
カスタマーサポートの現場では、日々さまざまな問い合わせのメールが寄せられます。多種多様な問合せに対して、正確で迅速な対応を目指しながらも、返信文の作成に思った以上の時間がかかってしまうことは少なくありません。
しかし、カスタマーサポートは、些細な対応の違いによって、同業他社との差別化を生み出すことができたり、逆に会社全体の信用を損ねる事態につながってしまったりと、顧客満足度と売上に大きな影響力をもっています。
この記事では、カスタマーサポートで実際に使える定型文例を紹介するとともに、作成時のポイントや、主要メールソフトでの設定方法を解説します。
カスタマーサポートで定型文を活用するメリット
問い合わせ内容に合わせて、あらかじめ定型文を作成しておくことで、「業務効率化」を図ることができます。
定型文は、一度作成してしまえば、次回の類似の対応が楽になります。よくある問い合わせ内容はもちろんですが、発生する頻度が低い内容であっても、回答のための調査や文章の検討に時間を費やしたものは、定型文を作成しておきましょう。
さらに、ベテランスタッフ監修のもと、質の高い定型文を作成すれば、経験年数の浅い新人であっても質の高い対応ができるようになり、「対応品質の均一化」を図ることができます。
カスタマーサポートで使える定型文例(ご案内メール)
ここからは、カスタマーサポートで実際に使える「案内メール」の例をご紹介します。
<サービスの質問に関する案内メールの例>
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〇〇様
〇〇株式会社の〇✖と申します。
この度は弊社のサービスに関してのお問い合わせいただき、ありがとうございます。
〇月✖日にお問い合わせいただいた〇〇〇についてのご質問を、
以下の通り回答させていただきます。
【回答文】
他にも何かご不明な点などありましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。
今後とも株式会社〇〇を何卒よろしくお願いいたします。
<資料の送付に関する案内メールの例>
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株式会社〇〇
〇✖様
お世話になっております。
〇✖△株式会社の〇〇です。
このたびは、〇〇についてお問い合わせいただき、
誠にありがとうございます。
商品の特徴や販売価格など、詳細資料を添付にてお送りいたします。
【添付ファイル:✖✖✖✖_2021.pdf】
また、商品については貴社へ伺って直接ご説明させていただきたく存じます。
お時間をいただけるようでしたら、お気軽にお声がけください。
ご検討よろしくお願いいたします。
定型文を活用する場合も、ビジネスマナーとして本文には必ず顧客の名前を記入しましょう。
サービスなどの質問に関する案内メールは、「一目で内容が分かる件名」と「5W1Hを意識した回答文」で構成することが重要です。定型文を作成する際は、顧客がストレスを感じずに問題を解決できる文章を目指しましょう。
カスタマーサポートで使える定型文例(謝罪メール)
次に、「ツールが動かない」「商品が届かない」といった、意図せぬトラブルの際に使える謝罪メールの定型文をご紹介します。
<クレーム対する謝罪メールの例>
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〇〇様
いつも〇〇サービスをご利用いただき誠にありがとうございます。
株式会社〇〇・お客様窓口の〇〇です。
〇月✖日にお問い合わせいただいた件ですが、
確認したしましたところ、現在サーバーの不具合により、反映が遅れております。
この度は、こちらの不手際により〇〇様にご迷惑をおかけいたしましたこと、
心より深くお詫び申し上げます。
今後は、このようなことがないように、再発防止を徹底してまいります。
今後とも〇〇サービスをよろしくお願い申し上げます。
<商品が届かない・遅延している際の謝罪メールの例>
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〇〇 様
大変お世話になっております。
株式会社〇〇・お客様窓口の〇〇です。
〇月✖日に注文いただいた商品につきまして、お届けが遅れておりますことを心より深くお詫び申し上げます。
原因を調査しましたところ、弊社の伝票の誤りによるミスであることが判明いたしました。
現在、体制の見直しを行っており、今後の再発防止に取り組む所存です。
この度は、こちらの不手際により〇〇様にご迷惑をおかけいたしましたこと、
心より深くお詫び申し上げます。
メールにて恐縮ですが、取り急ぎお詫びとご連絡を申し上げます。
今後とも株式会社〇〇・〇〇サービスをよろしくお願い申し上げます。
謝罪メールの定型文を作成する際には、「件名も含め、謝罪の意思を伝える」「問題発生の経緯・対応策を添える」の2つが重要なポイントです。
これらの要素が欠けている謝罪メールでは、感情のこもっていない無機質な文面になってしまい、さらなるクレームを招きかねないため、作成時には十分に注意しましょう。
定型文を作成するときのポイント
ここからは、カスタマーサポートの現場で、実際に定型文を活用する際に重要なポイントをいくつかご紹介します。
スタッフ主導で作成する
定型文を作成するにあたり、必要とする定型文の内容や種類について一番理解が深いのは、実際にカスタマーサポートを担っているスタッフです。そのため、定型文はスタッフが中心となって作成することが大切です。現場のスタッフが主導することで、現場に即した「使われる定型文」になるでしょう。
なお、特定のスタッフにのみ作成を任せてしまうと内容に偏りがでる恐れがあります。カスタマーサポート部門のスタッフ全体で確認しながら進めることも重要です。
定期的に内容を見直す
カスタマーサポートには、日々沢山の問い合わせが届き、問い合わせ内容のバリエーションも日々増えていきます。よく発生する問い合わせは速やかに判断し、定型文を作成しましょう。
また、一度作成した定型文の見直しを疎かにしていると、現状に合わず、加筆・修正する手間が発生してしまいます。
製品の仕様等に変更があった時はもちろんですが、定型文送信後の顧客の反応を踏まえ、改善できる点がないか?という視点で、定期的に見直しを行うことを心掛けましょう。
定型文を使う習慣を付ける
せっかく作成した定型文も、スタッフ全員で使う習慣が身につかなければ意味がありません。
日頃から使う習慣を身につけるために、定期的にスタッフ同士でロールプレイングや、メールソフト上に定型文の登録を行いましょう。
定型文の種類が多い場合は、キーワードやタグによる検索性を高めたり、ワークフローを作成したりなど、誰でも素早く目的の定型文を見つけられる工夫が必要です。
GmailとOutlookの定型文登録方法
ここからは、一般的にビジネス利用されているGmailとOutlookの定型文の登録方法をご紹介します。
アカウントを共有して使用している場合を除き、各スタッフの環境でそれぞれ設定作業を行う必要があります。
Gmail
【定型文の登録方法】
※はじめに、Gmailの設定の「詳細」が「テンプレートを有効にする」に設定されているか確認しましょう。
1.Gmail画面の左上にある「作成」をクリックし新規メール作成画面を立ち上げます。そして、登録したい件名・文章を入力します。
2.メール作成画面右下の「その他のオプション」をクリックし、「テンプレート」「下書きをテンプレートとして保存」の順番にカーソルを合わせて進み、「新しいテンプレートとして保存」をクリックします。
3.開いたウィンドウの「新しいテンプレート名を入力」に入力し「保存」をクリックすることで、定型文が保存されます。
【保存した定型文を使う方法】
1.登録手順と同じように、Gmail画面の左上にある「作成」をクリックし、新規メール作成画面を立ち上げます。
2.メール作成画面右下の「その他のオプション」をクリックし、「テンプレート」にカーソルを合わせます。
3.開いた画面の中から、該当する文章を選ぶことで保存した定型文を活用できます。
【保存した定型文を編集する方法】
1.オプション画面から保存した定型文を表示し、必要な編集をします。
2.編集が終わったら、メール作成画面右下の「その他のオプション」をクリックし、「テンプレート」「下書きをテンプレートとして保存」の順番にカーソルを合わせて進み、上書きしたい定型文を選択します。
3.「保存済みのテンプレートを上書きしますか?」という画面が表示されるので、「保存」をクリックすると保存が完了します。
Outlook
【定型文の登録方法】
1.Outlook画面の左上にある「新しいメール」をクリックし、メッセージの本文に必要な情報を入力します。
2.「ファイル」の「名前を付けて保存」をクリックします。
3.「名前を付けて保存」ダイアログ ボックスで、「ファイルの種類」ボックスの一覧の「Outlook テンプレート」をクリックします。
4.「ファイル名」ボックスにテンプレートの名前を入力し、「保存」をクリックします。
【保存した定型文を使う方法】
1.Outlook画面の左上にある「新しいアイテム」をクリックし、「その他のアイテム」の「フォームの選択」 をクリックします。
2.「フォームの選択」 ダイアログ ボックスで、「フォルダーの場所」 ボックスの一覧の 「ファイル システム内のユーザー テンプレート」 をクリックします。
3.既定のテンプレートフォルダーが開きます。テンプレートが別のフォルダーに保存されている場合は、「参照」 をクリックし、テンプレートを選択します。
4.テンプレートを選び、「開く」 をクリックします。
【保存した定型文を編集する方法】
上記の要領で、編集したい定型文を開き、メッセージ ウィンドウで、「ファイル」 の「名前を付けて保存」をクリックして上書きします。
全スタッフの定型文を一括管理「メールディーラー」
最後に、カスタマーサポート部門全体の定型文をクラウド上で一括管理できるメールソフト「メールディーラー」をご紹介します。

メールディーラーとは?
メールディーラーとは、メールや電話、チャット、公式LINEなどに届く問い合わせをチームで効率的に共有管理ができるクラウド型メールソフトです。
その他にもR-Messe問い合わせ管理・Yahoo!ショッピングといった各種ECモールとの連携も可能で、カスタマーサポート部門やECサイトなど、8,000社を越える企業が導入しています。
メールディーラーの定型文機能
一般的なメールソフトでは端末一台ごとに定型文の設定作業が必要ですが、メールディーラーでは、誰か1人が設定を行えば、即座にチーム全員の環境に反映されます。
常に全員が最新の定型文を利用できるため、スタッフの更新忘れによって古い定型文を使ってしまうというミスを防ぐことができます。
さらに、メールディーラーでは、受信したメールの件名や本文のキーワードを条件に設定すると、返信に最適な定型文を自動で選出してくれるため、業務に慣れない新人や定型文の種類が多いチームでも、使うべき定型文をすぐに判断できるようになります。
さて、ここまでカスタマーサポートに欠かせない定型文をテーマにご紹介してきました。
カスタマーサポート部門で同業他社との差別化を図るためには、定型文利用による業務効率化や対応品質の均一化が必要不可欠です。
また、カスタマーサポート部門に特化した専用メールソフトを使うことで、定型文の管理やメール対応業務そのものを効率化することが出来ます。
本記事でご紹介したメールディーラーは下記から無料で資料ダウンロードやトライアルいただけます。
※本サイトに掲載されている情報は、株式会社ラクス(以下「当社」といいます)または協力会社が独自に調査したものであり、当社はその内容の正確性や完全性を保証するものではありません。