を実現したい企業にとって、Zapierは有効な選択肢となります。
法人利用で失敗しないメール返信AIツールの選定チェックリスト
企業がメール返信AIツールを導入する際には、個人利用とは異なり、セキュリティやシステム連携といった多角的な視点からの検討が欠かせません。
AIツールの導入にともない、以下の4つのポイントを必ず確認しておきましょう。
- セキュリティ:入力データは保護されるか?
- システム連携:既存のメールソフトやCRMと連携できるか?
- カスタマイズ性:自社の業務に合わせたチューニングは可能か?
- サポート体制:導入後の支援は受けられるか?
これらの項目を事前にチェックすることで、自社に合ったメール返信AIツールを選定でき、導入後のトラブルを未然に防ぐことができます。
弊社サービスのメール共有・管理システム「メールディーラー」は、8,000社の実績をもとに様々な企業での運用をご提案いたします。初期設定では専属のサポートがつき、導入後はお電話・メールでいつでも相談可能です。
①セキュリティ:入力データは保護されるか?
重要なチェックポイントは、顧客情報や機密情報を含むメールデータがAIの学習に利用されない仕組みが保証されているかどうかです。
無料のAIサービスの中には、入力したデータを再学習に活用するものもあり、法人利用では重大な情報漏洩リスクにつながります。
そのため、入力データが学習に使われないこと(オプトアウト)を明確に選択・保証できるか、あるいは法人向けのセキュリティポリシーが明記されているサービスを選定することが絶対条件です。
ツールの導入前には、利用規約やプライバシーポリシーを必ず確認し、不明点があればベンダーに問い合わせましょう。
②システム連携:既存のメールソフトやCRMと連携できるか?
AIツールが既存の社内システムとスムーズに連携できるかを確認しましょう。
例として、多くの企業ではGmailやOutlookを主要なメールソフトとして利用し、SalesforceなどのCRMで顧客情報を管理しています。
もし導入するAIツールがこれらと連携できなければ、データを手動で移す手間が発生し、かえって業務効率を下げる恐れがあります。
そのため、API連携の可否やアドオン・拡張機能の提供状況を事前に確認し、既存の業務フローを妨げずにシームレスに導入できるツールを選びましょう。
③カスタマイズ性:自社の業務に合わせたチューニングは可能か?
よく使う専門用語を辞書登録できる機能や、ブランドイメージに合わせて返信文のトーン(例:フォーマル、フレンドリーなど)を細かく調整できる機能があるかなどを確認しましょう。
汎用的なAIでは、業界特有の専門用語や社内独自の言い回しに対応できず、完全に自社向けの返信文を生成するのは難しいケースもあります。
自社業務に合わせてAIを柔軟にチューニングできるツールを選ぶことで、実用性と品質の両立が可能になります。
④サポート体制:導入後の支援は受けられるか?
導入検討段階でベンダーが提供するサポート内容を必ず確認しましょう。
企業全体でAIツールを導入する際には、導入時の設定支援や運用後のトラブル対応など、ベンダーによる手厚いサポート体制が不可欠です。
実際の運用では「設定方法がわからない」「エラーが発生した」「より効果的な活用方法を知りたい」といった課題に直面することがあります。
そこで、電話やメールでの問い合わせ窓口の有無、専任担当者による導入支援、活用セミナーの提供など、導入後も継続的に支援してくれるパートナーを選ぶことで、安心して運用を進められます。
まとめ:メールの返信はAIに任せ、付加価値の高い仕事に集中しよう
本記事では、AIを活用してメール返信を効率化する具体的な方法を解説しました。AIは、個人の返信作成時間を短縮し、品質を向上させる強力なパートナーです。
しかし、個人のスキルアップだけでは、チーム全体の「返信漏れ」や「対応の属人化」といった課題の解決策として十分とは言えません。本当の意味で業務を変革するには、AIの知能と、チームの連携を支えるシステムの融合が不可欠です。
ここからは、AIを活用してチームとしてのメール対応業務を効率化できる「メールディーラー」について見ていきましょう。
チームのミスを防ぐ管理基盤

「メールディーラー」は、16年連続売上シェアNo.1のメール共有・管理システムです。社内の共有アドレスに届くメール一通ごとの「対応状況」や「担当者」をチーム全員で可視化することができます。
「このメール誰か対応した?」といった無駄な確認作業や、致命的な返信漏れ・二重対応をシステムで防止します。
担当者不在時でも他の人が対応履歴を遡れるため、業務の属人化を防ぎ、安定した顧客対応の基盤を構築します。
最新AIによるアシスト機能
「メールディーラー」は、盤石な管理基盤の上に、最新のAI機能を搭載して担当者を支援します。
AIがクレームの可能性を検知する「リスク検知」は、対応の遅れによる二次クレーム化を未然に防ぎます。
2025年7月にリリースした、指示文から返信文案を作成する「カスタム生成」は、新人でもベテランのような質の高いメール作成を可能にし、チーム全体の対応品質を標準化します。
さらに、FAQを基に回答案を自動で提示する「自動生成」(2025年10月リリース予定)も加わり、メール業務の速度と質を飛躍的に向上させます。
要点入力だけで返信文を自動生成する「カスタム生成」は、無料のデモ画面で今すぐ操作感を確かめていただけます。
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