ネットショップの売上規模が大きくなると、お客さまからの「問い合わせ」や「クレーム」のメールも増えていきます。それは、EC事業者にとって悩みの種かもしれません。
でも、見方を変えれば、それらのメールは顧客の本音(ニーズ)やサイト改善のヒントが詰まった宝の山。クレームなどの問い合わせをネガティブなものと捉えるのではなく「店舗改善のチャンス」と捉えてみてください。
顧客からの問い合わせを、ネットショップの改善と売上アップにつなげるためのポイントについて解説します。
クレームなどの問い合わせをECサイトの改善につなげるメール対応のポイント
顧客から寄せられる問い合わせには、ネットショップを改善するヒントが詰まっています。
例えば、「配送日数」に関する問い合わせが多いなら、配送に関する説明が足りていない可能性があります。そして、せっかく注文しようとしたのに、配送日数が分からないという理由で購入をためらっている顧客がたくさんいるかもしれません。
こうした場合は、商品ページや注文画面などの分かりやすい場所に、配送日数を記載することで、顧客はスムーズに買い物ができるようになり、コンバージョン率の向上が期待できます。
問い合わせやクレームの内容を集計、分析することで、サイト改善の優先順位がつけやすくなります。メールの内容を分析し、「顧客が不便に感じていること」「ECサイトの使いにくい箇所」「商品について説明が不足している部分」「誤解が生じやすい表現」といった課題を見つけてください。そして、その課題を解決することで、顧客満足度の向上や売上アップを図りましょう。
【問い合わせやクレームの内容からサイト改善の仮説を立てる】
【問い合わせやクレームの内容からサイト改善の仮説を立てる】
例1「配送日数」に関する問い合わせが多い
仮説: 配送日を気にしている顧客が多い?配送日数が分からないために、注文をためらってしまう顧客も多いのでは?
対策: 商品ページやカート周りなどに配送日数を記載する
例2「商品の内容」に関する問い合わせが多い
仮説: 商品説明文が分かりにくい?商品写真を変えたり追加したりした方が良い?
対策: 商品ページの説明文や写真を見直す
例3「届いた商品がイメージと違った」 というクレームが多い
仮説: 説明文やキャッチコピーが大袈裟かもしれない?商品写真が適切ではない?
対策: 商品ページの説明文や写真を見直す
例4「取扱商品の種類やアイテム」に関する問い合わせが多い
仮説: 検索結果に正しくヒットしていない?カテゴリーの分類が分かりにくい?
対策: サイト内検索エンジンの見直しやキーワードの見直し、カテゴリー分類の見直しなどを行う
ECサイトを改善して「問い合わせの件数」を減らす
問い合わせの内容を踏まえ、ECサイトを改善して課題を解消すれば、問い合わせやクレームの件数そのものを減らすことができます。
そうなれば、社内のスタッフはメール対応にかける時間が減り、空いたリソースを使って「より良い顧客対応」や「売るための仕事」に注力できるようになるでしょう。
こうした観点からも、問い合わせやクレームの内容を分析し、サイト改善に生かすことは、ショップのサービス向上や売上アップにつながると言えます。
大切なのは問い合わせの内容を「定量的」に分析すること
問い合わせの内容を分析してネットショップの課題を抽出する場合、担当者の感覚だけで判断するのではなく、問い合わせやクレームの内容に応じてメールを振り分け、件数を集計するなど「定量的」に分析することが大切です。
日々送られてくるたくさんのメールの内容を集計するには、メールのラベリング機能や集計機能を備えたメールシステムを使うと効率的です。
株式会社ラクスが提供している問い合わせ管理システム「メールディーラー」にも「集計レポート」機能は備わっており、多くのネットショップが活用しています。例えば、顧客から寄せられた「サイトの利用方法」に関する問い合わせの内容や件数を月単位で集計し、サイトのコンテンツや説明文などの改善に生かすことが可能です。「集計レポート」機能を活用してサイト改善に取り組んでいる日比谷花壇様のような事例も増えていますので、参考にしてみてください。
ここまでのまとめ
クレームや問い合わせの内容を「定量的」に集計し、ECサイトの課題と改善策を見つけましょう!
メール対応は数少ない接客のチャンス!「迅速な回答」で顧客満足度を上げる
ネットショップにとって、問い合わせは顧客に対して「接客」を行う数少ない機会です。「メール対応=接客」と捉え、質の高いメール対応を目指しましょう。
接客の質が高ければ顧客の満足度は上がり、リピート率の向上が期待できます。また、高評価のレビューをつけてくれるかもしれません。そしてそれらは売上拡大に直結します。
一方、メール対応の質が低ければ、顧客が次回購入してくれる確率は下がるでしょうし、最悪の場合、ECモールなどで悪いレビューが付き、新規のお客さまは増えにくくなるかもしれません。
質の高いメール対応とは「対応の早さ」。早さが店舗の好印象につながる
質の高いメール対応(=接客)とは、具体的にどのようなものでしょうか?
メール対応における重要な要素の1つは「返信の早さ」です。返信までの時間が早ければ、そのままショップへの高評価につながります。その根拠となるデータを紹介します。
以前、ネットショップを利用したことがある50人を対象に「好印象を受ける問い合わせ対応」について調査を行いました。その結果、回答者の56.6%が「対応が早いと好印象を受ける」と答えています。
返信内容の丁寧さなども、もちろん重要ですが、なにより素早く返信することが重要だと覚えておいてください。
56%は「対応が早いと好印象を受ける」と回答した。(※調査は株式会社ラクスが実施)
3時間以内の返信を希望するユーザーは合計7割以上
問い合わせに対して何時間以内に返信すれば、消費者は「早い」と感じるのでしょうか。
こちらについても調査データがあります。
ネットショップに問い合わせを行なったときに「期待する問い合わせ対応のスピード」について調査したところ、回答者の35%が「30分以内」、28%が「1時間以内」、12%が「3時間以内」と答えました。合計76%は3時間以内の回答を期待しているのです。
ECユーザーが期待する問い合わせへの返信時間は年々早まっている
皆さんが運営しているネットショップでは、問い合わせに対して何時間以内に返信しているでしょうか?もし、メールの回答に半日以上かかっているとしたら、多くのユーザーが不満を募らせているかもしれません。
ここまでのまとめ
メール対応を「接客」と捉え、迅速に返信することが顧客満足度を高めるポイントです!
ピンチをチャンスに!クレーム対応が良ければリピート率を改善できる
企業に対して不満を抱いた顧客がその企業に対してクレームを伝えたとき、企業側のクレーム対応の内容が良ければ、その顧客のリピート率は「不満を抱いても、クレームを言わなかった顧客」よりも高くなるという理論があります。
これは「グットマンの法則」と呼ばれ、カスタマーサービス分野の第一人者と言われる米国のジョン・グッドマン氏が実施した大規模調査の結果から作られました。
「グッドマンの法則」のイメージ
ネットショップに対して不満を抱いても何も言わずに離れてしまう顧客に対しては、企業側は手の打ちようがありません。しかし、クレームを言う顧客には、企業側の対応次第でリカバリーが効くということです。
逆に、クレーム対応の内容が悪ければ、その顧客のリピート率は「不満を抱いても、クレームを言わなかった顧客」よりも下がります。こうした理論を踏まえると、顧客対応の品質は、ネットショップの売り上げに大きく影響することがお分かりいただけるのではないでしょうか。
クレームの放置は厳禁!
顧客からクレームが寄せられた場合、どのように対応するか即答できない場合もあると思います。そういった場合は、対応を検討して後日返信することを顧客に伝えるなど、まずは何らかの連絡を入れることが重要です。
くれぐれも、「対応方針が決まるまで、クレームのメールを数日放置してしまった」といったことがないように注意しましょう。
信頼を回復するクレーム対応のポイント
クレーム対応を通じてお客さまとの関係をより強固にするために、注意すべきポイントを3つ紹介します。
まずは謝罪する
状況確認に入る前に、まずは謝罪してお客さまの心情に寄り添う姿勢を示しましょう。お客さまの感情を落ち着かせて、冷静にヒアリングできる状態を作ります。
状況を整理する
事実関係の確認には「5W1H」などのフレームワークを活用するとよいでしょう。企業側に落ち度がないにもかかわらず不当な補償を求められた場合は、きちんと断りましょう。トラブルの原因と解決策が明確になれば、納得してもらえるはずです。
メールを送付して記録を残す
クレーム対応を電話で行った場合、合意した内容をまとめた謝罪メールを送付しましょう。文章として記録に残すことで、「言った言わない」問題を回避することができます。
まとめ 問い合わせ管理システムを活用してメール対応の属人化を防ぐ
メール対応などを行うカスタマーサポート部門は、顧客と直接関わる部署であり、その対応次第で顧客満足度やブランドイメージが大きく変わります。メールや電話の対応が良ければ、それだけ顧客のファン化を促進できるでしょう。カスタマーサポート部門を単なるコストセンターと見なすのではなく、会社の売上拡大を支える部署と捉えることが大切です。
そして、メール対応の質を高め、業務を効率化するには専用の問い合わせ管理システムを活用することが有効です。また、カスタマーサポートの属人化を防ぐ上でもシステム化は必要でしょう。
「メールディーラー」は、メールのステータス管理や対応履歴の保存、集計レポート、テンプレート登録などさまざまな機能を備えており、今回ご紹介したメール対応のポイントを効率的に実現できます。無料トライアル版もご提供していますので、メール対応でお困りの事業者さまはお気軽にお問い合わせください。
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