
担当業務から外れる際、スムーズに後任者に引き継ぎができるよう、あらかじめ関係者に伝える必要があります。仕事の引き継ぎを社内に知らせる際、どのようなメール文面を書き、どんなタイミングで送ると良いのでしょうか。コツや注意点、例文などを交えて解説します。
社内に引き継ぎメールを送る必要性
長期休暇や人事異動、退職の際に担当業務から外れる場合や、突発的な理由で勤務できない場合には、後任者を立てることになります。後任に引き継いでも業務が滞らないようにするために、取引先や顧客、社内の関係者に対して担当者の引き継ぎを伝える必要があります。
社内外に担当者変更の事実が伝わらなければ、行き違いやトラブルを招き、顧客や取引先だけでなく、社内からの信頼も失いかねません。的確かつスピーディーに周知するには、直接訪問や電話をするよりもメールが最適です。
引き継ぎ内容をテキストにしてメール送信しておくと、後から見返してもらうこともできるというメリットもあります。
社内に引き継ぎを伝えるメール文の書き方のコツ
引き継ぎメールの社外への周知は、担当者が変わっても不安を与えることのないよう丁寧に綴る必要があります。
一方、社内向けには取引先や顧客に対するほどかしこまる必要はありません。しかし、ビジネスメールであることに変わりはありません。明確な内容を簡潔に記載し、関係者の負担を軽減するよう配慮することが大切です。社内向けの引き継ぎメールを送る際、どのようなコツを押さえておけば良いのでしょうか。
引き継ぎの日付、後任者を明確に伝える
引き継ぎ完了のタイミングや後任者に引き継ぐ業務内容について、明確かつ簡潔に伝えましょう。
重要な項目は、長々とした文章の中に混ぜるのではなく、箇条書きなどの配慮をすることで相手の目に止まりやすくなります。
これまでの感謝を伝える
担当するにあたってこれまで会社のサポートを受けてきたはずです。社内への引き継ぎメールには、担当を外れることを伝える事務的な項目だけでなく、これまでの指導や支援への感謝の気持ちを込めたお礼の言葉も添えましょう。
わかりやすい件名にする
社内メールは日に何通も受け取ることがあるので、つい受け流してしまうという人もいるでしょう。
担当者の変更は業務全体に関わる内容なので、相手が見落としてしまわないよう要件がわかりやすい件名にすることも大事です。「担当者変更のご連絡」などと、具体的な表現にするのがポイントです。
ポジティブで安心感のある表現を心がける
担当者が変わっても業務に支障がないことが伝わる安心感のある表現をしてください。
「担当を外されたため」のようなネガティブな表現をすると、相手に不安な印象を与えてしまいます。引き継ぎの内容をメインに、前向きな表現に努めましょう。
直接伝えられないことへのお詫びを添える
引き継ぎの挨拶は、電話や訪問で直接伝えるのが本来のビジネスマナーです。特にお世話になった人には直接伝えるようにするとより丁寧です。
しかし、辞令の出るタイミングなどによって現実的に難しいこともあるでしょう。メールには、直接伝えられないことへのお詫びの一文を忘れないようにしてください。
社内に引き継ぎメールを送る時の注意点
引き継ぎメールを送信する際の注意点をご紹介します。
引き継ぎメールはなるべく早く送る
業務に深く関わる相手には担当変更の連絡を早めに行い、後任者への引き継ぎ期間が十分にとれるようにしましょう。影響が少ない相手には担当者変更の2~3日前までで構いません。
加えて、異動の場合は機密情報にあたるので、上司に情報解禁のタイミングを確認することを忘れないようにしてください。
前任者から先に送る
基本的に、引き継ぎメールは前任者から先に送るのがマナーです。前任者と後任者で引き継ぎメールの送信についての段取りを打ち合わせしておきましょう。
前任者から送るメールに「後ほど後任者からもご連絡いたします」と一言添えておくと、スムーズな引き継ぎのアピールにもつながります。
一斉送信はなるべく使用しない
組織の規模にもよりますが、社内の全員に引き継ぎメールを送る必要はありません。同じ部署や業務の関係者、これまで関わりのあった相手など、送り先をリスト化して整理しましょう。
異動や退職などの場合は、一斉送信はなるべく使用しないで、相手に向けたメッセージを添えて一人ひとりに送るのがベストです。やむを得ず一斉送信する場合は、その旨をお詫びする一文も忘れないようにしてください。
引き継ぎメールの文例
担当を後任者に引き継ぐことを社内に伝えるメールの一例をご紹介します。
1.転勤・異動に伴う引き継ぎ
転勤や異動に伴い、担当を引き継ぐ場合の文例です。
本文:
お疲れ様です。
□□□部の〇〇です。
このたび、△月△△日をもちましてxx事業所に異動することになりました。
在籍中は大変お世話になりました。
□□□部の一員としていくつものプロジェクトを推進した経験を糧に、
新しい職場でも業務に励みたいと思います。
現在の取引先に関しては、■■課から異動してこられる
●●さんに引き継ぐことになります。
万全の引き継ぎを行いますので、引き続きご協力をお願いいたします。
xx事業所のお近くにお越しの際は、ぜひ声をかけてください。
今後もご指導いただけますよう、よろしくお願いいたします。
2.退職に伴う引き継ぎ
退職に伴い、担当を変更する場合の文例です。
本文:
お疲れ様です。
□□□部の〇〇です。
この度、一身上の都合により△月△△日付けで退職することになりました。
着任以来、■■さんには企画書やプロジェクトへのアドバイスをいただき、深く感謝しております。
特にXXXXの案件では、ご自身の業務の手を止めてサポートしてくださったことは忘れません。
本当にありがとうございました。
私が受け持っている業務に関しては、同じ課の●●さんに引き継ぐことになります。
万全の引き継ぎを行いますので、引き続きご協力をお願いいたします。
末筆ながら、皆様のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
3.有給休暇に伴う引き継ぎ
有給休暇を申請する際に、代理の担当者を立てる場合の文例です。謙虚な姿勢で丁寧に表現することが大切です。
本文:
お疲れ様です。
□□□部の〇〇です。
〇月〇日(〇)〜〇日(〇)までの〇日間、
私用のため、休暇をいただくことになりましたのでご連絡いたします。
つきましては、業務に関するご用件を
同じ課の●●さんに代理で担当していただくことになりました。
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●● ●●
所属部署 □□□□□□部
メール:●●@□□□□□□.jp
電話:00-0000-0000
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なお、緊急のご連絡の際は、私の携帯電話(000-0000-0000)まで
ご連絡をお願いいたします。
皆様にはご不便をおかけすることになりますが、何卒よろしくお願いいたします。
4.産休・育休などの長期休暇前の引き継ぎ
出産、育児、介護などの長期休暇を理由に、一時的に担当を引き継ぐ場合の文例です。
本文:
お疲れ様です。
□□□部の〇〇です。
この度、私事で恐縮ですが、△月△△日より出産休暇をいただくことになりました。
休暇中は、同じ課の●● ●●さんに引き継ぎをお願いしております。
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●● ●●
所属部署 □□□□□□部
メール:●●@□□□□□□.jp
電話:00-0000-0000
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出産休暇後は、引き続き育児休暇をいただくことになり、
△△△△年△△月ごろには復職する予定です。
休暇中はご不便をおかけすることになりますが、
何卒よろしくお願いいたします。
5.長期休暇明けの復職
出産、育児、介護などの長期休暇明けに、担当に復帰する場合の文例です。
本文:
お疲れ様です。
□□□部の〇〇です。
長らくお休みをいただいておりましたが、
この度、△月△△日より無事に復職させていただくことになりました。
休暇中は□□□部の皆様に大変ご配慮いただいたこと、本当にありがとうございます。
出産・育児に専念できたことも、皆様に助けていただいたおかげです。重ねて御礼申し上げます。
今後は子どものことでご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、
精一杯努めさせていただき、恩返しできるようがんばります。
取り急ぎ、恐縮ですがメールにて復職のご挨拶とさせていただきます。
後任者が送るメールの文例
担当者変更に伴い、業務を引き継いだ後任者の挨拶メールの文面です。
本文:
件名:<担当者着任のご挨拶>□□□部 ●●(後任担当者の名前)
本文:
お疲れ様です。
□□□部 ●●です。
先日、前任者の〇〇さんからご連絡がありました通り、
△月△△日より私●●が業務を引き継がせていただくことになりました。
メールにて恐縮ではございますが、取り急ぎ担当者着任のご挨拶をさせていただきます。
〇〇さんからは、業務に関する背景や経緯などを引き継いでおります。
担当者が変更となりましても、
ご不便やご迷惑をおかけしないよう精進していく所存です。
ご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
引き継ぎメールへの返信の文例
引き継ぎメールを受け取った際の返信の文例として、オーソドックスなケースをご紹介します。
本文:
お疲れ様です。
□□□部 △△です。
お忙しい中、ご丁寧に引き継ぎのご連絡をいただきありがとうございます。
私は〇〇さんのプレゼンテーションに憧れていたので、何度もご指導をお願いしましたね。
いつも時間をとってアドバイスをいただき、自信をつけられたことはずっと忘れません。
誠にありがとうございました。
〇〇さんの今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
今後とも、ぜひ変わらぬおつきあいのほどよろしくお願いいたします。
まとめ
引き継ぎが社内に適切に伝わると、後任者もスムーズに対応できるので重要です。それと同様に、取引先や顧客などに周知することも非常に重要といえます。社外に担当者変更の連絡の抜け漏れが起きてしまうと、すれ違いが生じて迷惑をかけてしまうためです。
日頃から部署やチームで共有メールアドレスを利用していれば、社外とのやりとりの履歴が共有されるので、引き継ぎの抜け漏れが属人化しないので便利です。ただし、メーリングリストでの共有では膨大な数になり、検索性がなく埋もれて活用できません。
メール共有・管理システム「メールディーラー」なら、部署やチームのメールを、担当者をまたいで共有・管理できるようになります。さらに、取引先や顧客とのメールの履歴も簡単に一覧表示できるので、急な引き継ぎが発生しても迷惑をかけることなく迅速に伝えることができます。
メールに対して申し送り用のコメントを付けることもできるので、前任者から後任者への担当業務の引き継ぎにも役立ちます。
無料トライアルも利用できるので、メールでの社内外とのコミュニケーションを円滑化するメールディーラーをぜひご検討ください。
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