ビジネスメールでは、「バウンスメール」が頻発します。軽視して放置すると、さまざまなトラブルにつながる可能性があります。
そこで今回は、そもそもバウンスメールとは何なのか、発生理由やリスクを説明するとともに、対策もあわせて解説します。
バウンスメールとは?
バウンスメール(bounce mail)とは、送信したのにバウンス、つまり跳ね返されてきたメールを指します。メール送信後にMAILER-DAEMONやPostmaster、Mail Delivery Systemなどが送信元となって戻ってくるメールがバウンスメールです。未達メール、リターンメールと呼ばれることもあります。
バウンスメールには、「メールが送れませんでした」といった内容のメッセージとともに、
- バウンスされた日時
- バウンスしたメールサーバー
- 情報エラーコード
- バウンスした理由
などが記載されています。
バウンスメールの種類
バウンスメールは、エラーの内容によって「ソフトバウンス」と「ハードバウンス」の2種類に分かれます。
ソフトバウンス | ハードバウンス | |
---|---|---|
特徴 | 一時的エラー | 恒久的エラー |
発生理由 | 添付するファイルの容量が 大きすぎる |
送信先メールアドレスが 存在していない |
対策方法 | 受信ボックスの容量チェックを促す メールサイズを確認する |
定期的なリスト精査 メール管理システムの導入 |
ソフトバウンス(一時的エラー)
ソフトバウンスは、一時的に問題が発生したことによってメールが送信できなかった際に発生するエラーです。問題が解消されればメール配信できる可能性が高いため、多くのメールプロバイダーは数日の間メール送信を試行し続けます。
ハードバウンス(恒久的エラー)
ハードバウンスは、何らかの事情でメールが恒久的に配信できないエラーを指します。時間をおいて試行してもメールが届くことはないので、送信できるようにするための対策が必要です。
バウンスメールの発生理由
ソフトバウンスの発生理由
ソフトバウンスが発生する原因として多く見られるのが、添付するファイルの容量が大きすぎるケースです。
メールに添付できるファイルの容量はメールサーバーごとに決まっており、上限を超えるとエラーが発生します。たとえばGmailでは、合計で最大25MBまでの添付ファイルしか送信できません。
受信側が迷惑メールを回避するために、受信できるファイルの容量に制限をかけているケースや、受信側のメールボックスの容量が不足しているケースもあります。
ハードバウンスの発生理由
ハードバウンスの原因として多く見られるのは、送信先メールアドレスが存在していないケースです。
たとえば、送信相手が転職や退職した場合、その人が使用していたメールアドレスは通常一定期間をおいて利用停止されます。また、単純なメールアドレスの入力ミスという場合もあります。いずれのケースでも、メールアドレスが存在しないため、不達メールとなってしまいます。
受信者側のサーバーが、フィルタリング機能を設けて設定している場合、迷惑メールやスパムとして受信を拒否された場合もハードバウンスとなります。
バウンスメールを放置するリスク
バウンスメールを放置すると、どのようなリスクが考えられるのでしょうか。
受信拒否のリスク
バウンスメールを放置すると、受信拒否されてしまうリスクが高まります。
バウンスメールが発生すると、送信側のサーバーは数日の間メールを繰り返し送信し続けます。そうすると、受信側のメールサーバーにスパムメールや迷惑メールと疑われ、受信を拒否(ハードバウンス)されてしまう可能性があるのです。
相手側のサーバーに迷惑メールとして認識されブロックされてしまうと、解除するのには相応の手間と時間がかかるため注意が必要です。
情報伝達遅延のリスク
メールがバウンスされ続けると、必要な情報の伝達が遅くなる、あるいは伝達できないリスクが高まります。
たとえば、取引先にメールを送ったが、相手のメールボックスがいっぱいでソフトバウンスされてしまった場合、バウンスメールに気づかなければ、「そんな話は聞いていない、メールは届いていない」といわれてしまうかもしれません。場合によっては、大きなトラブルに発展する可能性もあるでしょう。
こういったケースでは、受信側は自分に原因があると気がついていないことも少なくありません。メールがバウンスされたら、早急に対策することが重要です。
バウンスメールの対策方法
ソフトバウンスの対策方法
ソフトバウンスは一時的なエラーであるため、対策することでメールを届けられるようになります。必要な対策は、エラーの内容によって異なります。バウンス理由をチェックして、対応を取りましょう。
受信ボックスの容量チェックを促す
送信先のメールボックスの容量がいっぱいになっていて、新規メールを受信できない状態のときには、
- sorry, mailbox is full
- full mailbox
- message size exceeds remaining quote
といったエラーメールが届きます。
このケースでは、受信側のメールボックスの容量を増やす、不要なメールを削除するなどの対応が必要です。相手にメールボックスの容量の問題でメールが届けられないことを伝え、チェックと対応を依頼しましょう。
なお、メール受信時にサーバーに残す設定になっている場合には、メールシステム上のメールをいくら削除しても容量は減らないため注意が必要です。
メールサイズを確認する
送信したメールのサイズが大きすぎる場合には、
- message file too big
- message is too large
- message exceeds maximum fixed size
といったテキストが含まれたメッセージが届きます。
このエラーは送信側のメールサイズが大きすぎることが原因です。テキストだけのメールサイズでこのエラーが出ることはないので、添付ファイルのサイズが大きすぎるケースがほとんどです。
添付ファイルを圧縮する、複数のファイルを送る場合には数通のメールに分割して送るなどの方法が必要です。または、大容量のファイル送信サービスを利用すれば、相手方の負担を減らすことにもつながります。
ハードバウンスの対策方法
ハードバウンスが発生しているときには、一時的なエラーではないため、根本的な対策が必要です。
定期的なリスト精査
ハードバウンスが発生するのは、メールアドレスやホスト名が存在しない、または間違っていることが理由です。このケースでは、
- user unknown
- host unknown
といったエラーメッセージが返されます。
「user unknown」はメールアドレスの「@の前」、「host unknown」は、「@以降」に問題があることを示します。
この場合、正しいメールアドレスがわかり、修正できれば問題ありません。しかし、配信リストを使用して一斉送信し、個別確認できない場合には、クリーニングを適切に行うことが重要です。ハードバウンスが発生しているメールアドレスを削除するなど、こまめに配信リストを整理しましょう。
なお届かないメールアドレスに何度もメールを送り続けると、場合によっては受信側のサーバーに迷惑メールやスパムと判定され、自社のドメインのメールをすべてブロックされてしまう可能性があるため注意が必要です。
メール管理システムの導入
バウンスメールを発見して適切に対応するためには、しっかりとメールを管理することが重要です。そのためには、メールの管理に特化したシステムを導入するのがおすすめです。
数十通のメールであれば通常のメールシステムでの管理も可能ですが、たとえば数千ものメールを目視で管理するのは現実的ではありません。ツールを使いメールを振り分け、定期的にハードバウンスとなるメールアドレスを整理するといいでしょう。
メール管理システム「メールディーラー」
メールを適切に管理するなら、メール管理システム「メールディーラー」がおすすめです。
メールディーラーは、複数人でのメール対応を効率化することに特化したシステムです。企業に届く大量のメールを簡単に整理できるので、大切なメールの見落としを防止できます。
メールディーラーでは指定した条件でメールの振り分けができるので、エラーメッセージに含まれるテキストに応じてバウンスメールをフォルダに分類することも可能です。たとえばメールに「user unknown」と含まれたメールを「メールアドレス不明」フォルダに振り分ければ、送信エラーが出ているメールに迅速に対応できるようになります。
バウンスメールを対策してトラブルを防ぎましょう
送信したメールが相手に届かず戻ってくるバウンスメールには、一時的なソフトバウンスと恒久的なハードバウンスがあります。ソフトバウンスは時間をおいたり、エラーから原因を読み取りファイルサイズを小さくしたりすることでメールが届くようになります。
しかしハードバウンスは、待っていてもメールが配信されることはありません。気づいた時点で配信をストップしなければ、相手サーバーにスパム判定されてしまう可能性があるため注意が必要です。
バウンスメールは、内容に応じて適切な対応が必要なので、きちんと振り分けることが大切です。メールを適切に管理し、バウンスメールのトラブルを防ぐには、メールの管理に特化したツール利用がおすすめです。
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