
「問い合わせフォームに届くメールを、複数人で分担したい」
「メールでカスタマーサポートを行いたい」
Thunderbirdを利用している企業でこのような目的を達成するためには、「共有設定」がお勧めです。
この記事では、Thunderbirdの共有設定を行う2つの方法と、注意点をご紹介します。
Thunderbirdの共有設定方法
Thunderbirdはオンプレミス型のメールシステムのため、複数人でメールを共有管理するためには設定が必要です。
今回は「Dropboxによる共有設定」と「POPアカウントによる共有設定」の2種類の方法をご紹介します。
Dropboxによる共有設定
- 「Dropbox」をインストールする
- 「Thunderbird」を起動する
- 左下の「設定(歯車マーク)」から「アカウント設定」を選択する
- 「同期とディスク領域」を選択する
- 「メッセージの同期」の「このコンピューターのこのアカウントのすべてのフォルダーを保存する」のチェックボックスを外す
- 右上のハンバーガーメニュー「≡」から「ヘルプ」を選択し、「トラブルシューティング情報」を選択する
- 「プロファイルフォルダー」から「フォルダーを開く」をクリックする
- Thunderbirdフォルダ内の「○○(ユーザー名).default」をDropboxフォルダにコピーする
- Thunderbirdフォルダ内の「profile.ini」を「メモ帳」で開く
- バックアップを作成後、以下の2点を書き換える
・「IsRelative=0」を「IsRelative=1」に修正する
・「Path=Profiles/×××××.default」を「○○.default」に修正する
(6でDropboxフォルダコピーしたファイル) - 「profiles.ini」を上書き保存し、Thunderbirdを再起動する
- 4でチェックを外した「このコンピューターのこのアカウントのすべてのフォルダーを保存する」にチェックを入れる
複数人でメールを共有する場合、上記の操作を各パソコンで実施する必要があります。
POPアカウントによる共有設定
- 共有したいアカウントを右クリックし「設定」を選択
- 「アカウント設定」から「サーバー設定」をクリック
- 「サーバー設定」の「ダウンロード後もサーバーにメッセージを残す」にチェックを入れる
- 削除するまでの期間を設定する
(サーバー容量に達すると新着メールを受信できなくなります。メール通数や添付ファイルの数などにより、保存期間を調整してください。)
ThunderbirdとGmailを共有する方法
ThunderbirdとGmailを、IMAPを使って同期させることで、Gmail上にThunderbirdのメールデータを取り込むことが可能です。
1)Gmailの設定
- 右上の「歯車マーク」から「全ての設定を表示」をクリック
- メール転送とPOP/IMAP」を表示する
- 「IMAPアクセス」の「IMAPを有効にする」にチェックを入れる
- 「変更を保存」をクリックする
2)Thunderbirdの設定
- 右上のハンバーガーメニュー「≡」から「新規作成」を選択する
- 「既存のメールアカウント」をクリックする
- 「あなたのお名前」に差出人名、「メールアドレス」「パスワード」にGmailの情報を入力する
- 「続ける」をクリック
- 「IMAP(リモートフォルダー)」にチェックを入れる
- 「完了」をクリックする
- 表示されたGmailのログイン画面にメールアドレスとパスワードを入力する
- Thunderbirdへのアクセスを許可する
Thunderbirdで共有管理する際の注意点
対応進捗状況が見えず、対応漏れ・重複対応が発生する
今回ご紹介した共有設定で、受信メールを共有管理できます。しかし、共有したメンバーの対応進捗状況をリアルタイムで把握することはできません。
そのため、全員が「誰かが返信しただろう」といった思い込みが生じると、対応漏れが発生する可能性があります。
逆に、返信作業中に他のメンバーが同じメールの返信に取り掛かってしまうと、重複対応が発生するリスクもあります。
Thunderbirdでメールの共有管理を行う場合は、担当領域を明確に分担し、対応進捗状況を可視化する運用方法を整えることが重要です。
人数が増える度に設定にする必要があり、手間がかかる
Thunderbirdの共有設定は、共有したいパソコンごとに今回ご紹介した設定が必要です。人事異動や入退社の度に設定作業が発生することになります。
そのため、入れ替わりの多い企業では、管理者や情報システム部などの業務負担が課題となるでしょう。
複数人でメールを共有管理するなら「メールディーラー」
今回ご紹介したように、Thunderbirdでもメールの共有管理は可能ですが、ビジネス利用の場合は、メールの共有管理に特化した「メール共有システム」をおすすめします。
株式会社ラクスの提供する「メールディーラー」は、複数人で分担するメール対応業務に特化したメール共有システムです。ビジネス利用を想定して開発されているため、チームメンバーの対応進捗状況をリアルタイムで可視化するなど、対応漏れ・遅れ・重複対応などのトラブルを防止するための機能を搭載しています。
対応状況を可視化するステータス管理機能
メールディーラーのステータス管理機能では、各メールの「新着」「返信処理中」「対応完了」といった対応状況が表示され、チーム全体の対応進捗状況が可視化されています。
対応状況ごとに絞り込みができるので、「新着」ステータスを表示すれば、まだ誰も返信をしていないメールだけが表示され、対応漏れを防止できます。
担当者が割り当てできる担当者振り分け機能
メールディーラーの担当者振り分け機能では、メール1通ずつに対応担当者を設定できます。業務の担当領域が明確になり、誰がどのメールを担当すべきか一目で把握することができます。
さらに、他の人が返信作業中のメールを開封すると、「○○さんが返信対応中です」と警告表示し、返信ボタンが非表示になるため、重複対応を防止できます。
Thunderbirdの共有設定でメール対応業務を効率化
Thunderbirdはオンプレミス型のメールシステムですが、今回紹介した設定を行えば、複数人で共有管理することができます。
ただし、対応漏れや重複対応のリスクが高まる可能性があります。そのため、問い合わせ対応やカスタマーサポートなどの業務でメール共有管理を行いたい場合は、ビジネス利用に特化したメール共有管理システムがおすすめです。
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