
社内の複数人でひとつのメールアドレスを共有できる「共有メールアドレス」の利用には、対応スピードを向上させたり属人化を防止したりとさまざまなメリットがあります。
メーリングリストやWebメール、ツールの利用などいくつかの方法がありますが、日常的に共有メールアドレスを利用するのであればツールの利用がおすすめです。
そこで今回は、共有メールアドレスを利用するメリットや具体的な利用方法などについてわかりやすく解説します。
共有メールアドレスとは
共有メールアドレスとは、文字どおり「複数人で共有できるメールアドレス」のことです。
ひとつのメールアドレスを複数人で共有することによって、ひとつの受信元からのメールを複数の担当者が確認できるようになったり、同じメールアドレスを使って複数人の担当者がメールを送信したりすることが可能になります。
共有メールアドレスを作成するメリット
共有メールアドレスを作成することには、さまざまなメリットがあります。ここでは、代表的な4つのメリットについて解説します。
業務効率化をはかれる
共有メールアドレスを作成することによって、業務効率化をはかれるというメリットがあります。
共有メールアドレスを利用しない場合、メンバーに与えられた個人のメールアドレスやアカウントを使用してメール対応を行うことになるため、誰かがメールを受信したときにほかのメンバーに共有し直したり、送信時に関係者にCcやBccを設定したりする手間が発生します。
そこで共有メールアドレスを使用すれば担当者全員が同じタイミングでメールを確認できるため、対応状況の確認や連絡の手間を省略し、効率アップにつながります。
メール対応のスピードが上がる
共有メールアドレスを利用することでメール対応のスピードが向上することも、メリットのひとつといえるでしょう。
各担当者が個別にメール対応を行っていた場合、担当者が不在だったり休暇を取っていたりする場合にメールの返信が行われず、顧客を待たせてしまう時間が長くなります。
不在時に担当者へメールが送られてきていることもチームメンバーは気がつかないため、代わりに対応することもできません。共有メールアドレスであればメールの受信時に手が空いている担当者がすぐに処理に取りかかれるため、スピーディーな対応が可能です。
顧客満足度の向上につながる
共有メールアドレスを利用して業務効率化をはかったりメール対応の速度を向上させたりすることは、顧客満足度の向上にもつながります。
一般的に、顧客は企業からのメール対応が早ければ早いほど信頼感を高める傾向にあります。同じ内容の返答であっても、すぐの対応であれば「この企業はすぐに返信してくれる」と好意的な印象をもってもらいやすいですが、数日間経ってからの対応では「この企業はメールの返信にいつまでも待たせる」という悪印象につながりやすくなるといえます。
自社に対する顧客からの印象をより良いものにするためには、メール対応をできるかぎりスムーズかつ速やかに行える体制を整えることが重要です。
属人化を防止できる
個人のメールアドレスを使って顧客からのメールを処理する場合、他のメンバーはどのようなメールを受信しているかを確認することができません。したがって担当者の不在時に顧客からの問い合わせがあったとしても、担当者以外には案件の詳細がわからず、担当者が戻るタイミングを待たなければならないことになります。
緊急のトラブルなどの場合には、例え担当者が休暇を取っているときであっても連絡を取って内容を確認する必要があり、社員の負担は重いといえます。
共有メールアドレスを利用することによってどのようなメールを受信しているのかが誰でも確認でき、担当者が不在であっても他のメンバーがカバーできるようになります。
共有メールアドレスを作成するデメリット
共有メールアドレスの利用にはメリットがある一方で、いくつかの問題点もあります。次の2つのデメリットには十分に注意した上で利用を検討しましょう。
重複対応のリスクがある
共有メールアドレスを利用する場合は、担当者同士のコミュニケーションを密に取って連携を強化しなければ、重複対応してしまうリスクが残ります。対応範囲を明確にした上で、「このメールは誰が対応しているのか」を担当者が把握しておく必要があるといえます。
加えて「誰かが対応しているだろうと思っていたが、誰も対応していなかった」という事態が起こり得るのも共有メールアドレスのリスクのひとつです。どちらの点にも十分に注意して利用しましょう。
保留や引継ぎのミスが発生する可能性
共有メールアドレスを利用していくなかで、複数の担当者がひとつの案件を引き継ぎながら対応するシチュエーションが発生することがあります。このときに保留や引継ぎにミスが発生し、顧客から「説明したはずなのに説明した内容が伝わっていない」「前回話していたことと違う」などのクレームが入るなどのトラブルに発展する可能性があるため、運用には注意が必要です。
どの担当者がどんな内容で対応したのかをよくチェックしてから、次の担当者に引き渡すことが大切です。
共有メールアドレスを利用する方法
共有メールアドレスを利用する方法にはいくつかあるため、自社に合った方法を検討することをおすすめします。ここでは、代表的な3つの方法をご紹介します。
メーリングリストを利用する
よく利用される共有メールアドレスの方法に「メーリングリスト」があります。メーリングリストとは、リストの管理者を決めておき、管理者が利用者をリストに追加していくことでひとつのメールアドレスを複数人で利用できるようになるメールアドレスの運用方法のことです。
Outlookなど多くのメールソフトで利用できるため、導入ハードルの低さがメリットです。
Webメールに登録する
Webメールに登録して、ひとつのメールアドレスを複数人でログインしながら管理する方法もあります。
Webメールはブラウザ上からメールの送受信を行える仕組みであり、通常はほかのメールアドレスからはログインできませんが、Microsoft社の「Outlook」やフリーメールの一種である「Gmail」などには共有メールアドレスで受信したメールを2人以上の担当者が閲覧できる機能が備わっています。
ただし、Webメールを複数人でログインしながら運用する方法は、セキュリティ上の安全性を考えるとおすすめできません。前述の共有メールアドレスに特化した機能が備わっているサービス以外では、リスクが高い方法であると考えたほうが良いでしょう。
メール共有可能なツールを導入する
メール共有機能が搭載されているツールを導入するのもおすすめの方法のひとつです。
メール共有可能なツールは、メールアドレスの管理だけでなく、問い合わせ管理などの便利な機能も備わっていることが多く、顧客管理や案件管理に高い効果を発揮します。
カスタマーサポート、ECサイト注文対応、自社サイト問い合わせ対応などや、複数人で連携して取引先対応を行う業務を大きく効率化できます。
共有メールアドレスを利用するならツールの導入がおすすめ
共有メールアドレスを利用するなら、組織単位でのメール共有に向いているツールの導入がおすすめです。メーリングリストは管理が煩雑になりやすい面があり、Webメールはセキュリティ上の不安もありますが、ツールを利用すればこれらのリスクは解消できます。
顧客管理やマーケティングにも高い効果を発揮するため、メール対応の効率化以外にも、マーケティング費用の削減や効率的な顧客育成などにも活かしやすいのがポイントです。
システム導入を検討すべき理由
無料のメールソフトでも複数人でメールアドレスを共有することは可能です。しかし、個人アドレス利用時では発生しなかったリスクも生じる可能性があります。
例えば部署で共有アドレスを作成して運用した場合、誰がどのメールに対応しているのかわからなくなり、対応漏れや二重対応が発生するリスクがあります。
加えて、社外からのお問い合わせフォーム、既存顧客からの問い合わせ窓口など共有メールアドレスを複数利用することが多い部署は、管理がさらに煩雑になります。情報共有にとどまらず、メールを共有する場面においては専用のシステム導入を検討することで、上記の課題を解決できます。
まとめ
共有メールアドレスを利用することで、複数の担当者がひとつのメールアドレスを共有して業務上のメールを処理できるようになります。業務効率化や属人化の解消、顧客満足度の向上などに高い効果を発揮しますが、導入時は重複対応や引継ぎミスに十分注意して運用しましょう。
共有メールアドレスを利用する方法にはメーリングリストやWebメール、ツールの導入などがありますが、本格的かつ安全性の高い方法を検討するなら、機能性が高くセキュリティも充実しているツールの導入がおすすめです。
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