
「実際、ECサイトってどうやって立ち上げるの?始めるためには何が必要?」
そんな疑問に答えるべく、ECサイト立ち上げの流れを全4回でお届けします。私が実際にECサイトの立ち上げを支援した、新宿のとあるレストランを例に、「街のレストランがECを始める場合、どういう手順で進めるべきか?」を具体的に説明していきます。第3回はマーケティングプランの策定について解説します。
【顧客をイメージしよう】顧客にあわせた、段階的な商品展開を
前回の記事(ECサイト構築編)までで「ECサイト運営の基礎」が出来ました。今回からは「実際にECで売り上げを作っていく方法」を考えていきます。
ECサイトの目的はもちろん「売上を上げること」ですが、すでに数多くの商品が市場に存在する中で、新商品を売ることはとても難しいです。
そこで、まずは目標に到達するためのプロセスとして「『野菜たっぷりのパスタソース』を継続的に買ってもらう仕組み作り」と設定し、達成を目指します。今回ECサイトで扱うのは、単一商品ですが、マーケティングプランは以下のように大きく3つのカテゴリーに分けて構築していきます。
野菜たっぷりのパスタソース2本セット(2,000円前後+送料)を、
(1) 新規顧客向け商品=1本(1,000円相当)を無料で配布する
(2) 見込み顧客向け商品=2本セット(2,000円前後+送料)を初回購入時のみ、50%OFFで販売する
(3) 継続顧客向け商品=2本セット/月(2,000円前後+送料)を送料無料且つ10%OFFで販売する
最初に(1)の新規顧客向け商品の配布によって、見込顧客を構築し、次に(2)の見込み顧客向け商品を提案します。その後、(3)継続顧客向け商品という段階的に提案していくことで、全てのフェーズの顧客に相応のメリットを感じてもらいながら、継続顧客への引き上げを狙います。
【売れる仕組みが大事!】継続して買ってもらうための仕組み作りとは?
ただし、これらの3つの商品カテゴリーを作成しただけで売り上げを作ることはできません。必要なのは、そこから顧客に段階的に商品を気に入ってもらえる“仕組み”作りです。
今回のケースでは、以下のような仕組み化が考えられます。
→仕組み①:配布する対象は、「試食後にアンケートをメールで送っていただける方」に限る。
→仕組み②:お礼状とあわせて「次回購入時、1本分の無料券」と「見込み顧客向け商品=2本セット(2,000円前後+送料)」の案内を送る。
→仕組み③:無料券を利用してECサイトで購入した顧客に対し、同梱やメールなどで案内を送る。
上記のように、『顧客とコミュニケーションが取れる仕組み』を用意することで、「自社に好意を持っている人に対してお得な案内をする」ことが可能になります。
【成果指標を設定しよう!】仕組みのパフォーマンス管理と改善について
「商品カテゴリー」と「仕組み」を設計し、運用を開始した後は、「実際に仕組みがうまく機能しているか?」を定量的に評価をし、改善していきましょう。
(1) 新規顧客向け商品→(2) 見込み顧客向け商品への移行率=10%
(2) 見込み顧客向け商品→(3) 継続顧客向け商品=20%
たとえば、この場合、サンプリングを100人に実施すると、そのうちの10人がECサイトでの購入に繋がり、そのうちの2人が継続顧客になってくれるということになります。
この数値のままでは、利益を出すのが困難であることがわかりますよね。
よってメール文面やECサイト内で離脱率の高いページの改修などを実施し、上記のKPIをトライ&エラーしながら改善していくことが必須となります。
以上で、「マーケティングプラン」の策定まで完了しました。最後となる第4回は、ECサイトの本稼働に向けた最終確認です。次回もお楽しみに!
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