
自分の上司にあたる管理職にメールを送るときは、同僚へメールを送るときよりも注意を払ってメールを作成する必要があります。
敬語の使い方をはじめ、押さえておくべきポイントが数多くあるため、「上司にメールを送るのは不安…」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、上司にメールを送るときに注意すべきマナーや、具体的な例文をご紹介します。
上司にメールを送るときのマナー
ここでは、上司へメールを送る際に注意するべきマナーについて、代表的な4つをご紹介します。
宛名は役職名か「さん」付けにする
上司にメールを送るときの宛名は、「相手の苗字+役職名」または「相手の苗字+さん」のいずれかを記載するのが一般的です。
企業によってはどのような役職であっても「さん」付けで呼ぶことを徹底している場合もあるため、自社の慣例も考慮して決めるとよいでしょう。
自分よりも上の位の相手だからと「様」や「殿」を使いたくなるかもしれませんが、これらの敬称は社外の相手に対する敬称であり、社内の上司に対して使用することはありません。
加えて、「役職名自体が敬称になる」ということも知っておくべきポイントです。
「課長さん」のような表現は敬称が重複した使い方となってしまうため、役職名か「さん」のどちらかのみを記載することを意識しましょう。
敬語の使い方を意識する
上司にメールを送るときは、敬語の使い方を普段以上に意識しましょう。
日頃から何気なく使っている敬語が、実は誤っている可能性もあります。
例えば「ご苦労様でした」という表現は、目上の人から目下の人に向けて使う言葉です。そのため、上司に宛てたメールのなかで「〇〇さんもご苦労様でした」という表現を使うと失礼にあたります。
上司や同僚にかかわらず、社内の人に当てたメールの冒頭には「お疲れ様です」と記載するとよいでしょう。
宛名が複数ある場合は「各位」を使う
宛先が1名の場合は、前述のように「役職名」や「さん」付けを使いますが、宛名が複数にわたる場合には「各位」を使用しましょう。
例えば、部長・課長・係長の3名に対して同じ内容のメールを送る際は「〇〇部長、〇〇課長、〇〇係長」のように連名で書くのではなく、「各位」とだけ記述します。
「各位」は複数の相手に対する敬称であるため、上司に宛てたメールで使用しても失礼にはあたりません。
気遣いの言葉を添える
業務を行う上で、上司になんらかの依頼をしなければならないシチュエーションが発生することもあります。
上司に依頼をする場合は単に用件を伝えるだけでなく、忙しいなかで時間を作ってもらうことへの気遣いや感謝の言葉を添えるようにしましょう。
具体的には、「〇〇をご確認ください」ではなく「お忙しいところ恐縮ですが、〇〇のご確認をお願いいたします」といった表現や、「〇〇をお送りください」ではなく「お手数をおかけいたしますが、〇〇をお送りいただけますでしょうか」などの表現にすると丁寧な印象に仕上がります。
「目上の人に時間をとって対応してもらうこと」に対する感謝の気持ちを意識したメールを作成することが大切です。
上司へのメール例文
ここでは、上司へ送るメールの例文をご紹介します。
さまざまなシチュエーションが考えられるため、自身の状況に合わせて適切なメールを送りましょう。
依頼メール
社内ミーティングの時間変更に関するお願い
【本文】
〇〇さん
お疲れ様です。〇〇です。
〇月〇日(月)13時から△会議室で予定していた社内ミーティングですが
急遽、××社様への訪問が入ったため時間変更をお願いできないでしょうか。
〇〇さんのご都合がよろしければ、同日の〇日(月)10時からだと助かります。
ご都合が悪いようであれば、いくつか候補をお聞かせ頂ければと思います。
お忙しいところご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
お礼メール
〇〇社様案件のご同行ありがとうございました
【本文】
第一営業課
〇〇次長
お疲れ様です。第三営業課の〇〇です。
〇月〇日の〇〇社様との商談にご同行いただき、
交渉にご尽力くださいまして誠にありがとうございました。
ご同行いただけたことが大変心強く、
また先方からはぜひ前向きに検討したいとのお言葉を頂戴しています。
まだ商談は続きますが、今回の経験を活かし今後の業務に
ますます励んでまいりたいと思います。
今後ともご指導のほどお願い申し上げます。
謝罪メール
〇〇社からのクレームに関するお詫び
【本文】
〇〇課長
お疲れ様です。〇〇です。
〇月〇日(△)に〇〇社の△△様より、私の注文対応に関するクレームがありました。
十分に確認しないまま納品処理を行ったために、
先方担当者の〇〇様に多大なご迷惑をおかけしてしまいました。
本件では、お忙しい中〇〇課長にもお手数をおかけし本当に申し訳ありませんでした。
今後は気を引き締め、このようなことが二度と起こらないように
注意してまいります。
重ね重ねになりますが、この度は申し訳ございませんでした。
報告メール
【ご報告】〇〇社様の案件を受注しました
【本文】
営業部 〇〇さん
お疲れ様です。〇〇です。
先日、▲▲の案件で提案を進めておりました〇〇社様より
〇万円の受注を頂きましたので、取り急ぎメールにてご報告を差し上げます。
・▲▲サービス【プレミアムプラン】〇ユーザー
・初期設定費用
・サポート費用
計:××万円
受注内容は上記のとおりです。
現在のところ〇月〇日の午後に先方の〇〇様へお礼の挨拶に伺う予定です。
商談にあたり〇〇さんには多大なるお力添えを頂きまして誠にありがとうございました。
進展がありましたら、またご報告差し上げます。
進捗確認メール
〇〇社向け提案書作成の進捗【報告】
【本文】
〇〇部長
お疲れ様です。〇〇です。
〇〇社向け提案書の作成ですが、現在〇ページまで完了しております。
△日×時からのプレゼンテーションに向け、×日までに最終版を完成の上、
〇〇部長にご確認いただきたいと考えております。
下記のフォルダに該当のデータを格納しておりますので、お手すきの際にご確認ください。
URL:xxxx//xxx.xxx~
尚、当日は〇名の出席を予定しており、先方は▲▲部長と△△課長、ご担当の〇〇さんがご列席される予定です。
また進捗がありましたらご連絡差し上げます。
どうぞよろしくお願いいたします。
上司へのメールに使えるフレーズ
上司宛てのメールは宛名や冒頭の挨拶、本文だけでなく、締めくくりについても十分に意識して作成することが大切です。末尾の文章が抜けていると全体の印象を損ねる可能性があるため、適切な内容を添えることが重要です。
例えば、「お手数をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします」「お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします」「お手すきの際にご確認いただけますと幸いです」などの表現は、どのようなシチュエーションでも使いやすいフレーズです。
上司にはマナーを守った礼儀正しいメールを
上司宛てのメールにおいては、敬語の間違いがないか、失礼な表現になっていないかなどを十分に確認することが大切です。忙しい合間を縫って確認してもらうことになるため、感謝の言葉も添えるとさらに丁寧でしょう。
本文の内容には依頼やお礼、謝罪などさまざまなパターンがありますが、宛名や締めのフレーズなどは幅広く活用できるため、覚えておくことをおすすめします。
今回ご紹介した例文も参考にしながら、基本の構成を意識して、印象のよいメール作成を心掛けましょう。
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