メール・問い合わせの共有管理ができるメーラー「メールディーラー」 > お役立ちコラム > 効率化ツール > チケット管理システム10選を比較|機能・料金・選び方を解説

チケット管理システム10選を比較|機能・料金・選び方を解説

日付のアイコン2026/08/24
効率化ツール
「チケット管理システム10選を比較|機能・料金・選び方を解説」のアイキャッチ画像

チケット管理システムは、問い合わせやタスクを1件ごとのチケットとして管理し、受付から完了までの進捗を可視化できるシステムです。対応漏れや二重対応を防げるほか、担当者間で情報共有しやすくなるため、カスタマーサポートや社内ヘルプデスク、開発・プロジェクト管理など幅広い業務で導入が進んでいます。

一方で、問い合わせ対応向けとタスク・プロジェクト管理向けでは必要な機能が異なるため、自社の目的に合わない製品を選ぶと十分な効果が得られません。

本記事では、チケット管理システムの仕組みと基本機能、選び方のポイント、タイプ別のおすすめ10製品、導入から運用開始までの手順を解説します。

この記事の目次

    チケット管理システムとは

    チケット管理システムとは、問い合わせやタスクを「チケット」という1件単位のデータに変換し、対応状況や進捗を管理するツールです。顧客対応を行うカスタマーサポートや社内ヘルプデスク、開発チームのタスク管理など、多数の案件をチームで分担して処理する現場で導入されています。

    チケットの仕組み

    チケットは、問い合わせの受信やタスクの起票をきっかけに発行され、管理番号が自動で付与される仕組みです。発行されたチケットは担当者が割り当てられ、ステータス(未対応・対応中・完了など)を更新しながら、クローズまで処理されます。

    チケットには件名や担当者、対応期限、優先度、対応履歴が紐づくため、誰が見ても対応の経緯を追えるようになっています。

    チケット管理システムのタイプ

    チケット管理システムは、管理する対象によって2つのタイプに分かれます。それぞれの目的や、導入しやすい部署を表にまとめました。

    分類 目的 導入しやすい部署
    問い合わせ対応向け 顧客や社員からの問い合わせに対し、担当者を割り振り対応完了までの状況を管理する カスタマーサポート
    社内ヘルプデスク
    タスク・プロジェクト管理向け 開発・プロジェクトチーム内で発生するタスク(バグ修正やデザイン制作など)をチケット化し、計画から完了までの進捗を管理する 開発部門
    企画マーケティング部門

    チケット管理システムの基本機能

    チケット管理システムの機能は製品により違いがありますが、基本機能は次の4つです。

    • チケットの発行と担当者への振り分け
    • ステータス管理とアラート通知
    • ナレッジの蓄積と検索
    • 対応状況・処理時間の集計と分析

    いずれも問い合わせ対応・タスク管理のどちらのタイプにも備わっている機能です。

    チケットの発行と担当者への振り分け

    まず解説するのは、発生した案件やタスクをチケットとして起票・発行し、担当者へ割り当てる機能です。チケットの発行は、製品により自動と手動の2通りがあります。

    問い合わせ対応向けの製品では、メールやWebフォームで受信した内容が自動でチケットに変換され、担当者へ割り当てられるのが一般的です。「返品」を含むメールは返品担当へ、故障やエラーに関する連絡はテクニカルサポートへなど、事前に設定した条件をもとに自動で振り分けられるため、担当者が判断する手間がかかりません。電話での問い合わせは対応した担当者が聞き取りながら、手動でチケットを発行する必要があります。

    タスク・プロジェクト管理の製品では、チケット発行と担当者の割り当ては手動が基本です。ただし、障害報告フォームや外部ツールと連携すれば、報告と同時にチケットを自動で発行し、担当者へ割り当てられるツールもあります。

    ステータス管理とアラート通知

    チケットごとに「未対応」「対応中」「完了」などのタグが付与され、一覧画面でチーム全体の進捗を管理できるのがステータス管理機能です。

    対応期限が近いまたは超過したチケットを自動で検知し、担当者や管理者に知らせる機能も備わっています。あらかじめ期限を設定しておけば、期限前や超過時に自動でアラートが届くため、問い合わせの対応漏れやタスクの遅延を未然に防ぐ仕組みです。

    ナレッジの蓄積

    チケット管理システムには、過去のチケットに記録された解決方法や作業内容をナレッジとして蓄積し、検索・参照できる機能があります。

    完了したチケットに残るのは、発生した事象と解決までの経緯です。キーワードやカテゴリで検索すれば、過去の類似トラブルに対する対応手順や回答履歴をすぐ確認できるため、担当者は一から調べ直す必要がありません。

    また、問い合わせ対応向けの製品には、蓄積したナレッジをFAQとして公開する機能があります。タスク・プロジェクト管理では、過去の類似案件における作業工数や課題がチケットとして残っているため、新しいプロジェクトを立ち上げる際の見積もりや計画づくりに役立ちます。

    日々のチケット処理を通じて得た情報を共有することは、特定の担当者への依存(属人化)を防ぎ、組織全体の生産性を高めるうえで重要です。ナレッジを蓄積・共有するメリットについて詳しく知りたい場合は、以下の記事もあわせてご参照ください。

    対応状況・処理時間の集計と分析

    最後に解説するのは、チケットに蓄積されたデータを自動で集計し、対応状況や処理時間を可視化する機能です。処理件数や処理時間を期間・担当者・種別ごとにグラフや表で確認できます。

    問い合わせ対応向けでは、一次回答時間や対応完了率といった指標を集計し、次のように活かせます。

    • 時間帯や曜日ごとの受信件数から人員配置を調整する
    • 一次回答までの時間を担当者別に比較して、時間のかかっている担当者の対応方法を見直す

    タスク・プロジェクト管理向けの製品には、タスクの遂行に要した時間を記録し、プロジェクト全体の工数を集計する機能や、ガントチャートなどで進捗を視覚的に分析する機能が備わっています。

    チケット管理システム比較一覧

    主なチケット管理システムの10製品を一覧表にまとめました。特徴とおすすめの企業も載せていますので、自社に合うチケット管理システムを比較検討する際の参考にしてください。

    なお、料金は2026年7月時点の情報です。最新の内容は各公式サイトでご確認ください。

    ※表は左右にドラッグすると横にスクロールできます。

    サービス名 タイプ 月額料金 特徴 こんな企業におすすめ
    「楽楽自動応対」 問い合わせ対応 要問い合わせ ・チーム全員の対応状況をリアルタイムで共有できる
    ・問い合わせ履歴をもとに、問い合わせ削減のためのFAQをAIが提案
    複数人のチームでメール対応しており、対応を効率化しつつ対応漏れなどのミスを防ぎたい企業
    「Zendesk」 問い合わせ対応 19ドル〜/名(年払い) 1,800以上のアプリや外部ツールと連携できる 社内システムや外部ツールと連携し、自社の成長に合わせてシステムを拡張したい企業
    「Freshdesk」 問い合わせ対応 19ドル〜/名(年払い) 基本機能が一通り揃い、直感的な画面で操作しやすい これから少人数でサポート窓口を立ち上げる企業
    「Zoho Desk」 問い合わせ対応 1,980円〜/名(年払い) Zoho CRMなど45以上のビジネスツールと容易に連携できる チケット管理システム以外の業務システムも導入予定で、一社の製品で揃えたい企業
    「Agentforce Service」 問い合わせ対応 3,000円〜/名(年払い)
    ※AIエージェントの利用には別途費用が必要
    自律型AIエージェントが顧客データを確認したうえで回答を組み立てる FAQやチャットボットでは対応できない問い合わせが多く、AIによる自動化が進んでいない企業
    「Backlog」 タスク・プロジェクト管理 2,565円〜(30名まで・年払い)
    ※ユーザー数はプランによる
    ガントチャートやかんばんボードで進捗を可視化する エンジニア以外の職種も参加し、メンバーの入れ替わりが多いプロジェクトチーム
    「Asana」 タスク・プロジェクト管理 1,200円〜/名(年払い) AIエージェントが計画の作成や進捗レポートの作成を担う 部門をまたぐプロジェクトが多く、進捗確認や報告といった調整業務に管理者の時間が取られている企業
    「Jooto」 タスク・プロジェクト管理 417円〜/名(年払い) 直感的に操作できるレイアウトとシンプルなデザイン ITツールに不慣れなメンバーが多い企業
    「Jira Service Management」 タスク・プロジェクト管理 2,732円〜/名
    ※人数により価格に変動あり
    ヘルプデスクが受け付けたチケットを開発チームの課題として引き継げる 社内ヘルプデスクと情報システム部門があり、障害対応をスムーズに引き継いで対応したい企業
    「Lychee Redmine」 タスク・プロジェクト管理 クラウド版:900円〜/名
    (別途クラウド利用料がかかる)
    オンプレミス版:800円〜/名
    ※購入は10名単位
    進捗をコストの面から管理できる プロジェクト単位で予算が決まっており、工数の超過が利益の減少につながる企業

    問い合わせ対応向けのチケット管理システム5選

    ここからは、問い合わせ対応向けのチケット管理システムを5つ紹介します。顧客対応の窓口だけでなく、社内ヘルプデスクの問い合わせ管理にも使えるタイプです。

    問い合わせ対応向けのシステムをお探しの方は、以下の記事もあわせてご参照ください。

    「楽楽自動応対」

    楽楽自動応対 公式Webサイト

    出所:楽楽自動応対公式Webサイト

    株式会社ラクスが提供する「楽楽自動応対(旧メールディーラー)」は、導入社数9,000社を誇る問い合わせ管理システムです。

    問い合わせの対応ステータスがタブ別に自動で整理されるため、いつ・だれが・どこまで対応したのかをチーム全員がリアルタイムに確認でき、返信漏れと二重対応を防止できます。

    返信漏れと二重対応を防止する「楽楽自動応対」画面

    メール・電話・チャット・LINE公式アカウントが一元管理できるため、複数窓口の問い合わせ管理を効率化できます。

    また、問い合わせ管理の効率化だけでなく、問い合わせ削減のためのFAQ作成機能(2026年秋リリース予定)もあります。楽楽自動応対にたまった問い合わせ履歴をもとに、AIがFAQ案の追加・更新提案をしてくれるので、問い合わせの集計や分析、FAQ作成の手間なく問い合わせを削減することができます。作成したFAQは「楽楽自動応対」上でFAQサイトとして公開可能です。

    電話やメールによる専任スタッフの導入・定着サポートを無料で受けられるため、チケット管理システムを初めて導入する企業でも安心して始められます。

    料金:要問い合わせ
    無料トライアル:あり

    複数人でのメール対応に特化し、チーム内でのステータス共有によって対応漏れや二重対応を防ぎたい場合は、以下の記事もあわせてご参照ください。

    「Zendesk」

    Zendesk公式Webサイトのキャプチャ画面

    出所:Zendesk公式Webサイト

    Zendeskは既存の社内システムや外部ツールと連携させ、将来の事業成長に合わせて拡張・カスタマイズしたい企業に向いています。

    Zendeskの強みは、次のような拡張性です。これらの拡張性により、企業規模や運用が変わっても、システムを乗り換えることなく使い続けられます。

    • 1,800以上のアプリが揃う専用ストアから、社内チャット(SlackやMicrosoft Teamsなど)やCRMと連携できる
    • APIを通じて、自社で独自に開発した業務システムと連携できる

    料金:1名あたり月額19ドル〜(年払い)
    無料トライアル:あり(14日間)

    Zendeskの具体的な機能や、導入するメリット・デメリットについてさらに詳しく知りたい場合は、以下の記事もあわせてご参照ください。

    「Freshdesk」

    Freshdesk公式Webサイトのキャプチャ画面

    出所:Freshdesk公式Webサイト

    これから少人数でサポート窓口を立ち上げる企業に適しているのが、Freshdeskです。

    直感的な画面で操作しやすい点が特徴で、複数の問い合わせ窓口を一元管理する機能や自動振り分け、FAQ構築機能など、問い合わせ対応に必要な機能が一通り揃っています。エージェント1〜2名であれば6カ月間無料で基本的なチケット管理を使えるプランが用意されているため、自社の運用にチケット管理システムが合うかじっくり試してから始められます。

    料金:1名あたり月額19ドル〜(年払い)※6カ月限定・2名までの無料プランあり
    無料トライアル:あり(14日間)

    Freshdeskの詳しい機能や料金プラン、導入のメリットやデメリットを比較検討したい場合は、以下の記事もご一読ください。

    「Zoho Desk」

    Zoho Desk公式Webサイトのキャプチャ画面

    出所:Zoho Desk公式Webサイト

    すでにZohoの製品を利用している企業や、複数の業務システムを一社の製品で揃えたい企業には、Zoho Deskが適しています。

    提供会社であるゾーホージャパン株式会社は顧客管理・営業支援のZoho CRMをはじめ、マーケティングや人事、経理など45以上のビジネスツールを提供しており、Zoho Deskはその中の問い合わせ管理を担う製品です。Zoho CRMと組み合わせれば、顧客の購買履歴や商談の経緯を確認しながら問い合わせに回答できます。

    同じ会社から提供されている製品のため、システム同士の連携が容易であることや、すべてのツールで画面の作りが統一されていることが特徴です。

    料金:1名あたり月額1,980円〜(年払い)※3名まで利用可能な無料プランあり
    無料トライアル:あり(15日間)

    「Agentforce Service」

    Agentforce Service公式Webサイトのキャプチャ画面

    出所:Agentforce Service公式Webサイト

    Agentforce Serviceは、FAQやチャットボットでは答えられない個別の問い合わせが多く、対応を自動化しきれていない企業に向いています。

    自律型のAIエージェントが、データから状況を確認したうえで回答を組み立てるのが特徴です。例えば「商品が届かない」という問い合わせに対して、AIエージェントが在庫の状況を確認し、在庫の有無に応じて案内を返します。よくある質問に限定されるFAQや、決まった質問に文章を返すチャットボットとは、この点が異なります。ただし、AIエージェントの利用には上位プランの契約やオプション追加が必要です。

    料金:1名あたり月額3,000円〜(年払い)
    無料トライアル:あり(30日間)

    タスク・プロジェクト管理向けのチケット管理システム5選

    タスク・プロジェクト管理向けのチケット管理システムを5つ紹介します。開発案件やIT運用など、自分たちで起票した作業の計画と進捗管理に強いタイプです。

    チケットを用いた管理に限らず、汎用的なタスク管理ツールを比較検討したい場合は、以下の記事もあわせてご参照ください。

    「Backlog」

    Backlog公式Webサイトのキャプチャ画面

    出所:Backlog公式Webサイト

    Backlogはデザイナーやマーケター、営業などエンジニア以外の職種も参加し、社内外のメンバーが頻繁に入れ替わるプロジェクトチームに向いています。

    全体の納期を把握できるガントチャートと、日々の進捗を直感的に管理できるかんばんボードを備えており、用途に合わせて画面を切り替えられます。かんばんボードとは「未着手」「作業中」「完了」のように進捗ごとの列にチケットをカードとして並べ、作業が進んだらカードを次の列へ移動させるものです。

    また料金がユーザー単位ではなく、契約単位ごとに決まるのも特徴です。ユーザー数が無制限のプランを選べば、メンバーが頻繁に入れ替わっても追加費用が発生しません。

    料金:月額2,565円〜(30名まで・年払い)※10名まで利用可能な無料プランあり
    無料トライアル:あり(30日間)

    「Asana」

    Asana公式Webサイトのキャプチャ画面

    出所:Asana公式Webサイト

    部門をまたぐプロジェクトが多く、管理者が進捗の確認や関係者への報告といった調整業務に時間が取られている企業には、Asanaが適しています。

    特徴は、AIエージェントがチームの一員として業務を担う点です。プロジェクトの目標から必要な作業とスケジュールを組み立てる、ワークフローの停滞している箇所を特定して修正案を出す、進捗を経営層向けのレポートにまとめるなど、役割ごとにAIエージェントが用意されています。

    料金:1名あたり月額1,200円〜(年払い)※2名まで利用可能な無料プランあり
    無料トライアル:要問い合わせ

    「Jooto」

    Jooto公式Webサイトのキャプチャ画面

    出所:Jooto公式Webサイト

    Jootoは、ITツールに不慣れなメンバーが多く、新しいツールの導入にハードルを感じている企業に向いています。

    Jootoの特徴は迷わず操作できるレイアウトと、シンプルなデザインです。基本操作はドラッグ&ドロップだけで完結します。また、専用のChrome拡張機能を使えば、Webブラウザ上で選択したテキストから直接メモやタスクを作成できます。Webページで情報収集をしている最中にアイデアや作業を見つけた場合でも、Jootoを開いてコピー&ペーストするという手間がかかりません。

    料金:1名あたり月額417円〜(年払い)※1名まで利用可能な無料プランあり
    無料トライアル:あり(31日間)

    「Jira Service Management」

    Jira Service Management公式Webサイトのキャプチャ画面

    出所:Jira Service Management公式Webサイト

    Jira Service Managementは社内ヘルプデスクと情報システム部門があり、障害対応をスムーズに引き継いで対応したい企業に向いています。

    特徴はヘルプデスクと開発チームが、同じプラットフォーム上で作業できる点です。ユーザーから「アプリが落ちる」と連絡があった場合、ヘルプデスクが受け付けたチケットをそのまま開発チームの課題として引き継げます。転記作業や再説明が発生せず、修正が完了すればヘルプデスク側のチケットにも反映されます。

    なお、料金がかかるのはチケットに対応する担当者のみです。チケットを発行するだけの担当者は、無料で利用できます。また、契約人数が増えるほど1名あたりの単価は下がる仕組みで、正確な金額は公式サイトの料金シミュレーターで確認できます。

    料金:1名あたり月額2,732円〜(75名で契約する場合)※3名まで利用可能な無料プランあり
    無料トライアル:あり(14日間)

    「Lychee Redmine」

    Lychee Redmine公式Webサイトのキャプチャ画面

    出所:Lychee Redmineサイト

    Lychee Redmineは、受託開発などプロジェクト単位で予算が決まっており、工数の超過がそのまま利益の減少につながる企業に向いています。進捗をコストの面から管理できるのが特徴です。

    例えば出来高管理機能では、チケットに登録した期日と工数のデータをもとに「計画上いくら分の作業が終わっているはずか」と「実際にいくら分の作業が終わったか」を比較できます。作業が計画より遅れていれば、このままのペースで進んだ場合に最終的なコストがいくらになるかを算出します。

    料金は1名あたりの表記ですが、購入は10名単位のため注意が必要です。また、クラウド版は別途クラウド利用料がかかります。

    料金:1名あたり900円〜(クラウド版)、800円〜(オンプレミス版)※機能制限付きの無料プランあり
    無料トライアル:あり(30日間)

    チケット管理システムを選ぶ際のポイント

    チケット管理システムは、製品により得意な領域や機能が異なります。価格や多機能さだけで選ぶと、自社の運用に合わずに使われなくなったり、かえって業務効率が低下するリスクがあります。

    導入目的に合った機能があるか

    最初に確認すべき点は、導入目的に合う機能があるかどうかです。

    導入目的が問い合わせ対応の場合は、メールやWebフォームの受信内容をチケットに変換する機能、担当者の自動振り分け、FAQの公開機能が必要です。タスク・プロジェクト管理の場合は、ガントチャートやかんばんボードによる進捗の可視化、タスク同士の関連付け、工数の記録と集計といった機能が求められます。

    直感的に操作できるUIか

    操作性の面では、マニュアルなしで基本操作ができる画面設計かを確認します。

    操作が複雑になると、担当者が起票や更新を後回しにしやすくなります。その結果、画面上のステータスが実際の対応状況と一致しなくなり、対応状況や進捗を可視化するという本来の目的が果たせなくなるためです。

    操作性はカタログやWebサイトの記載だけでは判断できないため、無料トライアルを利用しましょう。その際は管理者ではなく、実際にチケットを扱う実務担当者に操作してもらい判断します。

    既存の業務システムや外部ツールと連携できるか

    3つ目のポイントは、既存の業務システムや外部ツールと連携できるかです。連携できないツールを選ぶと、チケット管理システムと既存のツールを行き来する手間が生じるためです。

    例えばチャットツール(SlackやTeamsなど)と連携できれば、チケットが更新されるたびにチャットツールに通知が届くようになります。

    また、次のような連携も可能です。

    • 問い合わせ対応:CRMや受注管理システムと連携し、顧客の購買履歴を確認しながら対応する
    • タスク・プロジェクト管理:Gitなどの開発ツールと連携し、どのチケットに対してどのコードが変更されたのかを確認しやすくする

    チケット管理システムを導入するメリット

    チケット管理システムを導入するメリットは、大きく次の3つに分けられます。対応漏れ・遅延の防止、属人化の解消、蓄積データの業務改善への活用です。いずれも問い合わせ対応とタスク・プロジェクト管理の両方に共通するメリットです。

    対応状況の見える化で対応漏れや作業の遅延を防げる

    1つ目のメリットは、対応状況を見える化できることです。全案件のステータスが一覧で共有されるため、未対応の問い合わせや停滞中のタスクをチームの誰もが把握できます。メールソフトでは担当者ごとの受信トレイに情報が分散し、誰がどこまで対応したかを追えませんが、チケット管理システムなら全員が同じ画面で状況を確認できます。

    問い合わせが集中する繁忙期でも、未対応の案件をその日のうちに検知できます。タスク・プロジェクト管理でも、遅延している作業が一覧上で可視化されるため、フォローが早まります。

    担当者しか分からない業務をなくし、引き継ぎがスムーズになる

    2つ目のメリットは、属人化を解消できることです。対応の経緯や判断の理由がチケットに記録として残るため、担当者の急な休みや退職の際も、後任がチケットを開けば過去のやり取りと現在の状況をそのまま引き継ぐことができます。

    問い合わせ対応では、クレーム案件の経緯を別の担当者が引き継いでも一貫した回答ができます。タスク・プロジェクト管理では、前任者の作業手順や判断理由が記録として残るため、属人化を防げます。

    蓄積したデータを業務改善に活用できる

    3つ目のメリットは、蓄積したデータを業務改善に活用できることです。チケットには件数や処理時間のデータが自動で蓄積されるため、どこに時間がかかっているか、どの問い合わせが多いかを数値で把握し、改善に生かせます。

    問い合わせ対応では、種別ごとの件数から質問の多いテーマを特定し、FAQを整備することで問い合わせ自体を減らせます。一次回答時間や対応完了率をKPIとして定点観測すれば、改善の効果も数値で確認できます。

    タスク・プロジェクト管理では、過去チケットの実績工数をもとに次の案件の見積もり精度を高められます。また、データの偏りから人員配置の見直しにもつなげられます。

    チケット管理システムの導入前に押さえておきたい注意点

    チケット管理システムは、導入するだけで自動的に業務が効率化されるわけではありません。事前のルール作りと製品を選ぶ際のポイントがあります。

    ここでは、導入前に押さえておくべき注意点を2つ解説します。

    起票・入力のルールを決めないと現場の負荷がさらに増える

    注意点の1つ目は、チケットを起票する基準や入力ルールがない状態では、不必要なチケットの乱立や起票・更新漏れが発生し、管理の手間が増えるリスクがあることです。

    これらを防止するためには、例えば次のようなルールを決めます。

    • 起票の基準:すべての案件で起票するのか、または一定の基準を満たした場合のみ起票するのか
    • ステータス更新:それぞれのステータスの意味と対応完了にするタイミング
    • 入力項目:必須または任意項目はどれか

    集計や分析に使いたい項目をすべて必須入力にすると担当者がストレスに感じるため、無理なく入力できる範囲に厳選して、任意入力から始めてください。

    機能の多さで選ぶと使いこなせず定着しない

    多機能な製品を選んでも、使いこなせなければ定着しないという点にも注意が必要です。

    不要な機能が多いほど画面や設定が複雑になり、現場の担当者が操作を覚えられないまま利用されなくなるためです。使わない機能の分だけ月額費用も割高になり、費用対効果が下がるというデメリットもあります。

    候補の製品を比較する際は「あれば便利」ではなく「なければ業務が回らない」という視点で、判断するようにしましょう。将来を見据えて高機能な製品を選ぶ場合でも、まず基本機能だけで運用を始め、現場に定着してから使う機能を増やすことがおすすめです。

    チケット管理システム導入から運用開始までの手順

    チケット管理システムを導入し円滑に運用を始めるには、順序を追って準備を進める必要があります。課題にもとづいた機能の整理や、無料トライアルによる検証、特定のチームからの段階的な導入といった手順を踏むことが重要です。

    ここでは、導入から運用開始までに必要な3つの手順を解説します。

    課題の棚卸しと必要な機能を整理する

    最初に行うのは、自社が抱える課題を洗い出すことです。

    問い合わせ対応であれば、対応漏れの発生頻度や、1件あたりの対応にかかる時間を把握します。タスク・プロジェクト管理であれば、過去のプロジェクトで納期に遅れた原因を整理します。

    課題が見えたら、必要な機能を書き出しましょう。例えば、対応漏れが多い場合は期限が近いチケットのアラート機能、作業の抱え込みすぎが原因の場合は担当者ごとの作業量を可視化する機能が必要です。

    必要な機能を絞っておくと、製品を比較する際に機能の数ではなく、自社の課題を解決できるかどうかで判断できます。

    無料トライアルで検証し選定する

    事前に整理した必要な機能をもとに、候補を2〜3製品に絞り込み、無料トライアルで操作感を検証します。検証は、本番と同じ業務を小規模に再現して行うのがおすすめです。問い合わせ対応なら実際の問い合わせの一部をチケット化して処理し、タスク・プロジェクト管理なら進行中の1案件で仮運用します。

    このとき管理者だけでなく、日常的にチケットを扱う現場担当者にも操作してもらい、画面の見やすさや起票の手軽さについて意見を集めます。また、トライアル期間は製品により異なるため、検証項目を事前に決め、期間内に判断できるようにしましょう。

    特定のチームから運用を始める

    導入する製品が決まったら「起票・入力のルールを決めないと現場の負荷がさらに増える」で解説した通り、運用ルールを決めたうえで、特定のチームから運用を始めます。

    最初から全社に導入すると、ルールの不備が全体に波及し、修正にも時間がかかります。1つのチームで数週間から1カ月ほど運用し、起票の基準が実態に合っているか、必須の入力項目が多すぎないかを確認してから、対象を広げてください。

    運用開始後も、週次や月次でチケットを棚卸しし、放置されたチケットの整理と運用ルールの見直しを続けます。

    まとめ:チケット管理システムで対応の漏れと属人化をなくそう

    チケット管理システムは、問い合わせやタスクを1件単位で見える化し、対応漏れと属人化を解消するツールです。問い合わせ対応向けとタスク・プロジェクト管理向けの2タイプがあり、管理したい内容に合わせて選びます。

    製品を選ぶ際は、本記事で紹介した選定のポイントやおすすめ製品を参考にしてください。代表アドレスに届くメールを複数人で処理しており、返信漏れや二重対応、回答作成にかかる時間に悩んでいる企業には、「楽楽自動応対」がおすすめです。導入実績9,000社以上の実績を持つ楽楽自動応対の詳しい機能やセキュリティ体制は、無料でダウンロードできる資料にまとめていますので、ぜひご確認ください。

    複数名での「問い合わせ対応業務」がラクになる?

    ※本サイトに掲載されている情報は、株式会社ラクス(以下「当社」といいます)または協力会社が独自に調査したものであり、当社はその内容の正確性や完全性を保証するものではありません。

    この記事を書いたライター

    メールディーラー通信編集部

    メールディーラー通信編集部

    メールや問い合わせ対応を効率化する情報の執筆・案出しをしています。メール業務をより良いものにできるようお得な情報を発信できればと思い、編集を行っています。
    お気に入りの便利機能は「Wチェック時の差分チェック機能」です。

    メールディーラーについて、詳しく知りたい方はこちら!

    製品資料

    機能詳細・特徴がわかる!