毎日のメール業務、何分かかっていますか?
ビジネスでメール業務は必要不可欠ですが、あくまでコミュニケーション手段の一つであるため、作業時間や負担を削減することが重要です。
そこで今回は、Microsoftが提供するメールソフト「Outlook」で使える7つの時短術をご紹介します。現在Outlookをお使いの方、メール業務の負荷に悩んでいる方はぜひご覧ください。

メール業務の時短化は必要?
2021年に発表された、日本ビジネスメール協会(東京・千代田)の調査結果(※)によると、仕事でメールを使っている人の1日平均送信メール数は「13.63通」、受信メール数「51.1通」に上るそうです。また、同調査では業務中に活用するコミュニケーション手段も「メール」を選択した人が一番多く、98.9%の結果が出ています。
ちなみに、メールの返信が遅れてしまうことがある人は67.93%で、残業が多いと感じている人ほどメールの返信が遅れる頻度が高い傾向にあることも分かっています。また1日に69分メールを読み、81分はメールを書いている時間があるというレポートも記載されています。このように、一日の中でメール業務に割いている時間は3時間ほどとかなり多く、業務効率を実現するためには、メール業務の時短化が欠かせないと言えるでしょう。
(※)ビジネスメール実態調査2021|日本ビジネスメール協会
<Outlook時短術1>ショートカットキー
Excelと同じく、Outlookでのメール作成においてもショートカットキーを使って、作業時間を短縮することができます。
まずは使用頻度が高い、11個のショートカットをチェックしてみましょう。
Ctrl + Enter 送信
Ctrl + R / Ctrl + Shift + R 返信
Ctrl + F 転送
Ctrl + Space 書式統一
Ctrl + F7 辞書登録
Ctrl + 1 / Ctrl + 2 メールと予定表の切り替え
Ctrl + E 検索
Ctrl + F3 高度な検索
Tab / Shift + Tab 入力欄移動
Ctrl + Shift + E 新規フォルダー作成
Ctrlキーをトリガーにアクションを起せるものがほとんどです。新規作成のNは「New」の頭文字、返信のRは「Return」の頭文字と、割り当てられたアルファベットの意味を考えると、より覚えやすくなるでしょう。
<Outlook時短術2>クイック操作
Outlookでは操作を簡略化する「クイック操作」という機能があります。
この機能を使えば、メールの仕分けやスケジュールの転記など、事前に登録した操作を自動化することができます。
デフォルトで実装されているのは以下5つの機能です。
- 移動 指定したフォルダーに移動し、読み取りとしてマーク
- 上司に転送 メールをマネージャーに転送
- チームの電子メール チーム内の他のユーザーにメールを転送
- 完了 指定したフォルダーに移動し、完了をマーク
- 返信して削除 選択したメールへの返信画面を開き、元のメールを削除
例えば、特定フォルダーにメールを移動したい場合、リボンにある[クイック操作]から[移動]を選択し、操作名・移動先を指定して保存することで、一連の操作をワンクリックで行えるようになります。「資料が添付されたメールのみを資料フォルダーに集めたい」「自動送信のスケジュールメールだけを特定フォルダーに振り分けたい」といった場合に非常に便利でしょう。
<Outlook時短術3>テンプレート
「〇〇様 お世話になっております」「ご確認のほど、何卒よろしくお願いいたします」といった定型文を登録するなど、全てのメールに共通する部分をテンプレート化しておくと、メール業務がより簡素化されます。
Outlookのクイックパーツ機能では、任意の文章を挿入することが可能です。設定方法はメール内で登録したい文章を選択。本文を作成した後に、ツールバーの[挿入]ボタンをクリックします。
そして[クイックパーツ]を選択し、[定型句ギャラリー]に名前をつけて保存して完了です。なお、設定した定型句の削除や編集も自由に行うことが可能です。登録した名前を入力すると、登録した文章の選択・入力ができます。
また、Outlookでは文書パーツ以外にも、署名や定期的に送るメールのテンプレート化も可能です。
署名はメールツールバーの[メッセージ]から設定ができます。自分の役職名や会社の個人電話番号、所属名や会社の住所などを入力しましょう。
メールのテンプレート登録は、[ホーム]>[クイック操作]>[新しいクイック操作]>[新しい電子メール]の順でクリックして行います。[新しい電子メール]をクリックすると、[初回使用時のセットアップ]というウィンドウが立ち上がるので、名前を入力して完了をクリックしてください。
上記の登録が完了すると、作成したメールがクイック操作に登録されます。作成したテンプレートの名前をクリックし、[編集]>[クイック操作の編集]から名前や宛先の設定を行いましょう。[オプションの表示]をクリックすると、件名やテキストを登録できます。ショートカットキーを割り当てると、次からはその操作だけでテンプレートの立ち上げが可能です。
<Outlook時短術4>辞書登録
辞書登録機能を活用することで、入力を簡略化し、メールの作成時間を短くすることができます。
例えば、「いつもお世話になっております」を“いつ”と入力しただけで出力できるように設定しておくと、入力工数を短縮できるでしょう。登録しておきたい、おすすめの内容は下記の通りです。
- めーる 会社の個人メールアドレス
- じゅうしょ 会社の住所
- でんわばんごう 会社の電話番号(あるいは会社の個人電話番号)
- いつ いつもお世話になっております。
- よろ よろしくお願いいたします。
- ごか ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
また、その他にもやり取りが多いクライアントで、難読漢字を含む苗字や商品やサービス名は、ミス防止のために登録しておくと安心です。
- 斎藤、齋藤、齎藤(さいとう)
- 渡辺、渡部、渡邊、渡邉(わたなべ)
- 梯子の「髙」を使った名前 など
<Outlook時短術5>ドラッグ&ドロップでスケジュール登録
Outlookではドラッグ&ドロップでスケジュールを簡単に登録することが可能です。
送られてきたメールを予定表に反映させたいときには、メールをドラッグしたまま画面左下の予定表マークでドロップし、メールの内容が記載された予定表ウィンドウが立ち上げましょう。
ドラッグ&ドロップを使えば、「メールを開く」「予定の作成画面を開く」「内容の転記」といった作業を省くことができます。また、Outlookのバージョンによって、予定マークの位置やカラム表示の位置が異なるため、詳しい内容は公式のヘルプページをご参照ください。
<Outlook時短術6>振り分け設定
メール業務の効率化には、振り分け設定は必要不可欠です。
フォルダーに振り分けておくことで、見落とし防止やメールの検索時間短縮、優先度の可視化にも繋がります。
フォルダー作成手順
まず、振り分け先であるフォルダーを作成します。
- フォルダータブから、[新しいフォルダー]を選択
- [名前] ボックスにフォルダー名を入力し、Enter
これで新しいフォルダーが生成されます。
振り分けルールの設定
次に、振り分けるメールを選定します。
- ホームタブから、[ルール]>[仕分けルールと通知の管理]をクリック
- [仕分けルールと通知]の左側にある[新しい仕分けルール]をクリック
- [自動仕分けウィザード]内から[受信メッセージにルールを適応する]をクリック
- [次へ]を選択
- 振り分けるルールの入力
<Outlook時短術7>アーカイブフォルダー
Outlookのアーカイブフォルダーを活用すれば、必要なメールをよりスピーディーに見つけられます。
まずは、アーカイブフォルダーの作成・メールをアーカイブフォルダーに格納するクイック操作の設定を行いましょう。
アーカイブフォルダーの作成
- フォルダータブから、[新しいフォルダー]を選択
- [名前] ボックスにフォルダー名を「アーカイブ」と入力し、Enter
メールをアーカイブフォルダーに格納するクイック操作の設定
次に、クイック操作の設定です。
- [クイック操作]から[新規作成]をクリック
- [クイック操作の編集]画面から[名前]欄に[アーカイブへ]と入力。
- [アクションの選択]欄から[フォルダーへ移動]を選択し、[フォルダーの選択]をクリック
- [アーカイブ](あるいは[その他のフォルダー]→[アーカイブ])を選択
- 画面下の[ショートカットキー]の欄から割り当てるものを選択
以上の手順でアーカイブフォルダーを作成しておくと、「日々確認する必要がないものの、削除はしたくないメール」を一括してアーカイブさせ、必要なメールだけを確認できるようになります。
ビジネスメールでは、メール内にパスワードやオンラインミーティングのURLやパスコードなどが記載されているケースも多く、削除してしまうと困るものも少なくありません。
一方で、保管したいメールばかりが溜まってしまうと、やり取りが必要なメールが埋もれてしまいます。アーカイブフォルダーでは、そうした課題を一挙に解消し、両立させることができるのです。
メールは共有することで、さらに時短が可能?
ここまでOutlookにフォーカスして、メール業務効率化のための時短術を紹介してきました。
しかし、既に全ての時短術を使っているが、それでもメール業務の負担が重い方は、ビジネス向けの有料メールソフトがおすすめです。月々の料金はかかりますが、個人向けに開発されたOutlookにはない「ビジネスに役立つ機能」が豊富に搭載されています。
組織全体でメール業務の生産性向上を図りたい場合は、ぜひ有料ビジネスメールソフトの導入をおすすめします。
まとめ
今回はOutlookの時短術を7つご紹介しました。
日々行うメール業務だからこそ、一つひとつのアクションを短縮して、業務効率化を図ることが重要です。連絡にかかる業務コストを下げることで、コア業務に割ける時間がより増加し、結果的に個人の生産性、組織の生産性向上へとつながるでしょう。
また今回ご紹介したように、メール業務の効率化を図るうえでは、システム側の自動化設定が重要です。システムによる自動処理が実装されれば、ヒューマンエラーによるトラブルを防止することができます。
メール作業時短のためには様々な設定や裏ワザがありますが、できることはある程度限られています。無料のメールソフトでの管理に限界を感じた方は、ビジネス用の有料メールソフトの導入をおすすめします。メール業務の負荷にお悩みの方は、ぜひ今回の内容を参考に、メール業務の効率化を図ってみましょう。
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