嫁に謝ることが上手な夫は「クレーム対応」がうまい

嫁に謝ることが上手な夫は「クレーム対応」がうまい

この記事のまとめ

  • お客様からのクレームには、どんなに理不尽なことでも「まず謝る」
  • クレームの返信メールは、正しいことだけを書くのはNG!
  • 勘違いクレームへの高等テクニック「謝りながらも、罪を認めない」

以前、職場の先輩に夫婦生活を長く続けられるコツを聞いたところ「とにかく謝ること」と教わったことがあります。自分が悪くなくても、まずは謝った方が、場が丸く収まり、ストレスが少なくて済むと、その先輩はアドバイスだか忠告だか、なんだか分からない言葉を私に授けてくれました。

つまり、トラブルが発生した際は、「とにかく謝る」ということが、お互いが良好な関係を長く続けられる最善の策ということなのでしょう。夫婦関係にせよ、お客様との関係にせよ、力関係がはっきりしている間柄の場合、どんなに“理不尽なこと”でも、関係を修復するべき立場の人は、謝り続けなくてはいけないのです。

お客様からのクレームには、どんなに理不尽なことでも「まず謝る」

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さて、ここからがEコマースのお話です。ネットショップを運営していて、お客様のクレームで“理不尽”だと感じるのは、おそらく、『お客様の勘違い』によるクレームではないでしょうか。

自分のミスで謝るのであれば、半沢直樹よろしく土下座して地面におでこをすりつけて謝ってもぜんぜんオッケーという感じですが、ことお客様の勘違いとなると、なかなか謝れといわれても頭が下げられないのが現状だと思います。大和田常務のように、ぐぐぐっと膝を押さえながら、どうしても謝ることを躊躇してしまうのです。

例えば、お客様から「あのさぁ、おたくのネットショップで買い物してから、迷惑メールが来るようになったんだよねー。情報、漏れてんじゃね?」というクレームを受けた場合。まず、まっとうなネットショップであれば、メールアドレスだけが漏れて、出会い系サイトや、闇金のサイトに流出することは、ほとんど可能性としては低い事態だといえます。

しかし、お客様が「漏れたんじゃないか?」と思っている以上、ネットショップ側が「メールアドレスは漏れていませんよ」といくら言っても、なかなか信じてもらえるものではありません。なぜならば、最初のスタート時点でお客様はネットショップ側を疑っているわけですから、そこから勘違いを解いていくことは、思いのほか難しい作業となってしまうのです。

間違っても、「は? うちじゃないんですけど。あんたがエロサイトかなんかに登録したからじゃないっすか?」と、ケンカ腰のメールを出そうものなら、それこそネットの巨大掲示板に速攻スレッドが立ってしまいます。楽天市場なら、一発退店もののペナルティをもらってもおかしくありません。

どちらにせよ、こういう「勘違い」を犯してしまうお客様は、難しい考え方をお持ちでいらっしゃる方が多いので、ネットショップ側は、ややこしいクレームほど、真剣に対応しなければいけないのです。

他にも、お客様の大勘違いは山のようにあります。「こんな色、注文していないんですけど」と激怒りのメールをしながら、確認してみると、しっかりその色でカートに放り込まれていたりとか。また、「指定日に商品が届かねぇじゃねーか!」と怒りに満ちたメールが来ても、確認したら、キレイにお届け日が1ヶ月間違っていたりとか。

こんな感じで、ネットショップ側が「私、悪くないもん」という状態なのに、容赦なく、お客様から理不尽なクレームを雨あられのように受けてしまうのは、おそらく、ネットショップの“あるある”に入れてもいいぐらい頻繁に起きているトラブルだといえます。

クレームの返信メールは、正しいことだけを書くのはNG!

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では、そのようなお客様の勘違いのクレームメールに対しては、どのようにネットショップ側はメールを返せばいいのでしょうか。まず、絶対にやってはいけないのが、素直に思ったことをメールに書いてしまうことです。冒頭のメールアドレスの漏洩疑惑の事例で言えば、次のようなメールは“ちょっと痛い子”のメール対応になりますので、良い子は絶対に真似してはいけません。

迷惑メールの件ですが、弊社では厳重にお客様のメールアドレスを管理しておりますので、弊社からメールアドレスが漏れることはありません。

言っていることは間違っていません。ええ、とっても正しいと思います。しかし、先述したように、このような“勘違い”を犯してしまうお客様は、非常に気難しいお客様でいらっしゃるケースが多いので、おいそれと本音で返信してしまうと、非常に大きなトラブルに発展しかねないといえます。

「あっそう、それなら出るとこ出ましょうか。楽天市場にヘンな店があるって通報してもいいんだよ。あんたら、困るでしょ? あと、俺の1日10万アクセスのブログに今回のこと書くつもりだからね、いいの?」と、さらに気が遠くなるような200行ぐらいのややこしいクレームメールをもらうハメになってしまい、永遠にクリアできないファミコンのクソゲーみたいなカオスな状態にはまり込んでしまう恐れが出てきてしまいます。

勘違いクレームへの高等テクニック「謝りながらも、罪を認めない」

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だから、こういう場合は、ひたすら謝ることをお勧めします。冒頭の私の先輩のアドバイスどおり、嫁とお客様というのは、永遠に付き合っていかなくてはいけない相手なのです。どんなに性格が悪くても、どんなに意地悪でも、自分が生活していく上で必要な相手なのですから、「とにかく謝る」という男気溢れるスタンスを崩してはいけません。

しかし、ただ「謝る」ということを繰り返すと、これもまた相手の逆鱗に触れるということも忘れてはいけません。「はいはい分かりました、ごめんなさいです、ごめーん、ごめーん」などといっていると、いつか嫁から往復ビンタを食らって「ごらぁ! ふざけてんのかぁ!」と怒鳴られて、さらに火に油を注ぐ事態になってしまいます。

また、お客様にひたすら「はいはい、メールアドレスがダダ漏れでした。ごめんなさいです」なんて素直に謝っていたら、怒られるだけではなく、お金まで請求される可能性だってあります。

そのような事態を想定すると、ネットショップ側は「謝りながらも、罪を認めない」という高等テクニックを用いて、勘違いしているお客様の怒りを回避していかなくてはいけません。事例で紹介したメールアドレス漏洩のクレームの場合、下記のようなメールを返してみるのはどうでしょうか。

この度はお客様にご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。
当方で確認したところ、お客様のメールアドレスが漏洩したような形跡はなく、今現時点の調査では、そのような事態が弊社では確認できていない状況です。
他にもいろいろな可能性があると思い、お客様以外のメールアドレスに関しても調査させていただきましたが、やはりそのようなトラブルを確認することはできませんでした。
大変申し訳ございません。
今後、さらに調査を進めていきますが、もし、お客様のほうで今回の件でご不安になられるようであれば、電話にて担当者が詳細を説明させて頂きます。
この度はお手間をおかけしてしまい、誠に申し訳ありませんでした。

ちょっと長文ですが、勘違いのクレームメールには、このくらいの長さのメールぐらいは返しておいたほうがいいと思います。私は、『お詫びメールの誠意とサッカー日本代表の長友選手のドリブルは長いほうが安心してみてられる』という、よくわからない格言を持っています。だから、それにならって、ややこしいクレームメールには、長文で返すという習慣は身につけておきましょう(もちろん、長く付き合いたいと思ったお客様に対してだけですが……)。

で、本題のクレームメールの対応ですが――とにかく、冒頭の一発目で謝罪することです。「とにかく謝る」を実践します。そして、その後にこのトラブルの解決に向けて、全力で対応したことを力説します。その上で、解決できなかったことを謝ることで、もう何に向かって謝っているのか、あやふやにしてしまうような状況を作り出しましょう。

ええ、謝罪メールは内容よりも雰囲気を作り出すことのほうが重要なのです。で、最後は「電話下さい」というアナログな対応で締めくくれば、お客様は「いろいろ調査はしているみたいだし、謝ってもいるし、電話するのも面倒くさいし」ということで、これ以上の攻撃をストップしてくれるのではないかと思います。

このように、ひたすら謝りながらも、「私、悪くないんです」ということを強調しておけば、お客様の怒りを静めながらも、自分が不利な立場に立つこともなくなります。お客様の勘違いとはいえ、そういう勘違いの原因を作ってしまったのは、やっぱり「うちのネットショップで商品を買ってしまったこと」である事実は変わりありません。

だから、そこは誠心誠意のメールを返す必要はあります。しかし、だからといって、素直に相手の条件を飲むのではなく、そこで自分の主張を上手に織り込むことが、ネットショップのような非対面型の接客メールに求められるスキルといってもいいと思います。

そう考えると、冒頭でお話した「夫婦仲を長く続けるためには、とにかく謝ること」を実践している私の先輩は、謝っているだけではなく、ちょいちょい「自分は悪くない」という主張を突っ込みながら奥様に謝っているのではないかと思います。おそらく、この先輩が企業のコールセンターに勤めれば、あっという間にエース級のスタッフになっているのではないかと思う、今日この頃でございます。

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この記事を書いた人

竹内謙礼
竹内謙礼

販売戦略立案の経営コンサルタント。有限会社いろは代表取締役。大学卒業後、雑誌編集者を経て観光牧場の企画広報に携わる。楽天市場等で数多くの優秀賞を受賞。現在は「日経MJ」など新聞や雑誌に連載を持つ傍ら、全国の商工会議所や企業等でセミナー活動を行う。「売り上げがドカンとあがるキャッチコピーの作り方」、「小さな会社こそ、高く売りなさい」など、著書多数。


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