取引先に対してメールで何かを依頼するシーンは多くあります。スムーズにこちらの要望を通してもらうためには、真摯な姿勢で明確な文章を綴ることが重要です。
今回は、礼儀とマナーに配慮した依頼メールを作成するためのポイントや文例をご紹介します。

依頼メールを作成する4つのポイント
相手に何かをメールでお願いする場合、悪い印象を与えてしまうと要望が通りにくくなる可能性があります。
そこで、誠実で丁寧なメール文を綴り、相手に「信用できそうだ」と感じてもらうことが大切です。依頼メールの書き方として、下記の4つのポイントを押さえておきましょう。
1.依頼したい内容をはっきり伝える
ビジネスシーンで用いるメールでは「はっきりとシンプルに用件を伝える」ことが重要です。依頼メールも同様で、依頼したい内容が明確に伝わる内容にしなければなりません。情報が不足しているとメールのラリーが増えることになり、相手に手間を取らせることになります。
例えば資料の修正を依頼する場合、修正箇所を具体的に示すことが重要です。相手の手間が少なく済むように、依頼内容は可能な限り詳しく伝えましょう。
2.回答期限を指定する
依頼メールには、「いつまでに必要か」という回答期限を示しましょう。その際も「今週中くらいにいただけると助かります」などという曖昧な表現はNGです。
こちらは金曜日の営業時間内に欲しいと思っていても、相手の解釈で「週明けでも大丈夫そうだ」と判断されてしまうかもしれません。「○月○日○曜日の○時まで」と明記して、認識に齟齬が生まれないように注意しましょう。
3.依頼する理由を伝える
例えば講演会への登壇をお願いするメールには、開催日時や報酬などの条件面だけではなく「なぜ依頼することになったのか」「どんな内容を期待しているのか」などを挙げると依頼内容の主旨がより伝わりやすくなります。
4.相手の状況を配慮する
依頼メールは、誤解なく依頼内容が伝わることが何より大切です。しかし「お願いします」だけでは厚かましく感じさせてしまい、失礼に当たります。
礼儀を弁えて、相手への負担を考えた言葉を添えることも忘れないでください。「恐れ入りますがお願いいたします」などと気遣いと感謝を表現しましょう。
依頼メールで使える上手な言い回し
お願い事を伝える時に、ただ「〇〇〇〇してください」「〇〇〇〇をお願いします」といった言葉遣いでは冷たい印象を与えてしまいます。
相手に好印象を与える上手な言い回しを覚えておけば、メールはもちろん普段の会話にも役立ちます。
<依頼メールで使えるフレーズ>
- お忙しいところ申し訳ございませんが~
- 急なお願いで恐縮ではございますが~
- 誠に勝手なお願いなのですが~
- ~していただけますと幸いに存じます。
- 〇月〇日〇曜日の〇時までにご回答いただけると助かります。
依頼メールの本文の流れ
依頼メールの本文の基本形として、次の項目の流れを参考にしてみてください。
<本文の流れ>

【シーン別】依頼メール文例
ここからは、依頼するシーンごとのメール文例をご紹介します。
資料送付の依頼メール
商品パンフレットや会社案内といった資料の送付をお願いしたい場合のメール文例です。
本文:
□□□株式会社
□□様
はじめまして。
株式会社〇〇〇〇の〇〇と申します。
この度、貴社のホームページを拝見してご連絡いたしました。
現在、弊社では貴社の□□□□サービスの導入を検討しております。
つきましては、□□□□サービスについての詳しい資料を拝見したく思っております。
以下の宛先にお送りいただければ幸いです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
送付先住所と氏名を記入
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お忙しいところ申し訳ございませんが、
〇月〇日〇曜日の社内検討会議に向けて参考にさせていただきたいので、
それまでにご送付いただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
見積もりの依頼メール
見積もりの作成をお願いしたい場合のメール文例です。
本文:
□□□株式会社
□□様
いつもお世話になっております。
株式会社〇〇〇〇の〇〇です。
先日のお打ち合わせでは、□□□□サービスについてご説明いただき
誠にありがとうございました。
つきましては、□□□□サービスについてのお見積もりを頂戴できればと思います。
社内の関係者と費用についての相談をする必要がございますので、
〇月〇日〇曜日までにご送付いただけないでしょうか。
お忙しいところ恐れ入ります。
よろしくお願いいたします。
アポイントの依頼メール
打ち合わせのアポイントを取りたい場合のメール文例です。
本文:
□□□株式会社
□□様
いつもお世話になっております。
株式会社〇〇〇〇の〇〇です。
□□□□の件について、お打ち合わせをお願いします。
<候補日時>
・〇月〇日(〇)〇〇:〇〇~〇〇:〇〇
・〇月〇日(〇)〇〇:〇〇~〇〇:〇〇
・〇月〇日(〇)〇〇:〇〇~〇〇:〇〇
1時間ほどお時間を頂戴できればと存じます。
候補日時のご都合が合わない場合は、ご都合のよろしい日時を
2、3程度挙げていただけますと幸いです。
お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
スケジュールの変更依頼メール
一度決めた日程を変更してもらいたい場合のメール文例です。
自社の理由で変更になる場合はしっかりと謝罪の姿勢を表しましょう。
本文:
□□□株式会社
□□様
いつもお世話になっております。
株式会社〇〇〇〇の〇〇です。
次回の□□□□のお打ち合わせについて、日程変更のご相談です。
〇月〇日(〇)〇〇:〇〇~お時間を頂戴する予定でしたが、
急な社内事情により、伺うことができなくなりました。
誠に勝手ながら、以下の日程で再度調整いただけませんでしょうか。
<候補日時>
・〇月〇日(〇)〇〇:〇〇~〇〇:〇〇
・〇月〇日(〇)〇〇:〇〇~〇〇:〇〇
・〇月〇日(〇)〇〇:〇〇~〇〇:〇〇
上記の候補日時以外でも、調整させていただきますので、
ご都合のよろしい日時をお聞かせいただけると幸いです。
お手数をおかけして、大変申し訳ございません。
よろしくお願いいたします。
返信を催促するメール
依頼メールに記載していた回答期日を過ぎても返信がない場合、改めて返信をお願いするメール文例です。
本文:
□□□株式会社
□□様
いつもお世話になっております。
株式会社〇〇〇〇の〇〇です。
先日は□□□□サービスについてのお打ち合わせのお時間を頂戴し、
誠にありがとうございました。
また、導入のご検討をいただき、感謝申し上げます。
□□□□サービスについてのお見積もりを送付させていただきましたが、
ご検討いただけましたでしょうか。
ご希望の期日(〇月〇日〇曜日)までに納品させていただくためには
(□月□日□曜日)までに返答をいただけますようお願いいたします。
お忙しいところ恐れ入ります。
よろしくお願いいたします。
まとめ
何かをお願いする時に送る依頼メールは、相手に何らかの負担をかけることになります。そのため、礼儀正しい姿勢と感謝の気持ち、相手を気遣うマナーなどが文面から伝わることが大切です。
加えて、曖昧な言葉遣いや説明不足などで相手に誤解を与えることのないようにしなければなりません。
依頼メールにおいて「信用できそうだ」「何をして欲しいか分かりやすい」と相手が感じれば、その後のビジネスのやりとりも円滑になるでしょう。ぜひ、依頼メール文を作成する時の参考にしてください。
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