仕事を依頼するメールは、社内や取引先などさまざまな相手に送信することがあります。相手を不快な気持ちにさせずに用件を伝えるためには、配慮の行き届いた丁寧なメールを送ることが重要です。
そこで今回は、仕事依頼メールの送り方や文中で使いやすいフレーズ、具体的な文例などをご紹介します。
メールで依頼して良い依頼とは?
ここでは、メールで依頼できるケースとできないケースをそれぞれご紹介します。
メールで依頼できるケース
相手が忙しく電話で長時間会話する時間が取りにくかったり不在が多かったりする場合は、メールで依頼するのが望ましいでしょう。
電話は相手の時間を拘束するため、相手への負荷を回避したい場合や不在が多くなかなか取り次いでもらえない場合には、相手のタイミングで返答できるメールが有効です。
加えて、内容が単純な場合もメールでの依頼が良いでしょう。
例えば「〇月〇日までに〇〇の資料をPDFで送付してほしい」のような依頼は、用件がはっきりしているのでメールでの依頼が向いています。
ほかにも、相手側がその場で確認できない用件や、資料や画像を送ったほうがわかりやすい依頼もメールを活用するほうが親切です。
また、メールはやり取りの履歴を残せます。お互いに内容を確認したり、間違いを防いだりするためにも、メールによる依頼がおすすめです。
メールで依頼できないケース
緊急性が高くすぐに相手と連絡を取る必要がある依頼は、電話などの連絡手段を選択しましょう。
メールは基本的に相手が都合の良いタイミングで返信するため、確認までに時間がかかるケースがあるためです。
そのほかに、詳細な説明を必要とする依頼もメールで表現すると長く煩雑になりやすいため、電話で連絡を取ったほうが良いでしょう。自分に落ち度があり謝罪を求められる場面においても、メールではなく、まずは電話や対面で謝罪の意思を伝えることが大切です。
その上で、謝罪の内容が長く煩雑になる場合は、電話の後に用件をまとめたメールを送っておくと、より親切な印象になります。
また、複数人に同じ依頼をしたい場合には、メールではなく一人ひとりに直接確認したほうが確実です。同じメールを複数人に送ると全員が依頼事項を把握しているかチェックしにくく、漏れが発生する可能性があるためです。
メールで依頼するときのポイント
メールで依頼するときは、次の4つのポイントを意識して依頼メールを作成しましょう。
件名で要件が伝わる表現にする
メールでなんらかの用件を依頼するのであれば、件名を見ただけで、ひと目で用件が伝わる表現を意識しましょう。
「〇〇の資料送付のお願い【△△(名前)】」など、件名を見ただけで“どのようなリアクションを求められているのか”が把握できれば、受信側が優先順位をつけやすくなり見落としを防ぐことにもつながります。
どのような依頼なのか明確にする
本文を作成する際は、どのような依頼なのか明確にわかる文面を心がけることが大切です。
依頼したい内容はもちろん、数量や期日、誰に対して行動を起こしてほしいのかなど、できるだけ依頼についての詳細を記述します。これにより認識の食い違いを防いで確実な依頼の遂行が期待できます。
相手に配慮した文面にする
仕事の依頼メールはあくまでも相手への「お願い」であることを心得て、相手への配慮が感じられる文面にすることが大切です。
例えば「お忙しいところ恐れ入りますが」「ご多用のなか恐縮ですが」などのフレーズを使うことで、依頼側から相手に対する配慮を伝えることができます。
「〇〇日までに〇の送付をお願いします」などと依頼だけを記載してしまうと、失礼な印象や冷たい印象を与えてしまう可能性があるため注意が必要です。
回答期限を設定する
仕事依頼メールを送るときは、回答期限も記載しましょう。
「依頼期日:〇月〇日」「送付希望日:〇月〇日」のように日付を指定することによって、相手との認識の相違を防ぐだけでなく、「日付が書いていないから後回しでいいか」という受信側の意識の低下も回避しやすくなります。
依頼メールで使いやすいフレーズ
仕事の依頼メールを送るにあたって、相手に好印象を与える使いやすいフレーズには次のようなものがあります。
- お忙しいところ恐れ入りますが
- 急なご依頼で大変勝手ではございますが
- お手数をおかけいたしますが
- お願いできますと幸いです
- お願いしたく存じます
相手との関係性も踏まえながら、自分に合った表現を見つけてみましょう。
望ましくないフレーズはある?
仕事の依頼メールを送るときは、できるだけやわらかい印象を与えるフレーズを使うのが望ましいです。
威圧感を与える「〇〇願います」「〇〇してください」などの断定する言い回しは避け、「〇〇をお願いできますと幸いです」「〇〇していただけますでしょうか」などの丁寧な印象を与えられるフレーズを駆使しましょう。
依頼メールの例文
ここからは、仕事を依頼するメールの具体的な例文をご紹介します。
見積もり依頼
●●のお見積もり依頼の件
【本文】
株式会社〇〇
御担当者様
初めてご連絡差し上げます。
〇〇株式会社の鈴木と申します。
現在、弊社内にて貴社Webサイトに掲載されている
●●の購入を検討しております。
つきましては、下記の内容でお見積もりの作成をご依頼することは可能でしょうか。
【依頼内容】
・製品名:●●
・数量:5個
・希望納期:〇月〇日
弊社都合で大変恐縮ではございますが、
〇月〇日(〇)の社内会議で役員説明を行いたいため、
〇月〇日(〇)までにお見積書をご送付いただけますと幸いです。
誠に勝手なお願いで恐れ入りますが、
ご確認いただけますよう、何卒よろしくお願いいたします。
資料請求依頼
●●の資料をお送りください
【本文】
株式会社〇〇
御担当者様
初めてご連絡差し上げます。
〇〇株式会社の鈴木と申します。
貴社のWebサイトで紹介されている
●●の導入を検討しております。
つきましては、●●の詳しいスペックがわかる資料をお送りいただくことは可能でしょうか。
【依頼内容】
・製品名:●●
・数量:10部
・送付希望日:〇月〇日まで
弊社都合で大変恐縮ではございますが、
〇月〇日(〇)までにご送付いただけますと幸いです。
また、●●と性能が近く安価な製品がございましたら、併せてご案内いただけますと幸いです。
誠に勝手なお願いで恐れ入りますが、
ご確認いただけますよう、何卒よろしくお願いいたします。
アポイントの依頼
お打ち合わせ日程について【株式会社○○ 鈴木】
【本文】
株式会社〇〇
●●様
いつも大変お世話になっております。
株式会社〇〇の鈴木です。
先日はお忙しいところお電話にてご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
ぜひ製品説明のご案内にお伺いしたく、
お打ち合わせの日程を調整させていただけましたら幸いです。
つきましては、お手数をおかけいたしますが〇〇様のご都合の良い候補日を
いくつかご提示いただくことは可能でしょうか。
ご多用のなかとは存じますが、何卒よろしくお願いいたします。
依頼メールを自動で共有
近年では仕事の依頼をチャットで済ませるケースも出てきていますが、仕事の依頼メールは、社内・社外を問わずメールで送信するほうがおすすめです。
前述のとおり、メールはやり取りの記録が残るため、双方の認識の食い違いを防ぎ、確実性の高い依頼を可能にするためです。
チーム内の手軽なコミュニケーションはチャットを使い、別部署や社外への依頼はメールを活用すると良いでしょう。とはいえ、メールが頻繁に飛び交う現場では、誰がどのような業務を進行しているのか把握しにくく、管理が煩雑になりやすいという課題もあります。
メーリングリストなどを使ってメールを共有しても、問題が発覚した後の原因追及などの用途にしか使われていないのが現状です。
管理の煩雑さを解消してスムーズにメール対応を行うのであれば、共有メールアドレスを利用するのがおすすめです。
Gmailのグループメールなど、複数人で1つのメールアドレスを利用し、メール自体を共有することで業務の属人化を防げます。さらに、多機能なメール共有システムを活用すれば複数人でのメール共有もスムーズに移行できます。
メールディーラーなら、メールや電話、チャット、LINEからの問い合わせを一括で管理が可能です。共有メールシステムの導入をお考えなら、ぜひご検討ください。
まとめ
仕事依頼メールを送るときは、相手にお願いする立場であることを意識して、丁寧かつやわらかい表現を心がけましょう。忙しい時間をいただくことを踏まえて件名だけで用件がわかるようにしたり、シンプルな文面でメールを作成したりすることも大切です。
依頼メールで使いやすいフレーズを積極的に織り交ぜながら、望ましくないフレーズは避けて、印象の良い依頼メールを完成させてみてください。
※本サイトに掲載されている情報は、株式会社ラクス(以下「当社」といいます)または協力会社が独自に調査したものであり、当社はその内容の正確性や完全性を保証するものではありません。